事例紹介コラムです。
J2山形ですが、Jリーグ唯一の公益法人で運営してこられましたが、ついに株式会社化に踏み切るようです。公益法人は基本的に収益を上げにくい体質なので、J1に昇格され今までよくやってこられたなぁと思っていました。他のJクラブと同様に運営会社を持つ事は自然の流れなのでしょう。運営会社設立に際して、出資会社を公募されました。以下、抜粋して紹介。
※写真は、モンテディオ山形集客戦略会議の模様
J2山形は理事会を開き、トップチームを運営する新しい株式会社を設立する方針を決定。協会と共同で出資する企業・団体を公募。公募後、審査した上で6月中旬をめどに企業・団体を一つに絞る。応募資格については「スポーツマネジメントに精通し、私たち協会と一緒に企画立案、実施してくれる企業・団体が望ましい。早ければ来季から新体制でリーグ戦に挑みたい」と理事長のコメント。
'98年に設立した21世紀協会(J2山形運営法人)は、これまで県内企業を中心に資金を手広く集め、チーム運営をしてきたが、財政規模の拡大に限界があり、運営手法の見直しを求める声が以前から上がっていたとか。協会自体は株主として経営に関与しつつ、ユースなど下部組織の運営を目的に存続する予定。
【運営形態の改善企画提案と実施に係るパートナー募集について(抜粋)】
創設15周年を迎えた今日、「モンテディオ山形」の今後の活動舞台(立ち位置)をJ1リーグへの再昇格及び定着と定め、これを可能とする運営の実現を目指す時期を迎えている。活動の幅をより広げる一方、各分野からの支援を幅広く結集した財政基盤の確立等を実現する新たな運営形態を構築し、「スポーツの振興を通じた地域の活性化等」を中長期的に実現していくこととした。
具体的には、「社団法人山形県スポーツ振興21世紀協会『法人運営検討委員会』報告書」の内容を基軸にした取組を推進するため、この度、運営形態の改善企画の提案とその実施に係るパートナー(共同事業者)を公募し、採択されたパートナーと連携してこの展開を推進。
I. 当面する諸課題と対応
①運営組織の法人格について
公益社団法人による運営が(Jクラブ)唯一となった背景には、資金確保等設立時の諸事情があり、広く県民や県内企業からの支援を結集し、事業展開ができるメリットの一方で、十分な資金の確保で社団法人としての事業制約等のデメリットを抱えていた。こうした結果、(他の要因も含めて)赤字決算を余儀なくされ、単年度赤字を生じ、累積欠損額を抱えた時期もあった。(平成25年1月31日現在は、いずれも解消)
このため、これまでと同様に県民等の力を結集して、「モンテデイオ山形」を「山形県の宝」として維持発展させていくことを基本に、事業展開や資金調達等の面でより自由度が高められる新しい運営組織を取り入れることによりその拡充を図り、J1リーグに定着できる財政基盤の構築が必要。
②事業展開等の拡大について
趣旨に賛同し、不断の努力とし取り組める国内の事業体を企画立案段階から実施段階に至るまでのパートナーとして広く求める事が必要。
II. 企画提案の前提
① 「モンテディオ山形」の活動舞台について
山形を活動拠点に県民主役の展開を図り、継続的にJ1リーグに定着できる運営形態及び財政基盤等諸環境を整えること。
② 企画の骨子について
現在の事業(サッカーアカデミー育成活動、女子駅伝事業、地域活動支援事業)は、拡充して継続し、新たな組織との役割分担及び相互の連携等について明らかにする。ホームスタジアム等を活用し、現在の事業以外の新たな企画により収益を確保。県民視点で事業計画を立案し、広く県外資本にも目を向け、幅広い資金導入を図る。その他の事業拡充等により財政基盤を確保。
III. パートナーの参加資格について(主なもの)
①「21世紀協会」の主体性(山形県民の力を結集し県民が主体となる運営が主眼)を確保できる経営体制を構築し、その中で事業パートナーとして役割を担えること。
②安定した財務基盤を有すること。(自己資本10億円以上)
③スポーツ振興関連事業に係る事業企画、経営管理の実績を有すること。
④国(文部科学省)、日本スポーツ振興センター等中央における支援組織とのネットワークを有すること。
⑤スポーツチームを有し、その管理運営実績があること。
⑥経営企画業務、経営管理業務等に対し、パートナーとして継続的に取り組む体制を確保できること。
IV. 実施作業の進め方について
採択決定後は、関係者で組織された「(仮称)新経営体推進委員会」を立ち上げ、企画提案書に基づいた具体的な展開を図り、「21世紀協会」理事会、総会、更には、公開の場を設けて、その進捗状況等を情報開示。
V. 手続き等について
①応募の参加表明の受理: 5月24日(金)まで
②パートナーの決定及び公表: 6月13日(木)
「J1に昇格」ではなく、「J1に定着」のために、運営会社の設立という形ですが、経営構造を根本的にやりかえるという事ですね。'06年に海保氏を招聘したように、今回もJリーグ等から経験者を招聘されるのかもしれません。生え抜き役員だけの運営ではなく、外部経験者を入れるというのはベストな形だったと思います。ひょっとしたら、昔から携わっている生え抜き役員にこれを機に引いていただくのかもしれませんね。
クラブの発展のために、経営構造を作り変えた例は、JFL時代からの生え抜き役員が全員辞職し、地元財界人が就いて体質改善したというJ2栃木がありますね。当ブログでは以前から「栃木型」として紹介していますが、今回の山形さんの事例も「山形型」になるかもしれません。J1定着に向けて頑張って欲しいと思います。ちなみに山形県は人口116万人(岡山県:193万人)、山形市は25.5万人(岡山市:71.3万人)。
J2山形公式HP該当ページ:http://www.montedio.or.jp/info/clubinfo/20130514-01.html
クラブ公式HPに「モンテディオ山形集客戦略会議」一般参加者募集の記事がありました。山形県内におけるモンテディオ山形を応援しようという機運を高めるべく実施している「モンテディオ山形応援会議」で、今シーズンはより具体的な集客策を考えるために、形式をかえて「モンテディオ山形集客戦略会議」として開催されるそうです。これは内部組織として実行する場合と、後援会等外部団体がクラブと距離を置いて、諮問組織的に実行する場合での、前者のパターンでJ2札幌の「クラブ力向上委員会」と同じ形ですね。
J2山形公式HP該当ページ:http://www.montedio.or.jp/info/clubinfo/20130524-02.html
J2山形関連⑰:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110825
〃 ⑯:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110604
〃 ⑮:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101130
〃 ⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101024
〃 ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101023
〃 ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101014
〃 ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101004
〃 ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100604
〃 ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100114
〃 ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090215
〃 ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081214
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081127
〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20071112
〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070510
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060227
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060126
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060120