とても悲しい、ショックなことがあった。
もう10年以上も 一緒にお寺で
御詠歌を習っている方が 癌でお亡くなりになった。
71歳という まだまだこれから楽しいことが
いっぱいある早すぎる年齢。
お住まいもすぐ近所なので いつも声をかけあい、
親しくさせていただいていた。
コロナ感染防止のため、お通夜もお葬式も 家族のみとされ、
ご自宅から葬儀場へ 車で出ていかれるのに合わせて
御詠歌の仲間みんなで 「無常御和讃」を
お唱えさせていただくことになった。
この曲は お葬式などでお見送りするときの唄で、
切なく美しいメロディーと 悲しすぎる歌詞だ。
人の この世の 儚さは
冥路(よみじ)に急ぐ露の身の
しばし仮寝の旅枕 あわれ常なき世なりけり
昨日の人は 今日はなく
会えば別るる 世のならい
夜半(よわ)のあらしに 散る花の
もろきは 人の命なり
葬儀に参列できない ご近所の方々が
お見送りに たくさん来られていた。
お唱えをさせていただきながら あまりの悲しさに
涙が溢れ、止まらなかった。
折しも 桜満開の日、はらはらと散っていく花びらが
優しかったYさんのようで。
ひとりきりで 黄泉の国に旅立たれたYさんが
急いでいる様に 見えた。
悲しさのなかで 「無常」ということを深く考えた。
日本人が 昔から ずっと思ってきた「無常」。
ずっと変わらず 平和で穏やかで仲良くできると思っているけど
この世は 常ならず、ましてや人の命は必ず終わりがくる。
すべての出会いに 必ず別れがある。
桜の季節がくるたびに
きっとまた この御詠歌を思い出すことと思う。
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