日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「同じモノを買うなら・・・」生活者と企業の意識が変わりつつある

2014-01-10 19:40:27 | マーケティング

最近、買い物に行くと様々な商品パッケージに、ちょっとした変化を感じることがある。
それは、パッケージに「売上金の一部を○○○に寄付をします」と、小さな文字が印刷されている商品が増え始めているということだ。

例えば、国連食糧計画(通称:WFP)には「世界の子ども達に給食を提供することで、学校に通いやすい環境をつくる」という活動がある。
その活動を支える一環として「レッドカップキャンペーン」という、キャンペーンをしている。
WFP:RED CUP CAMPAIGNサイト
参加企業をみると、コンビニから食料品会社、学習塾など様々だ。
その中でも、特に食料品会社が多いのは、当然だと思うのだがこのキャンペーンに参加している商品には、「RED CUP」とキャンーン参加の告知が、小さく印刷されている。

そして昨年暮れ見かけたのが、「能率手帳」から名前が変わった「NOLTY」の手帳やカレンダーだった。商品価格の内10円を東日本大震災で被災した子ども達の教育支援に寄付をする、と言う内容だった。

拙ブログに来て下さる方の中で、同じ目的(例えば新しい手帳)で同じ価格の商品を買おうとした時、一つは「○○へ寄付」と書いてあり、他の商品には書かれていない、と言う場合、どちらの商品を選ぶだろうか?
おそらく、ある一定数の方は「○○へ寄付」と書いてある商品を購入すると思う。
言い換えるなら、「同じ目的・同じ価格の商品を買うなら、少しは社会貢献できたほうが嬉しい」という気持ちがあり、それを企業側も知っている、と言うことだと思う。

企業側にとっても、「寄付をする」と言うことは売り上げに影響することなので、そう簡単に参加する、と言う訳にはいかない。
しかし、「寄付をする」ということで、1商品あたりの利益は若干減ってもその考えに賛同する生活者が多ければ、最終的には商品全体の売り上げは増える。
何よりも「社会貢献、社会的活動に関心の高い企業」というイメージを生活者に与えることになり、企業イメージのアップにつながる。

生活者の「モノを買うコトが社会貢献につながる」という「ちょっと嬉しい買い物」という感覚は、フェアトレード商品が登場し始めた頃から、生まれた感覚という気がしている。
最近では「エシカル商品」と呼ばれる、自然に配慮をした商品を謳う企業も増えてきている。
フェアトレード商品も「エシカル商品」も、価格的にはやや高めなのだが、あえてこの様な商品を選ぶ生活者が増えつつあるのも事実だ。

その意味で、生活者も企業も「社会とどう関わっていくのか」という姿勢が、モノを買う一つの基準になりはじめている、と言うことだと思う。
その様な意識変化が、これまでとは違う「結びつきのある市場」を創り出していく様な気がする。




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