事例紹介コラムです。
先日の日経新聞の「フットボールの熱源」に「日本一のエコスタジアム」というタイトルの記事を観ました。日本一のスタジアムではなく、エコスタジアム。当ブログとしては、後者の方が好みですね。スタジアムのゴミ分別運動は今や当たり前の光景となっている中、甲府さんは長くこの環境活動を実施されています。分別の更に先を行く「ゴミの出ないスタジアム」というのは、簡単には真似ができない活動です。確か10年前の2002年といえば、経営危機で存続が決まった初年度で、繰越損益がピークの頃です。経営数値ばかり追いがちな時期に、こういう取り組みを始めたというのは素晴らしい価値観だと思います。以下、抜粋して紹介。
J1甲府はNPO法人「スペースふう」の強力のもと、リユース食器を導入し、「ゴミの出ないスタジアム」を目指し、その「エコスタジアム・プロジェクト」が10年目を迎えたとか。
ホームスタジアムの売店はできる限りリユースの食器を使用。購入客は飲食代金にデポジット代(100円)を上乗せして支払い、食器を返却すると100円が返金される仕組み。カップだけでなく、皿、丼等も洗って繰り返し使用できる食器に替えた事でゴミが減ったそうです。
ゴミをゼロにするためにはリユース食器の品揃えを増やす必要があるという事で、焼きそば等を入れるリユース・パックの開発を検討中。紙コップや皿の購入代金よりリユース食器のレンタル代がかさむために、クラブは「エコスポンサー」から協賛金を集めて、出店者に回してコストダウンを図っているとか。
4/13の柏戦では2,836個のリユース食器を使用。使い捨て容器の使用時と比べて、CO2排出量を218kg削減した計算で、杉の木15.6本分の年間吸収量に相当され、こうしたデータは毎試合、電光掲示板で発表。
こうした取り組みは売る方も買う方もデポジット代のやり取り等で手間がかかるが、甲府フロントのコメントでは、アウェーサポーターにも支持され、甲府に来たらこれが当たり前と認知されているそうです。甲府サポも環境問題に敏感になっており、中銀スタジアムは「日本一のエコスタジアム」の地位が確立され、10年の積み重ねがスタジアムとクラブの価値を高めていると締めくくっています。
公式HPを観ると、「エコスタジアム プロジェクトPRブース」があり、紙パック工作と的あてゲーム、子どもたちに身近なもので作るおもちゃの楽しさ体験、自分で作ったおもちゃで遊べる体験、ソーラーカー試乗体験等が実施されています。
スタジアムには「エコステーション」があり、それ自体はどこのスタジアムでも普通に観る光景ですが、こちらはちょっと違います。ゴミの分別案内のほかに、リユース食器の回収・デポジット金の返金、リユース食器の貸出しが行われており、他チームサポも「甲府名物」としてエコ運動に協力されているとか。
違う分野の組織の話なので関係ないかもしれませんが、「うちが(こういう部門で)№1」という自賛シーンを観た事があります。評価というのはあくまで第三者がするもので自分で口にするものではなく、自分でそのレベルで満足するというところは、それほど伸びしろはない組織だと思っています。成長し続ける組織は、褒めてもらっても「うちはまだまだなので、口に出さないで」という態度だと思うし、そういう立派な経営者をいくらか見てきました。
戻ってこの記事を読むと、誰が観ても「日本一」のエコスタジアムだと思えました。たぶん、甲府さんは多分余りご自分では「うちが一番」と口にされていないでしょう。甲府といえば「とりもつ煮」。中銀スタジアムでも、フードエリアではキチンと「ご当地グルメののれん街」として、とりもつ煮やとりもつカレーなどがあるそうです。リユース食器で美味しいご当地スタグルを食べてみたいですね。
NPO法人 すぺーすふう公式HP:http://www.spacefuu.net/
〃 エコスタジアムページ:http://www.spacefuu.net/sponsor.html
J1甲府関連⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120406
〃 ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120713
〃 ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120422
〃 ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090129
〃 ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090126
〃 ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090125
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070630
〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070328
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〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20061122
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060830
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