日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

当たり前のコトをキチンとするー明治ミルクチョコレートの広告ー

2015-09-15 16:08:23 | ビジネス

13日、株式会社明治がミルクチョコレートの広告を新聞に出していた。
株式会社明治:ミルチの新聞広告|ミルクチョコレート
この広告のキャッチコピーを見て、「明治のお菓子作りの姿勢」というものを感じた。

「最後のひとカケラまで、ミルクチョコレートであることを誓います」という、キャッチコピーになっている。
ミルクチョコレートなのだから、当たり前!と思われると思う。
この「当たり前、当然」と思われることを、キチンとし続けるということは、案外大変なコトでもある。

実はこの広告の前に、明治は企業広告として「明治のだいじ」という広告を出している。
そこでは、「『チョコレートのおいしさ』を追及するために、厚みを0.1mmまで追求しています」と謳っていた。
1枚のチョコレートの厚みを0.1mmまで追求して、はじめて明治のチョコレートは出来上がっている。
しかも作られるチョコレートすべてが、同じおいしさになるように、追求をしています。ということを謳っていたのだ。

手作りチョコレートではないので、0.1mmの誤差などはなくて当然!かもしれない。
でも、その当たり前のコトをキチンとするコトが、「おいしさを届けるコト」だと、この広告は伝えているのだ。
チョコレートというのは、毎日の食事とは関係のない「お菓子」。
でもほんの少しのチョコレートを口にしたときの、幸福感(正しくは「口福感」だろう)は、食事では得られないモノだ。
むしろ、食事では得られない「豊かさ」とか「嬉しさ」、「幸福感」というものを、お菓子は提供している。
そのようなお菓子だからこそ、キチンとした製品づくりがされなくては、淘汰されてしまう。
1926年に発売してからロングセラー商品としてあり続けるには、その時代に合わせた「味」が必要であり、生活者にはその「味」の変化を感じさせない努力もまた必要だ。

だからこそ「最後のひとカケラまで、最初に感じた幸福感を味わっていただけるよう、努力をしていきたい」という、コトだと思う。
当たり前のコトを、キチンとやり続ける・・・そのための努力をし続ける!という、この広告の宣言は、明治という企業の製品づくりに対する、姿勢を表しているのだと思う。


 


当たり前のコトをキチンとするー明治ミルクチョコレートの広告ー

2015-09-15 16:08:23 | ビジネス

13日、株式会社明治がミルクチョコレートの広告を新聞に出していた。
株式会社明治:ミルチの新聞広告|ミルクチョコレート
この広告のキャッチコピーを見て、「明治のお菓子作りの姿勢」というものを感じた。

「最後のひとカケラまで、ミルクチョコレートであることを誓います」という、キャッチコピーになっている。
ミルクチョコレートなのだから、当たり前!と思われると思う。
この「当たり前、当然」と思われることを、キチンとし続けるということは、案外大変なコトでもある。

実はこの広告の前に、明治は企業広告として「明治のだいじ」という広告を出している。
そこでは、「『チョコレートのおいしさ』を追及するために、厚みを0.1mmまで追求しています」と謳っていた。
1枚のチョコレートの厚みを0.1mmまで追求して、はじめて明治のチョコレートは出来上がっている。
しかも作られるチョコレートすべてが、同じおいしさになるように、追求をしています。ということを謳っていたのだ。

手作りチョコレートではないので、0.1mmの誤差などはなくて当然!かもしれない。
でも、その当たり前のコトをキチンとするコトが、「おいしさを届けるコト」だと、この広告は伝えているのだ。
チョコレートというのは、毎日の食事とは関係のない「お菓子」。
でもほんの少しのチョコレートを口にしたときの、幸福感(正しくは「口福感」だろう)は、食事では得られないモノだ。
むしろ、食事では得られない「豊かさ」とか「嬉しさ」、「幸福感」というものを、お菓子は提供している。
そのようなお菓子だからこそ、キチンとした製品づくりがされなくては、淘汰されてしまう。
1926年に発売してからロングセラー商品としてあり続けるには、その時代に合わせた「味」が必要であり、生活者にはその「味」の変化を感じさせない努力もまた必要だ。

だからこそ「最後のひとカケラまで、最初に感じた幸福感を味わっていただけるよう、努力をしていきたい」という、コトだと思う。
当たり前のコトを、キチンとやり続ける・・・そのための努力をし続ける!という、この広告の宣言は、明治という企業の製品づくりに対する、姿勢を表しているのだと思う。


 


欧州車のエコカー攻勢?どう受けて立つ日本車

2015-09-13 20:51:26 | ビジネス

日産の「やっちゃえNISSAN」のCMで「だれもが気軽に電気自動車を楽しめる時代に」と言っている。
日産:日産ブランドサイト 電気自動車技術

確かに、電気自動車が自動車の主流になれば、CO²の削減などには大きく貢献するコトができるだろう。
ただ、残念ながら普及するためのインフラが整っている、とはいいがたい状況にある。
もう一つの問題は、走行距離だと言われている。
一般的なガソリン車の半分程度の走行距離では、遠出をするには不安だと感じる生活者は多いだろう。

だからこそ、日本ではトヨタの「プリウス」に代表される「ハイブリッド車」が、主流になっているのだと思う。
先日トヨタが発表した次世代のハイブリッド車「新プリウス」などは、40㎞/ℓを目標としている、と報道があった。
その「新型プリウス」に対抗しそうな、HPV車が欧州車から登場するようだ。
朝日新聞:PHV車、欧州勢が攻勢、独VW電気だけで53㎞

これまで欧州車のイメージというのは、これまで培ってきた「ディーゼル車」の技術を高め、「グリーンディーゼル車」という方向に向かっていたような印象がある。
HV車やEV車というのは、どちらかというと日本車のほうが、リードをしていたような印象を持っていた。
あくまでも私個人の印象なので、違っているのかもしれないが、近所にあるヤナセのショールームの前を歩いていても、そのような広告(ポスターなど)は見たことがなかった。

それだけではなく、どうやらトヨタをはじめとする日本のHV車とは、発想が違うようだ。
日本のHV車は、ガソリンで始動してから電気へと動力源が変わっていく仕組みになっている(と、記憶している)のに対して、VW社が発表したPHV車はEV車に近い始動の時から電力を動力源とするという。
その距離が53㎞とすると、ちょっとした遠出でも安心できると思う。
充電切れとなっても、ガソリンで動くという安心感は、大きいのではないだろうか。

これまで、ハイブリッド車を中心としたエコカーは日本の独壇場?という印象があった。
しかしVWがこのようなPHV車を発売すると、世界の自動車の主流はますますハイブリッド車やEV車へと変わっていくだろう。
もちろん、PHV車の市場を広げるには「充電ステーション」という、インフラの充実も必要にはなってくる。
自治体との連携も必要かもしれない。

さて、日本の自動車メーカーはどう迎え撃つだろう。


台風17号災害に思う

2015-09-11 20:24:01 | 徒然

関東から東北にかけて大きな爪痕を残した、台風18号。
前日、上陸した台風18号も静岡県などでは、大洪水を起こしたが、17号はそれ以上の被害をもたらした。
あまりの被害に、愕然とした。

今回の災害を大きくしたのは、長雨に加え、短時間で1ヵ月以上の降水量の雨が降ったというだけではなく、堤防の決壊によるところが大きいように思う。
私と同世代以上の方であれば、「堤防決壊」というと「多摩川の堤防決壊」を思い浮かべられると思う。
まさに、その当時見たニュース映像のような状況が、今回起きたという印象を持っている。
NHKアーカイブス:マイホーム流出 多摩川堤防決壊

決壊をした多摩川では、その後住宅地を川沿いから離し、住宅地の整備をやり直したと記憶している。
そのときの教訓が、他の地域で生かされていなかったのだろうか?

もう一つ感じたコトがある。
それは、今の河川と昔の河川とでは状況が違う、というコトだ。
以前「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」をプロデュースをされた、北川フラムさんのお話しを聞いたことがあるのだが、中越地震が起きた後の大雨で、山古志村などにある一部の川が氾濫し、大きな被害をもたらしたコトがあった。
ただ不思議なコトに、新しい堤防周辺の被害は大きく、昔からの「堤」がある地域は被害が少なかった、という。
昔の人のほうが、自然災害の脅威にさらされていたと思うのだが、もしかしたら、昔の人のほうがその土地にあった治水事業をしていたのかもしれない、という指摘をされていた。

まさに、多摩川の堤防決壊も同じコトが指摘された。
無理な造成をするために造られた堤防・・・そのような、都市計画となってしまっていたのではないだろうか?
1年前の今日、御嶽山の噴火で多くの登山客が亡くなられた。
御嶽山の「嶽」という字は、山の下に地獄の獄という字。
今回大被害を起こした「鬼怒川」も、「鬼が怒る川」。
土地土地の名前というのは、その土地の由来のようなモノを示していると思う。

平成の大合併だけではなく、区画整理などで昔の名前が無くなるコトがあるが、昔の名前にはそんな土地土地の由来があり、そのような由来を考えた都市計画をする必要があるかもしれない。

被災された方々には、お見舞い申し上げます。

追記:「鬼怒川」の由来については、明治以降につけられた名前のようです。
    それ以前は「絹川・衣川」という字が使われていたようですので、決して「鬼が怒る川=氾濫する川」
    という由来ではないようです。
    ウィキペディア:鬼怒川

 


社会の動きを感じ取れない経団連?

2015-09-10 22:09:17 | ビジネス

新聞各社のWEBサイトを見ていたら、びっくりするような記事があった。
朝日新聞:武器輸出「国家戦略として推進すべき」経団連が提言

確かに、安倍政権になってから「武器輸出三原則撤廃」という動きはあった。
2013年7月23日付け
共同通信:安倍政権、武器輸出に新指針検討 禁輸三原則「撤廃
その後も、安倍政権は徐々に武器輸出への道筋のようなコトをしてきたのだが、経済界がある程度ブレーキ役になってくれている、という期待をしていた。
しかし、どうやらそうではなかったようだ。

経団連側としては、「アベノミクス」で潤ったお返しとして、このような提言を出してきたのかもしれない。
しかし、本当に経済人としてこの判断はどうなの?!という気がしている。
というのも経済の安定のためにまず必要なコトは、社会が安定をしているというコトだ。
「社会が安定している」ということを言い換えると、「平和である」というコトになる。
日本が平和であっても、諸外国が戦争や紛争をしていると、それだけで様々なビジネスチャンスは、失われているのだ。
そのような当たり前のコトを知っていながら、なぜ日本の経済人が積極的に戦争とかかわろうとするのだろう?

第二次世界大戦後、一番多く戦争をした国は米国だ。
そして米国の主な輸出産業の一つが、武器輸出である、ということは多くの人が知っているところだ。
確かに、兵器産業が社会にイノベーションを起こす、というコトはある。
今や当たり前になった「インターネット」は、もともと米国に点在する基地の情報を繋げるネットワークとして誕生した。
そのような例は、いくつもある。

もっと身近なところでは、「形状記憶」という素材だろう。
「形状記憶」という特性を持った金属の利用アイディアを、米国だけではなく日本などの同盟国の企業にもアイディアを募集したところ、米国では兵器のスプリングとしてのアイディア、日本ではワコールの「形状記憶ブラ」のアイディアが出た。
しかし、社会的なイノベーションとなったのは、どちらのアイディアだったのだろう。
おそらく「形状記憶ブラ」だったのではないだろうか?
なぜなら、「形状記憶ブラ」から派生し「形状記憶繊維」が誕生し、今では「ノーアイロン・ノープレス」のシャツやズボンが売られ、その恩恵を受けている人が日本だけではなく、世界中にいる。

日本の産業界(=経済界)が果たすべき役割というのは、この「形状記憶ブラ」のような使い方で、社会にイノベーションを起こすコトなのでは?
にも拘わらず、なぜ社会を不幸に陥れる産業を「国家戦略として推進すべし」という提言をするのだろう?
おりしも、世間では「安保法案反対!」の声が高まっている。
今このような社会状況の中で、このようなコトを提言するという、経団連のセンスもわからない。

経団連の歴代会長の中でも、社会に一番影響力があったといわれる故土光敏夫さんが、このような提言を経団連がした、と知ったら何と思われるだろう。
経団連のお偉い方々は、今一度土光さんの名言や生き方を、学んでほしいと思う。
そして、この夏公開された昭和天皇の「玉音放送」に込められた陛下のお言葉を、今一度読み直してほしいと思う。


日本の企業は、社会とどうかかわっているのか?

2015-09-09 15:06:58 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトに、映像サイトがある。
日経新聞の関連雑誌などの担当者が、業界動向などを説明したりしている映像サイトだ。
そのサイトに、「カンヌ・ライオン」が紹介されていた。
「カンヌ・ライオン」といっても、広告に携わっている人以外は、「何?」と思われると思う。
いわば「広告界のカンヌ映画祭」のような位置づけの、広告祭だ。
それこそ、世界各国から選りすぐりの「広告(主にテレビCM)」が、紹介・評価される。

日経新聞:もう一つのカンヌ 広告は社会を良くする道具

ここ数年、「カンヌ・ライオン」では一つの流れのようなモノがある、と言われている。
それは、「社会とのかかわり」をテーマにした広告が、高い評価を受ける、という点だ。
今回トップで紹介されている「Volvo」の広告などは、「Volvoができる、社会を良くするための道具CM」ということだろう。
確かに、自動車メーカーの「Volvo」が、蛍光スプレーを開発する、というのは見当違いのように思える。
その見当違いと思われる商品を何故「Volvo」が開発したのか?ということを、このCMはわかりやすく説明をしている。
もちろん、自動車メーカーとして「事故を起こし難い自動車の開発」などは、していく必要はあると思うが、運転者から見ても認識しやすい蛍光スプレーというのも、ドライバーにとっては安心できる物だと思う。

もう一つ紹介されている「ウィスパー」のCMは、「女性の心理」に焦点を当てたCMだと思う。
「女の子らしく(または「女性らしく」)」という、女性が思い込んでしまっているイメージに対して「もっと自分らしく、女性であることを肯定すること」を訴えているCMだ。

女性であればわかると思うのだが、「ウィスパー」というのは、生理用品の商品名だ。そして、多くの女性にとって生理期間というのは、様々な意味で気分的な落ち込みだけではなく、自分が女性であることに対して、ネガティブな気分になる期間でもある。それが毎月やってくるのだ。女性にとって生理期間というのは、必要以上に自分が女性である、ということを認識させられ、社会的制約を感じる期間なだけで、決して楽しい期間でもなければ、うれしい期間でもない。それは女性の社会進出が強まるにつれ、そのような気持になる女性は、多くなっているのではないだろうか?
だからこそ、「女性であることを、肯定的にとらえませんか?自由に走り、遊んでいたころの女の子であった頃の自分のように。(そのお手伝いを「ウィスパー」はします)」と訴えているCMだ。

一方日本のCMとして紹介される「NTTドコモ」。
確かに、細かな部分にこだわり、面白く作られているCMだと思う。
その面白さの中に、伝えたいコト(「NTTドコモはどこよりも高速通信」というコト)もしっかり盛り込まれている。
CMとしては、面白く伝えたいコトも伝わっているのに、「Volvo」や「ウィスパー」のような、印象に残るものが少ない。
それは「自分のこと」として、考えるようなCMになっていないからだと思う。

そう考えると、日本の企業の多くは「経済活動」には熱心でも、「社会活動」にはあまり興味がないのかな?という気がしてくる。
そのような企業ばかりではないはずなのだが、テレビCMに限って言うなら日本の企業は社会と企業という視点で、生活者に訴えるコトを避けているような気がする。
「企業は社会に害を与えてはならない」といったのは、ドラッカーだった。
今は「企業が社会に貢献できること」をしなくてはならない時代、というコトを「カンヌライオン」は、言っているように思う。


軽減税率の複雑さは、景気浮揚策とマイナンバー推進のため?

2015-09-08 16:13:09 | Weblog

11月になると、個人宛に「マイナンバー通知」が、簡易書留で送られる予定になっている。
その通知を基に、改めて「マイナンバーカード」を、各自治体で発行してもらうようになるはずだ。
しかし、先般発覚した「年金機構の情報流出」などがあり、多くの人は二の足を踏むだろう、と言われている。
当然だろう、年金機構が持っている情報よりもより詳しく個人が特定される情報が、マイナンバー制度なのだから。
そんな心配を察してか?「マイナンバーカード」取得のために、軽減税率との抱き合わせを考えているようだ。

朝日新聞:「カードがなければ減税ないだけ」消費税還付案で麻生氏

今朝FM番組でも、この「軽減税率」の還付方法の複雑さを取り上げていたのだが、「労力と投資に対するメリットが感じられない」という、仕組みということだけは十分理解できる、という結論だった。
そもそも、消費税10%にあげるときに、アルコールを除く食品は8%そのままにしておけば、良いだけのこと。
確かにスーパーなどのレジなどのシステムを一部作り変える、という手間は必要だが、今回の政府案は「いったん10%の消費税をもらいますが、そのあとマイナンバーカードで購入した人を特定し、その人の口座に2%分を還付しますよ」という内容は、複雑で時間と必要以上の労力がかかることがわかる。

この案だと「マイナンバーカード」を持ち歩くだけではなく、お金を支払うときにレジで読み取ってもらう必要がある、ということだ。
そうなると、レジには新しく「マイナンバー読み取り機能」のあるレジが必要になる。
大型スーパーだけではなく、食品小売りをしているお店なら、レジの買い替えが必要になる。
それだけだろうか?

例えば、町中にある清涼飲料水の自販機。
自販機で清涼飲料水を購入しても、マイカードを読み取らせる必要がある、ということになる。
ということは、自販機メーカーも新たに「マイナンバー読み取り機能」を付加した自販機を製造・設置する必要がある。
ちょっと見方を変えると、食品を扱う関連の決済機器は、全国一斉に取り換える必要がある、ということになるのだ。
スーパーでカード決済したりすると、カード会社はどれが食品購入分として、確認をとるのだろう?という疑問もあるが、おそらくそのようなことは考えていないのかもしれない。
そして「業者向けスーパー」などは、事業者相手(=軽減税率対象外)のように思えるかもしれないが、実は家族が多い家庭などは、利用されている方も多い。対象になるのだろうか?

日本全国にどれだけのレジなどの決済機器があるのかわからないが、それだけでも相当額の設備投資が必要だろう。
関連企業にとっては、うれしい悲鳴となるかもしれない。
その意味では「景気浮揚策」とも考えられる。

それだけではなく、うっかり「マイナンバーカード」を忘れると還付されない、ということになる。
うがった見方かもしれないが、国民が「いちいちマイナンバーカードを持参するのなんて、面倒くさい。2%ぐらい還付されなくてもいいや!」という気持ちになることを、目論んでいるのかもしれない。
少なくとも、今回の麻生さんの発言には、そのようなニュアンスがあるようにも感じる。
還付されずに国庫に入れば、赤字財政が少しは潤うかもしれない。

いずれにしても、この方法は「軽減税率」が目的ではなく、奇策的な景気浮揚策とマイナンバー推進を目的とした方法であって、決して国民目線での考え方ではない、ということだろう。

それよりも、簡易書留で送られる予定の「マイナンバー通知」を受け取れない人が、続出しそうな気がするのだが・・・。


今年の夏は、様々な転換期となったかもしれない

2015-09-07 18:41:26 | アラカルト

ここ1,2週間、夏風邪らしき症状のまま過ごしていたのだが、週末ついにダウンしてしまった。
「らしき症状」のまま、無理をしていたのが悪かったようだ。
胃腸の調子も、あまり良い状態とは思えず、どうやら周回遅れの「夏バテ=秋バテ」のような状態が続いている。

秋の気配を感じるようになると、新聞などには「夏の総決算」のような記事が掲載されるようになる。
例えば、夏前に懸念されていた「電力需要」
朝日新聞には、太陽光発電がピーク時の電力を1割ほど担った、という内容の記事が掲載されていた。

朝日新聞:太陽光発電、1割担う 今夏ピーク時の電力供給 原発十数基分

個人だけではなく、企業や自治体が太陽光発電事業に乗り出したこともあり、随分太陽光による発電量が増えているようだ。
これまで「夏場の電力ピーク時」と言われていた時間帯は、太陽光による発電も増える時間帯なので、このような状況になるのはある程度想定できることかもしれない。
ただ、原発十数基分となると、これまで「原発がないと電力不足に陥る」という政府や電力会社の説明は、何だったのか?という、疑問も出てくる。

電力に限って言えば、「福島第一原子力発電所事故」以来、各家電メーカーが「省エネ技術」を高めてきたことも大きな要因だったのではないだろうか?
特に夏場の消費電力の主役となる(?)エアコンなどは、数年前の消費電力とはずいぶん違うようだ。
もちろん、消費電力の少ないLED照明への切り替えなどが、企業、一般家庭で進んだことも大きいだろう。
違う見方をすると「福島第一原子力発電所事故」を切っ掛けに、家電メーカーはこれまで以上に省エネ技術を磨き、新たなビジネスチャンスを作ってきた、ということになるかもしれない。

「電力供給・需要」の見方そのものが、これまでとは変わりつつあり、政府が言ってきた「太陽光発電は、不安定な発電である」というのは、一概にいえないのでは?という、認識ができたという気がする。

もう一つは、「安保法案」に対する、市民の大きな動きだ。
55年前の1960年の「安保闘争」と大きく違うのは、自然発生的に世代を超えて多くの人たちが、声を上げ始めている、という点だろう。
「60年安保」の時のような過激なデモではなく、同じ大学生が中心となっていても随分穏やかな雰囲気のデモという気がする。
逆にその「穏やかさ」が、今まで政治に声を上げることがなかった層までをも巻き込み、大きな動きとなっているような気がしている。
「60年安保」の時にはなかった、SNSなどを使っているという点もあるが、むしろ今の大学生たちの「巻き込み力」は、55年前の大学生よりも強いかもしれない。
「60年安保」のようなやり方が社会を変える、のではなく、むしろ今の大学生たちのほうが社会を変える力となるのでは、と感じている。

2つの事柄は、まったく関係のないことかもしれないが、社会の転換となる切っ掛けを作ったように思う。


財源が決まっていないのに、事業を始めちゃダメでしょう

2015-09-04 22:11:51 | アラカルト

いまだ収まらぬ、2020年東京オリンピック関連騒動。
一応エンブレム問題は、片が付いたようだが、エンブレム問題よりも大きな問題が残っている。
「新国立競技場」の建設だ。

安倍さんの「鶴の一声」で、建築デザインなどが白紙になり、建設費も一応の概算が出たようだがこれからが本番。
様々な問題を抱えながらの、再スタートとなる。
そんな「新国立競技場建設」に関して、びっくりするような記事があった。
中日新聞:新国立、建て替え前提に検討 文科省財源考慮せず

すでに取り壊された国立競技場は、50年以上前に建てられたものなので「耐震面」などで問題があった、ということは想像ができる。
何より、コンクリートの階段などは経年劣化により、随分危ない箇所もあったのではないだろうか?
実際、何度か国立競技場へ行ったことがあるのだが、観客席などの劣化はひどかった。
建築物としての美しさとは別に、実用面という点では改築を含めた検討をする必要があっても当然だっただろう。
ただ問題なのは、記事でも指摘されている通り「財源を考慮せず」に、建て替えを前提に検討していたという点だ。

自己資金と住宅ローンの返済計画を考えずに、戸建て住宅やマンションを購入する人はいないと思う。
「頭金0円プラン」という住宅ローンがないわけではないが、その返済計画を見ると「少しでも自己資金を多く持ったほうが、後々のことを考えると良い」という考えを持つ方のほうが多いのではないだろうか?
今回の文科省の「財源考慮せず」というのは、「頭金0円で、返済計画も考えずに住宅購入をした」ようなモノだと思う。
そのような考えだから、建築費が大幅に膨れ上がっても、関係者の言葉が「他人事」のようになってしまうのだろう。

財源確保もせずに、建築デザインコンペを開き「日本の最新技術を使い、これまでに無いような斬新で革新的なスタジアム」という考えで、今回白紙にされたザハ氏のデザインが選ばれたとしたら、ザハ氏に対しても失礼なコンペだと思う。

このような報道を読むと、「本気でオリンピックを開催したいのか?」という、疑問さえ湧いてくる。
そして、これまで建築費の目安とされてきた金額そのものも、どのように積算されたものなのかも、怪しくなってくる。

「2020年東京オリンピックの迷走」の始まりは、もしかしたらこのようなところからだったのではないだろうか?
「まぁ、その時になれば、何とかなるだろう」という、無謀ともいえそうな楽観的場当たり思考だ。
「何とかなる」という、雰囲気の中で物事を進めようとするなら、誰も責任を取るという意識は持てなくて当然だろう。
現にオリンピック組織委員長をされている、森元総理の数々の発言はそれを裏付けているような気がする。

それにしても、どうして財源を確保しないまま、事業を始めちゃったのかな?


今年の「月見バーガー」は、マックの復活の切っ掛けとなるか?

2015-09-03 23:06:54 | Weblog

Yahooのバナー広告にマックの「月見バーガー」の広告が、表示されるようになってきた。
毎年恒例の広告なので、この広告が表示されると「秋だな~」と、感じられる方も多いのではないだろうか。

マクドナルド:月見バーガー/北海道チーズ月見バーガー

ご存じの方も多いと思うのだが、ここ2,3年のマックは業績不振に陥っている。
しかも、打つ手打つ手が、裏目に出ている感がある状態だ。
そのような状況の中で、日本?独特の定番メニュー「月見バーガー」の季節になった。
広告をご覧になられた方は、気づかれたと思うのだが今年の「月見バーガー」は、例年とは少し違う。
「北海道産チーズ使用」を、アピールしているのだ。

これまでの「チーズ月見バーガー」で、使われていたチーズの産地がどこであったのかは、知らない。
そもそも、マックが素材産地をPRするような広告は、これまでにはなかったような気がする。
マックとは対極にある?モスバーガーは、これまでも「産地や生産者」の姿を全面に出すことで、商品の安心や安全ということを、生活者に訴求してきた。
今回のマックの「チーズ月見バーガー」は、モスバーガーほどではないにしても「産地をいう」ことで、商品の安心や安全、といったことを生活者に伝えようとしているようだ。

振り返ってみれば、マックの売上は数年前から徐々に落ち始めていたが、加速させたのは昨年に起きた「中国加工の鶏肉事件」だった。
その後次々に発覚する、素材やキッチンでのトラブルなどが、これまで落ち込み始めていた売上の減少に、拍車をかけたような状態だった。
売上回復のための様々なキャンペーン商品も、ことごとく生活者からソッポを向かれた感があった。
というのも、キャンペーン商品そのものが、日本の生活者を考えた商品ではないような気がしたからだ。
たとえば、「ハワイアンキャンペーン」の時の「ハワイアンパンケーキ」などは、すでにブームが去った後という気がしたし、朝メニューとして登場した「チキベジ」は広告写真そのものが、美味しそうには見えなかった(あくまでも、個人的感想だが)。(これも、個人的な見方だが)なんだか、野菜の入った安い練り物のようだった。

そのような状況の中で、マックのシーズンキャンペーン商品の中でも、人気が高いと言われている「月見バーガー」のシーズンになった。うろ覚えで申し訳ないのだが、この「月見バーガー」は米国本社から指示を受けてのキャンペーン商品ではなかったような気がする。
だからこそ、日本の生活者が気にしている「生産地」を全面に出すことで、業績回復の切っ掛けを作ろうとしているのでは?という、気がしたのだ。

元々人気の高かった「月見バーガー」だが、日本マクドナルド社にとって今回のキャンペーンは、吉と出るだろうか?