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ウクライナ情勢-ウフレダール撤退決定と無人機年産400万機体制,黒海航行中穀物輸送船ミサイル攻撃

2024-10-08 07:00:23 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 撤退は残念ですが機械化装備をかいているロシアはこれに乗じる事が出来ず見方によっては攻撃衝力をとっくの昔に使い果たしているのではないかと。

 ウクライナ軍最高司令部はウフレダールからの撤退を決定しました、これはISWアメリカ戦争研究所10月2日付ウクライナ戦況報告に示されていたもので、10月2日にホルティア戦区司令部広報官が発表したもの。戦闘の焦点の一つであり、この背景にはロシア軍圧力により人的損耗及び装備の損失を重ねているという厳しい状況があるとのこと

 ウフレダールからの撤退はロシア軍に東部戦線での複数の要塞化された都市部へ前進する可能性を許す事となります。ただ、ロシア軍には装備の制約により大きく前進する能力は無く、ウフレダール北西地域においてパヴリフカ方面へ向かう高速道路上を若干前進したのみ、ウクライナ軍による遅滞行動が有る程度効果を残した構図といえるでしょう。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 自衛隊の無人機は数百単位で揃える事が仰々しく言われているのですが桁は幾つも違うのが実情でそれこそ無人機一億機”一億火の玉”を目指さねば勝てない。

 ウクライナとロシアの無人機生産状況について。ISWアメリカ戦争研究所の10月2日ウクライナ戦況報告によればロシアのプーチン大統領は2023年にロシアは来年には無人機を十倍の生産に拡大し年産140万機の量産体制をこうちくするとしました。これに対してウクライナ企業は年産400万機体制を目指しており、膨大な無人機が消費されている。

 ウクライナは2024年に既に無人機を150万機製造している、この数字は1日にウクライナのゼレンスキー大統領が述べた数字であり、いまのところ年産は200万機が量産されている事となります。そしてこの数字はロシアの無人機製造能力が目標達成の場合でも、ウクライナの無人機製造能力を明らかに下回っている、という事が重要なのかもしれません。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 昔はバックファイアからのミサイル攻撃というのは恐怖の代名詞のように言われていたものなのですが実際はこんな感じ。

 黒海を航行中の穀物輸送船アヤ号がロシア軍爆撃機の攻撃を受けた、イギリス国防省の10月3日付ウクライナ戦況報告によれば、9月11日、商船へのミサイル攻撃事案が発生していたとのこと。攻撃したのはTu-22M3バックファイア爆撃機でKh-22/AS-4キッチン対艦ミサイルが使用されたもよう、ただ、幸い弾頭が不発であったとのことでした。

 アヤ号は穀物26000tを積載しており、弾頭が不発でなければ致命的損害を受けていた可能性が高いものです。イギリス国防省はバックファイアの行動について、商船攻撃は意図したものではなく哨戒任務中に稚拙な目標選定を行い、劣化したミサイルの照準装置が目標ではない商船を標的として突入したが、老朽化した弾頭が不発であった、と分析している。

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