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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】24式装輪装甲戦闘車と24式機動120mm迫撃砲,共通戦術装輪車歩兵戦闘車型等の正式名称が公表

2024-09-02 07:00:46 | 先端軍事テクノロジー
■来年度予算概算要求
 最新装甲車両の開発が進められている概況は予算や幾つかの専門誌により紹介されていましたが、このほど最新型の装甲車について正式名称が公表されました。

 24式装輪装甲戦闘車、24式機動120mm迫撃砲、防衛装備庁が開発を進めていました共通戦術装輪車の歩兵戦闘車型と自走迫撃砲型は正式名称が24式装輪装甲戦闘車と24式機動120mm迫撃砲であることが防衛予算来年度概算要求において発表されました。これらの装備は96式装輪装甲車や120mmRT重迫撃砲の後継として即応機動連隊等に配備されます。

 来年度予算では24式装輪装甲戦闘車18両が218億円、24式機動120mm迫撃砲8両が83億円、そして現在開発中の共通戦術装輪車偵察戦闘型が6両90億円で調達され、またこれらの原型車両となった16式機動戦闘車も15両が156億円で調達されます。一方、パトリアAMV装甲車のライセンス生産も継続され、28両が225億円で調達が要求された。

 24式機動120mm迫撃砲は自動装填装置を搭載した自動迫撃砲を採用したもようです。これは公表された24式機動120mm迫撃砲の写真に搭載されていた迫撃砲がスイスのRUAG社が2015年に開発したコブラ自動迫撃砲システムと共通点が多い為で、砲口に砲弾を装填するまでの動作を機械式で行うと共に、標定と照準も機械式で自動化されているものです。

 コブラ自動迫撃砲システムはスイス連邦軍も今年正式に調達を開始しています。もっとも、防衛省が公表した写真は小さく、コブラ自動迫撃砲システムをそのまま採用しているのか、類似の装備品を独自開発したのかは不明ですが、開発関連予算ではこれに相当するものはありません。同様の装備にパトリアNEMO自動迫撃砲がありますが、採用されていない。

 共通戦術装輪車偵察戦闘型は87式偵察警戒車の後継となるものです。24式装輪装甲戦闘車と共通点が多い装備ですが、後部人員輸送区画に伸縮式センサーマストを装備し、レーダーアンテナを搭載するなど、いままでの87式偵察警戒車よりも高度な監視能力を有していますが、剥き出しのセンサーは前衛を突破する威力偵察は重視していないのでしょうか。

 24式装輪装甲戦闘車と24式機動120mm迫撃砲に共通戦術装輪車偵察戦闘型、さてさて今回遂に制式化されまして量産車両が生産開始となります。早ければ再来年にも富士学校記念行事にも参加する事でしょう。ただ、一昔の89式装甲戦闘車や96式装輪装甲車の調達費用を比べると、高くなったなあという印象と、まだまだ数は足りないなあという実感です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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