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Jリーグの話題73

2014-12-11 00:03:23 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 大宮さんがついにJ2に降格してしまいました。当ブログ的には馴染みがある方のクラブではなかったですが、思い出すと、某黄色いチームが2度目の降格をした年(2009年)に残留争いをしていた相手が大宮さんで、秋に対戦して負けた記憶があります。その頃から「残留力」を言われていたように思います。
 大宮さんはリーグ戦10試合未勝利だった大熊監督を8月末に解任。内部昇格した渋谷監督のもと守備を立て直すと、14位まで浮上して、今季も残留争いでの強さを見せるかと思われたが、その後は5試合白星なし(4敗1分け)で失速。最終節でC大阪に完勝するも降格が決定。J1昇格以来続いたJ1浦和との「さいたまダービー」も、来シーズンから11年ぶりに消滅。これで大阪、静岡など人気ダービーが見られなくなりました。
 今回もマスコミの論調を集めてみました。まずは「勝利で終えた最終戦…J2降格が決定。勝ち点1の重みの現実」というタイトルの、ソーシアルサッカーマガジン「CHANT」の記事。
   
 昨年J1大宮はフロントと現場に大改革を実行したが、この思い切った決断が、結果的にマイナスに作用。シーズン序盤まで指揮を執った大熊監督のチームでは戦術というものがみられないサッカーが継続。8試合連続勝利なしなどリーグの中盤ですでに降格圏に位置。監督交代の空気が一度は起こったが、いったん社長が否定。しかし、結果的には、監督交代で新しいチーム体制による降格圏脱出を模索。
 選手の質としては決して降格が妥当というようなチームではなく、監督交代後、今シーズン初の連勝を記録し、その後に3連勝を記録。一次期降格圏を脱して14位まで上昇したが、その後に失速。
 J1大宮J1昇格した2004年からの10シーズンの中で、たくさんの降格争いを経験。最終順位を一桁順位で終えた経験はゼロ。最終戦を前に、1つ上の順位に位置していた清水とは勝ち点がすでに3点離れていた。清水の敗戦という条件で勝って初めて、清水と同じ土俵に立つことができるというほどのギリギリの状況。その中で最終戦で、すでにJ2降格確定のC大阪と対戦して勝利したが、清水が引き分けで大宮のJ2降格が決定。
 今シーズンの勝ち点は35。毎年残留ラインは35前後と言われているラインだが、今年も35前後で残留と降格の明暗を分けたとか。残留力が毎年話題となっていた大宮アルディージャだったが、残留力という経験がありながらも、降格が決定。
CHANT該当記事:http://chantsoccer.com/posts/564

 また、WEBスポルティバで「なぜ今年の大宮は「残留力」を発揮できなかったのか?」というタイトルで、今シーズンのチームの状況を分析しています。以下、抜粋して紹介。

 シーズン途中の様々なテコ入れも、結局は奏功せず。それだけ、開幕9試合で勝ち点7しか残せなかった序盤の傷が大き過ぎたという事。昨シーズンまでの中心選手(ノヴァコヴィッチ、青木、下平)を一度に失った事も大きな要因だが、家長、ラドンチッチ、横山、中村といった即戦力も補強。しかし、ラドンチッチは10試合足らずで先発落ち、無得点でチームから離脱。また、攻守の軸となるダブルボランチは試合ごとに組み合わせが変わり、ウィークポイントだった左サイドバックもレギュラーが不確定。さらに、4バック→3バック→4バックと、何度もシステムを入れ替えて、チームの根幹が定まらなかったことが、低空飛行を続けた要因。
 一時は徳島に勝ち点4差まで追い上げられ、最下位になる可能性もあったが、フロントの腰は重く、J1昇格後、シーズン途中での指揮官更迭は過去4度。好成績の昨シーズンを除いて、降格回避のための交代劇は、2007年、2010年、2012年の3回。そのうち2シーズンは、20試合以上を残した中での交代で、後任監督によるチーム再建の時間的余裕は残されており、降格圏に陥る手前での早めの決断が、これまでJ2降格を回避できた要因と言える。
 しかし、今シーズンは、「第18節の仙台戦で勝てなければ大熊監督解任」で引き分けにもかかわらず、決断は先送り。結局、第22節まで引っぱり、渋谷新監督は残り12試合、シーズンのラスト約3分の1でチームを託された格好。短い期間での立て直しを任された渋谷監督は、これが初めてのJクラブでの監督業。不慣れな面はあったが、就任後の6試合で5勝1敗という結果を出し、一時は降格圏からチームを脱出。
 それでも5試合で10失点を喫し、1分4敗で再び降格圏に転落。結果論ではあるが、すべて1点差負けだったこの4敗のうち、いずれかの試合で勝ち点1をもぎ取っていれば、残留できたのではないか。
 J1大宮の残留劇で欠かせなかった、お家芸とも言える「シーズン途中の補強策」も、今年は効果が少なかった。いずれの補強選手も結果が出せず、残留のために指揮官の求める戦力が整っていたのか疑問。

 一番の降格要因として感じるのは、選手たちの「残留への思い」の大きさ。どれだけの選手が「J2で来年プレイしたくない」ではなく、「大宮をJ2に落としてはいけない」と思いながらプレイしてきたのか。かつての大宮は、複数の中心選手が自ら話し合いを重ねて難局を突破。ピッチ上で時に厳しく、叱責の声を飛ばし合い、それでもチームとしてまとまり使命を果たしてきたのが、今までの大宮の姿だ。
 翻って今年の選手たちは、絶体絶命のピンチにありながらも、どこか淡々とプレイしているように見えた。表面的な駒集めばかりを急ぎ、選手の入れ替えを繰り返し、強化責任者が代わるごとに就任する監督の色が変わり、集められる選手たちの色も変わっていった。そこにクラブとしてのビジョンは、なかなか見えず。結果的に、選手たちのクラブへのロイヤリティ(忠誠心・愛着心)も徐々に減少。
WEBスポルティバ該当記事:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2014/12/08/post_795/

 大宮さんは昨シーズンはリーグ前半に好調ぶりを示し、後半は失速したものの前半戦に上げた勝ち点の「貯金」で残留争いはなかったが、2年前までは残留争いの常連。残留争いになると勝ち点を重ね、J1に居残り。その「残留力」が注目され、受験期には「落ちない」シンボルとしてお守りグッズを売り出したことも。この日も奇跡を期待し、スタジアムには約12,000人の来場があったとか。
 まあ、今回大宮さんはJ2降格する訳ですが、また1年でJ1に戻ればいいと思います。ここ最近で1年でJ1に戻るクラブはかなり優勝争いするパターンが多いと思います。2011年の柏しかり、今年のガンバさんしかりです。神戸さんも11位でしたが、途中までは上位争いをしていました。一度J2に降格して、予想以上に厳しいJ2リーグでもまれ、1年で自動昇格で戻ったチームはJ1でも強豪チームに入る傾向があるというものです。ただ・・・1年で戻れない場合は、いわゆる千葉化(千葉さんごめんなさい)してずっとJ2に停滞する傾向もあるのです。1年で戻れるかどうかですね。大宮さん、来シーズン頑張って下さい。また、地元岡山としてはお手柔らかにお願いします。
J1大宮公式HP該当ページ:http://www.ardija.co.jp/news/detail/6331.html
J1大宮関連⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140903
   〃    ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140606
   〃    ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140309
   〃    ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130603
   〃    ⑦:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121221
   〃    ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121110
   〃    ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120302
   〃    ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120127
   〃    ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100310
   〃    ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060407
   〃    ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060112
 

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