■防衛フォーラム
今回は航空自衛隊関連の話題です。
航空自衛隊F-15戦闘機JSI近代化改修についてボーイング社との間で新たな契約が結ばれました、これは1億2900万ドルを投じて改修されたF-15JSI戦闘機の運用支援を2030年まで継続するというFMS有償軍事供与に関する契約となります。航空自衛隊では老朽化するF-15J戦闘機の一部を大幅に能力向上させる計画を推進中です。
F-15JSIはジャパンスーパーインスペクター計画といい、その主眼は射程1000㎞という新型精密誘導ミサイルAGM-158-JASSMの運用能力を付与させることにあります。原型機の初飛行から60年以上を経ているF-15戦闘機はステルス性能こそ有していませんが、莫大な搭載能力を有する為、航空打撃力の主柱を担う事が期待されています。
F-15J戦闘機は三菱重工においてライセンス生産された航空機ですが、今回の延命と能力向上改修は当初、三菱重工とボーイング社の試案を比較検討したうえで三菱重工案よりも安価な費用を提示したボーイング社が選定され、その後の見積もり失敗により三菱重工案よりも大幅な費用超過となったという、難しい実情がありました。
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航空自衛隊は次期練習機としてT-6テキサンⅡ練習機を選定しました。決定によれば機体製造はライセンス生産は行われずアメリカのテキストロン社が製造を担当し、総合商社兼松が地上シミュレータ装置とあわせて自衛隊への納入を行います。この選定の最終選考にはスバルとピタラスの共同による国内生産型がありましたが、選ばれていない。
スバルとピタラスの共同による国内生産型練習機は、ピタラス社がPC-7-Mk10を提示し日本仕様としてライセンス生産する方針が示されていましたが、今回のT-6テキサンⅡ練習機を選定したことで、T-3練習機とT-7練習機というかたちで連綿と継続された日本での初等練習機製造は終了、その製造能力もなくなることとなるでしょう。
次期練習機選定ではのほかに第百商事提案がトルコのHURKUSを提案していましたが評価の結果は性能不十分が確認、さらに新東亜交易が提案したものは地上シミュレータのみというもので必須項目未達成となり、両社とも第一次選考において選外となっています。今後の課題はT-6練習機の高出力を初等練習機として最適化する事でしょう。
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航空自衛隊は次期練習機としてT-6テキサンⅡ練習機を選定した点について、意外に思われたのはT-6テキサンⅡが現行のT-7練習機よりも遥かに高出力の練習機であり、初めて操縦を経験する初等練習機として、この高出力は妥当なのかということです。実際現行のT-7練習機は420馬力であるのに対しT-6は1250馬力と三倍近いものという。
T-6練習機の高出力は、一部の国では高等練習機として採用されている水準であり、この機体を練習機として採用されているアメリカはT-53A練習機という軽飛行機を初等練習機に乗るための練習機と位置付けています。また、高出力の初等練習機操縦の難しさは隣国韓国が開発したKT-1練習機による航空機事故などがある。
T-6練習機、なお今回はピタラス社のライセンス生産提案が敗れたかたちですが、このT-6はもともとピタラス社が開発したPC-9高等練習機をアメリカのテキストロンアヴィエーションがライセンス生産したという経緯があります。ただ、高出力ですが、エンジンリミッターの搭載などがオプションとして可能であるとされています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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今回は航空自衛隊関連の話題です。
航空自衛隊F-15戦闘機JSI近代化改修についてボーイング社との間で新たな契約が結ばれました、これは1億2900万ドルを投じて改修されたF-15JSI戦闘機の運用支援を2030年まで継続するというFMS有償軍事供与に関する契約となります。航空自衛隊では老朽化するF-15J戦闘機の一部を大幅に能力向上させる計画を推進中です。
F-15JSIはジャパンスーパーインスペクター計画といい、その主眼は射程1000㎞という新型精密誘導ミサイルAGM-158-JASSMの運用能力を付与させることにあります。原型機の初飛行から60年以上を経ているF-15戦闘機はステルス性能こそ有していませんが、莫大な搭載能力を有する為、航空打撃力の主柱を担う事が期待されています。
F-15J戦闘機は三菱重工においてライセンス生産された航空機ですが、今回の延命と能力向上改修は当初、三菱重工とボーイング社の試案を比較検討したうえで三菱重工案よりも安価な費用を提示したボーイング社が選定され、その後の見積もり失敗により三菱重工案よりも大幅な費用超過となったという、難しい実情がありました。
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航空自衛隊は次期練習機としてT-6テキサンⅡ練習機を選定しました。決定によれば機体製造はライセンス生産は行われずアメリカのテキストロン社が製造を担当し、総合商社兼松が地上シミュレータ装置とあわせて自衛隊への納入を行います。この選定の最終選考にはスバルとピタラスの共同による国内生産型がありましたが、選ばれていない。
スバルとピタラスの共同による国内生産型練習機は、ピタラス社がPC-7-Mk10を提示し日本仕様としてライセンス生産する方針が示されていましたが、今回のT-6テキサンⅡ練習機を選定したことで、T-3練習機とT-7練習機というかたちで連綿と継続された日本での初等練習機製造は終了、その製造能力もなくなることとなるでしょう。
次期練習機選定ではのほかに第百商事提案がトルコのHURKUSを提案していましたが評価の結果は性能不十分が確認、さらに新東亜交易が提案したものは地上シミュレータのみというもので必須項目未達成となり、両社とも第一次選考において選外となっています。今後の課題はT-6練習機の高出力を初等練習機として最適化する事でしょう。
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航空自衛隊は次期練習機としてT-6テキサンⅡ練習機を選定した点について、意外に思われたのはT-6テキサンⅡが現行のT-7練習機よりも遥かに高出力の練習機であり、初めて操縦を経験する初等練習機として、この高出力は妥当なのかということです。実際現行のT-7練習機は420馬力であるのに対しT-6は1250馬力と三倍近いものという。
T-6練習機の高出力は、一部の国では高等練習機として採用されている水準であり、この機体を練習機として採用されているアメリカはT-53A練習機という軽飛行機を初等練習機に乗るための練習機と位置付けています。また、高出力の初等練習機操縦の難しさは隣国韓国が開発したKT-1練習機による航空機事故などがある。
T-6練習機、なお今回はピタラス社のライセンス生産提案が敗れたかたちですが、このT-6はもともとピタラス社が開発したPC-9高等練習機をアメリカのテキストロンアヴィエーションがライセンス生産したという経緯があります。ただ、高出力ですが、エンジンリミッターの搭載などがオプションとして可能であるとされています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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