日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

報道の公平さ

2013-04-17 15:23:53 | 徒然
昨日、ボストンマラソンのゴール近辺で起きた爆破事件。
8歳の男の子や中国からの留学生が、亡くなった。
近くにいた8歳の男の子の妹も、足を切断する重傷を負った。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方々の早いご回復を願います。

そんなニュースのあった翌日の今日、ピューリッツアー賞の発表があった。
ナショナルジオグラフィック2013ピューリッツアー賞 シリア難民

ご存じの通り、シリアは内戦状態が続いている。
そしてその犠牲の多くは、女性や子ども達だ。
「暴力には暴力で報いる」と言う、血を血で争うような状態が続いているのは、何もシリアだけではない。

今日、マーケターの大先輩である大西宏さんが、とても興味深いブログをエントリされていた。
大西宏のマーケティング・エッセンス「ボストン・マラソンのテロは許せないが

出来事の「悲劇度」というモノは、図ることができない。
犠牲になった方々の遺族にとっては、代えがたいモノだからだ。
しかし、メディアの扱いとなるとどうなのだろう?
メディアの中に何処か「センセーショナルさ」というか「(市民への)衝撃度」を優先させているようなトコロがあるのではないだろうか?

ピューリッツアー賞の対象となったシリアだけではなく、アメリカが関与している紛争地域では、ボストン・マラソンでのテロで犠牲になった8歳の男の子と同じ位の年齢の子ども達が、毎日の様に犠牲になっている。
でも、その様なニュースをほとんど目にすることが無い、と言うのが現実だと思う。
何故なら、紛争地域ではそれが日常と化していているからだ。

もう一つ考える必要があるのでは?と思うコトは、米国の経済を支えている柱の一つが「軍事産業」である、と言う点だ。
中東だけではなく、パキスタンなどの中央アジア、そして北朝鮮という傍若無人な思考の国など、世界の至る所で緊張感が高まっている。
もちろん、多くの人は「平和的解決」を望んでいるが、一方でそれを主導しているはずの米国の主要産業に一つが「軍事産業」である、と言うコトも忘れてはいけないと思うのだ。


もう一歩踏み出す発想

2013-04-16 14:40:45 | ビジネス
ここ数年、耕作放棄地の管理として山羊を飼う地域がある。
農業に従事者の高齢化に伴い、耕作放棄地が増えているのはご存じの通りだ。
そして、一旦耕作放棄地となってしまうと、その後畑や水田として再利用するコトが難しくなる。
そのために人を雇って、草刈りなどをするのが通例だったのだが、その様な地域そのものが高齢化社会に陥っており、草刈りそのものが大変で農協や役場の職員が代わりに行う、と言うケースもあると言う。
草刈りの手間だけでは無く人件費などの経費削減のために、山羊を飼うと経費節減だけでは無く、排泄物を肥料として活用で一石二鳥になる、と言うのが今の状況らしい。

それとは別に、先日「長期保存ができる缶入り米」を紹介する新聞記事があった。
詳細は忘れてしまったのだが、ネットで調べてみると既にこの様な「長期保存ができる缶入り米」を通販などで販売しているお米屋さんがある、と言うコトを知った。
この「缶入り米」のメリットは、長期保存ができ、お米本来の風味も落ちず、虫もつかない。

これらの記事などを呼んでみると、確かにその発想や考えはとても素晴らしいのにな~と思いながらも、あと一歩違う発想が生まれればもっと良いのでは?と感じるのだ。
例えば、「缶入り米」。
「長期保存ができる=災害用として使える」と言う発想は、直ぐに思い浮かぶだろう。
まして「無洗米」であれば、水を加えるだけでご飯が炊ける。
しかし災害時程、普通にお米を炊くコトそのものが、大変なのでは?

災害が発生するとまず問題になるのは、電気やガスなどの「インフラ」だろう。
お水の問題もあるが、電気やガスが無いと言うコトを考えると、その缶を飯ごうのように利用して、直火でご飯が炊けるともっと使い勝手がよいのでは?
もちろん、その様な機能が加わればキャンプなどでも使われるだろう。
「長期保存ができ、美味しく暖かいごはんがキャンプのような焚き火で作れる」と言うのは、今の商品メリットよりも、遙かに高いように思うのだ。

耕作放棄地の雑草駆除の山羊にしても、山羊乳製品を作ると言うコトだってできるはずだ。
日本では余り多く生産されていない山羊乳製品だが、欧州などでは一般的で、直輸入品を日本で買うと「高級品」扱いになっている。
皮革製品にしても「ゴート革」というのは、丈夫で手触りが良いと人気がある。

大きな産業にするのではなく、副産物的ものづくりと考えることで、また違った地域経済の活性化にも繋がるはずだ。

「もう一歩踏み出す発想」というのは、決して特別な発想ではない。
だが、この様な発想が今必要なのだと思う。

国の行政の足並みは揃っている?-東日本大震災復興計画-

2013-04-15 11:44:11 | アラカルト
今朝、FMを聞いていたら今までとは違う視点の、東日本大震災の復興計画の話をしていた。
環境省の「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興 東日本大震災への対応についてだった。

2年前大きな被害が出た三陸は、自然豊かな地域でもあった。
小学校の社会でも習った「リアス式海岸」の美しい海岸線や周辺の島々、迫りくる山々など海と山の距離がとても近い。
周囲には里山もあり、自然に寄り添う様に人の暮らしがある・・・そんな地域だ。
その美しい自然や人が丁寧に手を入れてきた里山を含め、国立公園にして復興政策にしよう、と言うのがこの「三陸復興国立公園・グリーン復興」というコトらしい。

おそらくこの様な動きがあると言うコトを、被災地以外の人がどれだけ知っているのだろう?
自民党政権になってから「復興計画=コンクリート製の巨大な防波堤計画」などの報道が目立ち、美しい自然を活かした復興計画や防災計画というものが、語られていない様に思う。
旧態依然とした、自然に抗うような発想の防災計画や復興計画、と言う印象を持っている人は多いのではないだろうか?
なにより被災された方々が、そのような防災計画や復興計画を望んでいるのだろうか?
毎日新聞特集ワイド:東日本大震災 巨大防潮堤、被災地に続々計画 本音は「反対」だが…復興が「人質」に 口閉ざす住民(掲載2013年2月6日 東京夕刊)

復興と防災は確かに急がねばならないコトだが、もっと丁寧な論議があっても良いのでは?
「復興」という言葉を人質に、多くの住民の意志を聞かないと言う復興計画は、何処かおかしな計画だという気がするのだ。
とすれば、環境省のような「グリーン復興計画」という発想があっても良いと思う。
ご存じの通り東北は、農業だけでは無く漁業も盛んで地域経済の中心だった。
この「グリーン復興計画」の中に、自然と共存するような防災計画を組み込むコトで、生態系にも配慮できる。
「生態系に配慮する」と言うコトは、地域経済の中心だった漁業の復興にも大きく関わる、と言うコトだ。

それにしても、自民党=現政権が計画している復興計画と、環境省が始めようとしている「グリーン復興・三陸復興国立公園」とでは、国の政策として随分違うような気がする。
「省益」と言うコトでは無いと思うのだが、各省庁の枠を超えた復興計画というものを考えて欲しいし、被災地以外の人達が考える復興プランなども積極的に集め、専門家とともに「自然と防災、復興」を考え、計画して欲しいと思うのだった。


クールジャパンも良いけれど・・・

2013-04-14 19:39:32 | 徒然
Yahooのトピックスを見て、驚いた。
この時期に、皇居のお堀を泳いで渡り、皇居に侵入し逮捕された外国人のニュースがあった。
このニュースの見出しだけ見た時には「今日の東京は、皇居のお堀で泳ぎたくなるほど、篤かったのか?」と思ったのだが、逮捕された時間を見ると朝7時過ぎ。
朝の7時と言えば、真夏の熱帯夜が続く季節ではない限り、泳ぎたいと言う気持ちには成らないだろう、と思ったのだ。

とすれば、何らかの目的があってお堀を泳いで渡ったのだろう?と、ニュースをチェックしていると「皇居に行きたかった」というのが、泳いで渡った理由らしいと言うことが判った。
ご存じの方の方が多いと思うのだが、皇居を始めとする宮内庁管轄の建物に入るには、事前予約が必要だ。
宮内庁HP皇居
最近では、インターネットでの受付ができるようになり、海外からもネットで申込をされる人が多いと言う。

おそらく、お堀を泳いで渡った外国人観光客は、この様な参観受付を知らなかったのだろう。
参観コースと言っても、皇居他宮内庁管轄の建物を総て見られるわけではない。
もしかしたら、参観コース以外の場所が見たかったのかも知れないのだが、それにしても皇居という場所についての予備知識というものが無かったように感じる。

随分前から、「クールジャパン」と銘打って日本の様々な文化を積極的に発信し、観光などに結び付けようと、国を挙げていろいろなことをしている。
そのこと自体全く問題無いと思う。
ただ、随分前に問題となった「築地」での外国人観光客の傍若無人さや京都・祇園での舞妓さんの追っかけなど、どうも日本の文化がキチンと伝わっていないのでは?と言う気もしている。
「築地での競り」も京都・祇園の舞妓さんも仕事であって、決してアミューズメント施設のアトラクションの一環ではない。

確かに「築地の競り」や京都・祇園の舞妓さんなどは、日本独特のモノで興味がそそられるのもわかる。
わかるのだが「職場や仕事である」ということを、積極的に情報発信をしなくては、「不思議の国のアトラクション」などと勘違いをされてしまうと思う。

「日本文化」と言ったとき、海外の人達が思い浮かべるイメージの幅は、私達日本人よりも遙かに広いのかも知れない。
一つのイメージに固定されない文化を持っている、と言うコトは日本にとってとても誇れるコトだとも思う。
だからこそ、その文化の幅広さをもっと丁寧に積極的に発信しなくては、今回のような勘違い観光客が益々増えてしまうのではないだろうか?


最近のコンビニ事情

2013-04-12 14:59:25 | ビジネス
比較的地下鉄の駅が近いこともあり、我が家の近所は「コンビニ激戦区」だ。
地元スーパー・ユニー系列の「サークルK・サンクス」やイオン系「ミニストップ」などは、随分前からあり、「ローソン」や「ファミリーマート」なども1店舗くらいはあった。
そんな「コンビニ激戦区」に、やや異変が起きている。

それは「セブンイレブン」の出店攻勢だ。
ここ1,2年の間で、3店舗くらいになっている。
しかも、半径1Km以内という近距離だ。
ここまで増えると「経営的に大丈夫なのかな?」と思ってしまうのだが、今現在は閉店に追い込まれたコンビには無い。
それだけ、需用が多いと言うことなのだろう。

当然、各コンビニはそれぞれの特徴を出そうと、躍起になっている。
ご存じの方も多いと思うが「ミニストップ」は、以前からレジテーブル脇で売られている揚げ物や、ソフトクリームなどに力を入れている。
「サークルK・サンクス」は、スィーツの「シェリエ・ドルチェ」や地域の高校などと共同開発した惣菜パンやお弁当などだろうか。
そしてそれぞれに共通しているのが「PB商品の開発」だろう。

特に熱心なのは「セブンイレブン」という気がしている。
と言うのも「ミニストップ」の場合、「ミニストップ・オリジナル」という商品では無く、イオンのPB商品を扱っている。
他のコンビニも系列スーパーのPB商品が中心で、オリジナルPB商品というのは見かけたことが無いように思う。
それに比べ「セブンイレブン」の場合、お菓子やパンなどの食品だけではなく、日用品やインナー、文房具など商品アイティムの数がとても多い。
現在「イトーヨーカ堂」が名古屋に出店していない為、「セブンイレブン」のPB商品だと、私が勘違いをしているのかも知れないのだが、系列スーパーのPB商品を扱っている他のコンビニと比べても、随分取扱アイティムが多いような気がしている。

そんな「セブンイレブン」の前を通ったら、新しいサービス提供ののぼりを見かけた。
「お弁当の宅配サービス」だ。
サイトを見てみると、管理栄養士さんが監修をした「お総菜セット」というモノもある。
単なるネットスーパーの延長としての「お弁当の宅配サービス」では無い様だ。
そう考えると、「セブンイレブン」は今までのようなコンビニではない、新しいコンビニを目指しているのか?と言う気がしてきた。
管理栄養士さんが監修した「お総菜セット」などのサービスを必要としているのは、糖尿病や高血圧症などの成人病があり、ある程度食事の管理を必要としている人を客層と考えているのだろう。
もちろん、ダイエット+お料理が苦手という女性も客層として考えているとは思うのだが、むしろ成人病などの既往症のある人向けだとしたら、これまでとは違う客層を開拓したいのでは?と、感じている。

「コンビニ=便利さ」と言うだけでは、なかなか難しい時代になってきた。
だからこそ、差別化と独自性を打ち出し・アピールをする必要があるのだろうな~、と「セブンイレブン」の店舗を見て思うのだった。



少しペースダウンをしてみよう

2013-04-11 15:58:22 | ライフスタイル
普段チョット遠くて、買い物に行かないスーパーへ出かけた。
その行きがけに、新しいお店を見つけた。
今時珍しい、帽子専門店。
気にはなったのだが、取りあえず買い物をしてからと思い、買い物帰りに寄ってみることにした。

さほど大きく無いお店には、夏向けの帽子が置かれている。
よく見ると、どの帽子も一点物のようだ。
お店の方にお話を聞くと、どうやらオーナーさんのよう。
以前は、東京でお仕事をされていて百貨店やアパレルメーカーの帽子だけでは無く、舞台用衣装としての帽子も製作されていた、と言うお話だった。

「百貨店やアパレルの仕事をするなら、東京で仕事をされる方が何かと便利なのでは?」と聞くと、意外な言葉が返ってきた。
「帽子製作などの仕事は、今のシーズンのモノを作るのはなく、次の次のシーズンくらいのモノを作らなくてはならず、とにかくスピードが速い。もっと落ち着いて(帽子を)作りたい、と言う気持ちがあって、名古屋の住宅地に引っ越してきた」という。
それだけでは無く、「創造する仕事にスピードを求められることに、違和感のようなものもあった」という。

東京は様々な情報が溢れ、モノの移り変わりも速い。
特にファッションと言う分野は、常に流行を創っていかなくてはならないようなトコロがある。
例えそれが、ワンシーズン限りのモノであっても。
むしろワンシーズンだから、と割り切ってしまう必要がある。
だからと言って、帽子などは大きな流行がある訳では無い。
そう考えると、この帽子屋さんのオーナーの様に「じっくり、腰を据えて・・・」というのは、当然のコトなのかも知れない。

そして「クリエイティブな発想って、情報が溢れる中でいるよりも、様々な自然やモノに触れられる環境にいるコトの方が大切な気がするんです。特に子どもの頃から、そういう経験をするコトが、とても大切なんだな~と、感じるので、お店は週4日。子どものための手芸教室を1日、他は製作日にしているんです。こういうわがままは、東京では難しいと思っています」という、とても興味深いお話まで聞かせてくれた。

確かに、都会と地方とではインターネットの登場により、情報の時間差は無くなりつつある。
しかし、都会が持つ独特の気ぜわしさは、モノごとを創造するのには向かないのかも知れない。
「工業生産的物づくり立国」だった日本の行き詰まり感を打開するのは、もしかしたら「少しペースを落として考える、創造的モノづくり」かも知れない。
そんな気がした、可愛らしい帽子作家兼オーナーさんのお話だった。

日本には日本に合う風力発電を

2013-04-10 19:25:45 | ビジネス
週末の「春の大嵐」で、各地に被害が出た。
その中で気になったのは「風力発電機が壊れた」と言う、ニュースだった。
毎日新聞「風力発電:春の嵐、無残な爪痕 発電機1基壊れる-津」
3月には、京都の風力発電機のプロペラが、落下している。
毎日新聞風力発電所:風車のプロペラ部が落下 けが人なし 京都

京都の風力発電所のプロペラ落下については、老朽化という指摘もある様だが、あの巨大なプロペラが落下というのは、とても怖い。
怖いだけでは無く、複数ある発電機の中で2基は落雷のために稼働しておらず、赤字事業となっていた、と言う事実も明らかになっている。

もしかしたら、この風車型の風力発電というのは、日本の気候風土に合っていないのではないだろうか?
京都の事故も、津で起きた事故も偶然けが人が出なかったから良かったものの、あの巨大なプロペラが頭上に落下などしたらひとたまりも無い。
設置されている場所が良かっただけで、既存の風車型風力発電所の中には居住地域に近い所もあるのでは?
そう考えると、日本の気候風土にあった日本オリジナルの風力発電所をもっと積極的に造るべきではないだろうか?

実際ネットで探してみると、様々なタイプの風力発電システムを開発している企業が、いくつもあることがわかる。
先日新聞のWEBサイトをチェックしていたら、某「羽の無い扇風機」そっくりの風力発電システムを紹介していた。
「羽根も可動部も無い風力発電 Ewicon」

一つのヒット商品がその市場の顔となり、他の商品を見えにくくさせているのが、今の風力発電所のような気がする。
何も風力発電に限ったコトでは無いのだが、この様な状況は「新しい市場を創る」という時には、決してプラスの要因にはならない。
せっかく日本独自で考えている様々な風力発電システムがあるのだから、自分たちの地域にあったシステムを選ぶことが、安全性という点を含めてもプラスだと思う。
そして、小型化した風力発電と太陽光発電を組み合わせ、個人や集合住宅でも使える様になると、日本の電力事情は随分変わるのではないだろうか?

「都会VS田舎」という発想は、時代おくれかもしれない

2013-04-09 08:12:18 | ライフスタイル
しばらく前だったと思うのだが、新聞に「地域別高齢者割合予測」のようなデータが掲載されていた。
内閣府発表「地域別に見た高齢化(注意:pdfファイル)
「少子高齢化社会」となっている日本の未来像として考えると、ある程度予測が付く内容だった。
ただ新聞などで問題にしていたのは、「都市部における高齢化」だった。
地方にいけばいくほど、高齢化社会は当たり前になってきており、これ以上進みようが無いほでは?と思えるほどの状況になりつつある。
だからと言って、都市部での高齢化が進んでいないのか?と言うと、決してそうではないと思う。
そんな人口変化について、毎日新聞に興味深いコラムが掲載されていた。
毎日新聞風知草「都市と田舎は逆転する」東京版朝刊

コラムにある様に、既に高齢化社会となった地域とこれから高齢化社会になる都会とでは、その受け皿となるコミュニティーの充実度や生活基盤に対する安心感の違いはあると思う。
現在、独居老人状態の父には同じような友人がおり、互いに行き来をしている。
ご近所そのものが高齢者世帯が多いので、互いに様子を見守ると言う意識も高い。
都会の生活では、なかなかその様な「ご近所付き合い」ができていないだろうし、何より今現在世帯そのものが若いので、高齢者となった自分の生活を想像すること自体、難しいのではないだろうか?
それが、コラムで指摘している点だと思う。

しかし、それだけで「都市と田舎が逆転する」のだろうか?
例えば、公共交通機関。
田舎に行くと、公共交通機関という生活に欠かせないインフラが壊滅状態になりつつある。
自治体が「コミュニティーバス」などを運営し、何とか生活の足を確保する努力はしているものの、維持する為の費用捻出に苦労をしている、と言うのが実態だろう。
とすれば、やはり公共交通機関がそれなりに充実している、都会の方が生活そのものは安心できるのでは?
何より人口の流動性ということを考えると、この統計がその地域の未来像だとは言えないと思うのだ。

いずれにしても、日本は既に「少子高齢化社会」になっている。
今後よほど出産率が急上昇しない限り、歯止めが掛からないだろう。
日本全体が「高齢者社会になる」と言うことは、想像ができることだ。
「都会VS田舎」という発想では、近い将来の「高齢者日本」対策にはならないと思う。

お知らせ:名古屋で「マーケティング勉強会」を開催します。
     童話を題材にチョット変わったワークショップ形式の勉強会です。
     詳細はこちらご覧下さい。
     ご参加、お待ちしております。

「オプション商法」?

2013-04-07 09:00:00 | ビジネス
最近、NTTから電話が掛かってくることがある。
正しくはNTTから依頼を受けた、通信関連会社。
電話に出ると、一方的に「インターネット光」のサービス説明をされるのだが・・・その内容は、「現在お使いのインターネット光に、新しいサービスご提供のご案内」。
その「新しいサービス」というのが、パソコンやタブレット端末、スマートフォンで月定額でドラマなどが見放題、と言う内容だった。
いわば、「オプションの勧め」だ。

残念ながら、私はパソコンで映画やドラマを見る習慣が無い。
元々「トレンディードラマ」と呼ばれた、番組も興味がなく見たコトが無い。
同世代の女性達がハマッた「韓流ドラマ」も、「何だかな~」という印象しか無かった。
ただ、何故この様な「オプションサービス」を積極的に勧めてくるのか?と考えると、電力会社系の通信会社の利用料の安さに対抗する為なのだろう、と言うことに気がついた。

通信料などは、電力会社系の通信会社との競合状態になっている。
実際、電力会社系のセールスポイントは「NTTより安い」という点だ。
しかも、同じ電力会社系の携帯電話会社とセットにすると、より安く利用できる、と言う価格設定がされている。

それだけでは無く、インターネットが普及し始めた頃のように、「通信費=利用時間×時間あたり利用料金」と言う課金制から、「通信費=使い放題」になってしまった。
利用者が何時・どれだけ利用しても、固定電話からのインターネット利用の通信費は変わらない。
とすれば、「光ファイバー利用」と言う市場を、通信費だけで競い合うには、値下げという方法で顧客を獲得していくしか方法が無い。
それでは収益という点では厳しくなってしまうので、「オプションの勧め」ということになるのだろう。

考えてみれば、この「オプション商法」いろいろなところで見るコトができる。
おなじみなのは、旅行などの「オプショナルツアー」。
基本となる旅行代金そのものは、比較的安価に設定されていて、自由時間も多い。
参加者だけで自由行動ができる場合は、とても使い勝手がよいツアーだと思う。
しかし、自由行動がなかなかできない人にとっては、安価な価格設定に飛びついても、結局オプショナルツアーを組み込むことで、割り高なツアーとなる場合もある。

最近では、チェーン展開をしている「写真館」だろうか。
撮影代そのものは、昔ながらの写真館に比べ安いのだが、貸衣装代が掛かってしまう場合が多い。
確かに事前準備もなく、記念写真が撮れると言うのは魅力だ。
反面、記念写真ということで「着せ替え人形」のように、いろいろ勧められ撮影してしまうと、後でビックリ!するコトとなる。

ビジネスとして問題がある訳では無いし、上手に利用すれば節約もできる。
ただ、「オプションを利用する」と言うメリットが、自分にどれほどあるのか?と言う点を、十分理解する必要がある。
もちろん、説明する側も「便利でお得」という言葉だけで、商品を勧めるのは問題だと思う。

そんなことを書いていたら・・・実家の父から「テレビにインターネットをつなげて・・・今だと無料なんだけど・・・どんなサービス?」と電話があった。
もちろん私の答えは「お父さんが見るテレビ番組が、そのサービスで見られるのか確認した?そもそも、ドラマや映画を見ないお父さんには、必要のないサービスだとおもうから、断った方が良いよ」と返事をした。
NTTさん、高齢者世帯への電話勧誘は説明を十分尽くしても、まだ説明が足りません。
「便利でお得」という説明は止めて欲しい。

お知らせ:名古屋限定ですが「マーケティング勉強会」を開きます。
     Facebookより内容をご確認ください。
     参加、お待ちもうしあげます。

お客様の方を見ていないのかな?マクドナルド

2013-04-06 09:32:52 | マーケティング
月一くらいのペースで、新聞の折り込み広告としてマクドナルドのクーポンが入ってくる。
このクーポンチラシを見ながら、「私には関係無いな~」と思うことが多くなってきた。


普段からマクドナルドに行って食事をする、と言うことはほとんどしない。
そのため、マクドナルドの店頭からメニューが無くなっていたコトを知らなかった。
ガジェット通信マクドナルドの店頭からメニューがなくなった理由 原田社長「お客様の1番のニーズはスピード
このインタビュー記事を読んで、何となく今マクドナルドが低迷している理由が、分かったような気がした。
お客様を見ていないのだ。

売り上げが高いと言うのは、マクドナルドのヘビーユーザーさんたちが、沢山通っているのかも知れない。
そういうお店では、メニューがなくても困るコトは無いだろう。
何故なら、期間限定メニュー以外はお決まりメニューでオーダーするコトが多いだろう、と想像がつくからだ。
その様なお店だからこそ、オーダーから受け取りまでのスピードを気にするのだと思う。

しかし、住宅地にあるマクドナルドなどは、その様なお客さんばかりでは無い。
私の様に時たま行く人もいれば、子どもの誕生日パーティーをきっかけに、行くようになった主婦やお子さんがお客さんなのでは?
利用頻度が低いお客さんの利用頻度を上げることもまた、収益という視点では重要なのではないだろうか?
いくら日本以外のマクドナルドでは、店頭メニューが無いのが当たり前であっても、海外と日本とでは、事情が違う。
「郷に入りては郷に従え」ということばがあるが、まさに日本向けのビジネスを展開しなくては、日本の生活者からは支持され無いはずなのだ。

そして、クーポンチラシを見ながらいつも思うコトは、セットメニューのボリュームだ。
「ハンバーガー+フライドポテトM+ドリンクM」と言うサイズは、相当なボリュームだと思う。
この様なメニューをオーダーしていたら、メタボ一直線。
いくら「健康にも気を遣っています」と言う意味で、単品メニューのカロリー表示をしていても、セットメニューの総摂取カロリーを考えたら、「ハンバーガーは食べたいけど、マクドナルドは極力避けたい・・・」と思う人もいるのでは?
食べ盛りの男子高校生でもこの様なメニューの食事をしていたら、若年期の糖尿病や糖尿病予備軍となってしまうだろう。

結局のところ、売り上げ上位のお店のデータは見ていても、お客様を見てはいないのだ。
新メニューや期間限定の和テイストメニューを登場させても、お客様一人ひとりの姿を見ないことには、今まで以上の厳しい状況が続くように思うのだ。

お知らせ:名古屋限定ですが、マーケティング勉強会を開催します。
     詳しくはFacebookをご覧下さい。