今日、JR東海が着工をしている「リニアの開業の遅れ」という、記事が大手新聞社を中心に報じられている。
日経新聞:JR東海、2027年のリニア開業断念 静岡着工メド立たず
新聞各社も同じような見出しになっており、静岡県とリニア工事についてこじれてしまっている為に、工事が進まず開業が遅れる、という内容になっている。
確かに、リニア工事に関しては、大井川の水源近くにリニアが通る為大井川の水源の問題があるのは、ご存じの通りだ。
大井川を水源として水道水をくみ上げている、静岡市をはじめ周辺の自治体としては、生活インフラに関わる重大な問題である、ということには変わりない。
一度こじれてしまった話し合いは、歩寄ることなく平行線状態が続いている、というのが現状だろう。
このようなメディアの報じ方から、多くの人達は「静岡県のわがまま」と受け止めるのでは?と、考えている。
確かに生活インフラを考えず、工事を強行するというのは今の時代問題であり、将来的に大きな禍根を残すことは目に見えている。
わかりやすい例でいうなら、別名「成田闘争」と呼ばれる、成田空港に関する用地買収の失策がある。
未だに成田空港が、国際空港としての役割を十分に果たせない理由が、大型旅客機の離発着ができる滑走路が1本しかない、という点にある。
勿論、当初はこのような計画ではなかったのだが、滑走路建設予定地内にある農家さんが、強硬に反対をし1960年代からかれこれ60年近く、もめ続けている為に、着工できずにいる。
リニアについては、このような事態になることを避けたい、と考えているのはJR東海だけではなく、おそらく国も同様だろう。
しかし、本当に工事が遅れているのは、静岡県ともめているだけが理由なのか?というと、決してそうではないはずだ。
それは過去に「リニア工事で土砂崩れ」ということが、あったからだ。
JR東海側が予定しているリニアルートは、富士山から南アルプスを迂回するようになっている。
しかしこの地域一帯の地盤に問題がある、という指摘が再三されてきているのだ。
日経XTECH:リニア新幹線南アルプスルートは安全か
この記事は、2009年に掲載されているものなので、あてになる内容なのか?という指摘もあると思う。
ただ、リニアに関しては、ルート発表後ルート変更はされていないと思われるので、現在もまだ「安全なのか?」という疑問符がついていている、と考える必要があると思う。
また、このころは静岡県とこれほど、もめていない時期だったはずだ。
そして「東日本大震災」が発生した頃から、「リニアの下に(活)断層がある」という話も出てくるようになる。
そう考えると、JR東海側としては、これにこじれている静岡県のせいでリニアの工事の遅れが出ており、結果として開業も遅れるという、という理由付けが一番世間的同情を得られるだけではなく、問題となっている(活)断層や掘削工事による土砂崩れ事故の発生、という問題から世間の目をズラすこともできる。
そのようなJR東海側の思惑で、リニア工事が進んている様に思えるのだ。
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