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ウクライナ情勢-F-16戦闘機1機喪失,戦闘による喪失ではなく操縦士の過失によるものでもない

2024-09-03 07:00:42 | 先端軍事テクノロジー
■防衛情報-ウクライナ戦争
 イギリス国防省ウクライナ戦況報告やISWアメリカ戦争研究所ではまだ確たる原因の分析には至っていないようですが。

 ウクライナ空軍の配備されたF-16戦闘機が1機、任務中に喪失しました。これは8月30日付NHK報道などで報じられたもので、NHKはウォールストリートジャーナルを引用、F-16喪失は8月26日に発生し、ロシア軍ミサイル攻撃への迎撃任務に当っていたF-16戦闘機が基地のと交信が途絶え、墜落、この際に操縦士が戦死したとされています。

 F-16戦闘機は8月6日にウクライナへ到着したもので、ウクライナのゼレンスキー大統領はF-16戦闘機について、ロシア軍からの攻撃に対して前線がこうちゃくしている中、その打開の為に決め手となる装備であるとして各国へ供与を要請していました。F-16はウクライナ軍に配備されるMiG-29戦闘機と同世代の戦闘機ですが全く異なる概念の航空機です。

 墜落の際に操縦していたのはCNNによれば、タッグネームムーンフィッシュことオレクシーメス氏、F-16戦闘機は操縦システムがフライバイワイヤ方式であるとともに、戦闘システム等を操縦中に操作する事で様々な任務に対応出来ますが、言い換えれば戦闘機操縦経験が在っても機種転換に時間を要し、戦死したメス氏は貴重なF-16操縦要員でした。■

 ウクライナのゼレンスキー大統領は8月30日、ウクライナ空軍のミコラオレシチュク司令官を解任したと発表しました。この解任はF-16戦闘機喪失を原因としているかについては言及しませんでしたが、ゼレンスキー大統領は空軍を司令部レベルで強化する必要があると発言、後任にアナトリークリボノジュコ中将が司令官代行に任命されたとのこと。

 ゼレンスキー大統領の方針と共に、ウクライナのウメロウ国防大臣の発言をCNNが報じていて、今回のF-16戦闘機喪失は、ロシア空軍により撃墜されたものではないとしました。そして技術的な問題により撃墜されたものでもないといい、ウクライナ国防省は今回のF-16戦闘機墜落について調査委員会を組織し原因究明にあたっているとしています。

 ウメロウ国防大臣の発言は戦闘による喪失でも無く操縦の過失でもないといいますと、他に関係する可能性は限られてくるのですが、重要なのはウクライナ空軍の装備体系や運用思想はソ連時代の運用の延長上にあり、ここからNATO方式の空軍へ変革することは、それは装備から戦術までの根本の転換を意味する為、容易ではない、ということでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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