朝日新聞のWebサイトを見ていたら、「Z世代」についての記事があった。
朝日新聞:Z世代に響かない既存の報道や運動、個人主義でメディア不信
まず、「Z世代」となる年齢を確認しておきたい。
一般的には10代後半から20代前半の若者を「Z世代」と呼ぶ傾向がある。
と言っても10年位の年齢幅があるので、それを一括りにしてよいのか?という考えもある。
記事にある通り、Z世代と呼ばれる若者たちは、生まれた時からデジタルツールが自分の周囲に溢れ、抵抗なくそれらのデジタルツールを使いこなす。
その意味では、見出しにある通り「デジタルツールから得られた情報や価値観」によって、成長してきた世代と言えるかもしれない。
「デジタルツール」が身近にあることで、マスメディアと呼ばれる既存メディア以外からの情報を得やすい、という点は見出しにある通りだ。
おそらく彼らの情報の元となるのは、InstagramやTikTokが中心なのでは?と、想像している。
ご存じの通りInstagramやTikTokは、あくまでも個人が情報発信するSNSであって、新聞社やテレビ等の既存メスメディアが発信しているモノではない。
言い換えれば、情報そのものが「個人」のモノであり、既存メディアが発信をするような社会的な問題や動きには、感心が低い、ということになるだろう。
とはいえ、社会人となればそのような「個人」の情報発信だけでは、仕事を含め社会の中にいることは難しいだろう。
その逃げ道(と言っては語弊があるが)として、今後ますます「自分と同じ人」が発する情報に触れたい、という気持ちになっていくのでは?と、想像することができる。
その理由が「自分と同じ=共感性」ということになるのかもしれない。
それは、社会に出ると暗黙の圧の一つになる「強さ」ではなく、「弱い自分に対する肯定」なのではないだろうか?
人は誰しも強いところばかりではない。
TPOに合わせ、時には強い自分を演じ、素に戻れば弱い自分の存在を認めているのではないだろうか?
そのような「弱い自分の存在」を出せる場所が、Z世代にはない、ということなのか?そのような場所を見つけられない、というのが今の状況なのかもしれない。
そう考えると、最近時折見かける「ちいかわ」のようなキャラクターは、彼らにとって「癒し」の存在なのかもしれない。
筋骨隆々の勧善懲悪なストーリーが目立っていた少年ジャンプなどでも、「東京リベンジャーズ」の主人公は、強いというよりもどこか弱さを感じるキャラクターが登場するようになってきている(と言ってもアニメ版をTverで少し見ただけなのだが)。
「不良が主人公のマンガ」と言っても、これまでのような勇ましさを感じないのだ。
それが、Z世代の一つの価値観だとすれば、「弱さ」は決してネガティブなことではなく、時には「自分を守る」ポジティブなことへと変化していく。
彼らの価値観がどのように変化していくのかは分からないが、これまで「強さ」ばかりが強調されてていた価値観から「弱くても自分らしくある」という価値観が主流となっていくかもしれない、と感じるのだ。
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