事例紹介コラムです。
先日のFOOT×BRAINの鹿児島さんの社長でもないですが、地元出身の選手で固めるのが理想的なクラブづくりであり、そういう時に必ずです名前が「アスレチック・ビルバオ」。少し前ですが、サッカーキングに「日本がキャッチアップすべき育成モデル、アスレティック・ビルバオ」というタイトルで紹介記事が出ていました。以下、抜粋して紹介。
レアルに続き、バルサのBチームも2部B(3部)所属となった今シーズン、スペイン1部で唯一2部所属のBチームを保有しているのがアスレティック・ビルバオ。Bチームにあたるビルバオ・アスレティックの登録27名の平均年齢は20.7歳と若く、チーム最年長は91年生まれのマグダレノ選手(24)。
「欧州屈指の2部リーグ」と呼んでいい2部を、20歳そこそこの若いチームで戦い抜くには少々無理があり、実際、第22節が終った時点でビルバオ・アスレティックは最下位の22位で、残留圏内となる18位までの勝ち点差は8。ビルバオの関係者からも「若いチームで2部残留はミッション・インポッシブル」といった諦めの声が漏れ聞こえてくるが、驚くべきことに誰もが「バルベルデの後任は“クコ”・シガンダ」と口にするとか。
“クコ”ことホセ・アンヘル・シガンダ監督は選手としてオサスナ、ビルバオでプレーし、指導者としてはすでにオサスナのトップチームの監督を経験。2011-12シーズンからビルバオ・アスレティックの監督に就任し、今シーズンで5年目に。Bチームを19年ぶりに2部へと引き上げながらも、今シーズンは開幕から黒星続きの苦しい年を送っているシガンダ監督だが、一貫して「残留は目指すし、結果にもこだわるが、このチームの最大の目標は一人でも多くトップチームに選手を送り出すこと」と名言。
後半戦が始まった段階で降格が濃厚となり始めている普通の2部クラブであればとっくに監督交代が起こっているが、ビルバオの育成に携わる関係者からは「全敗して3部降格が決まったとしてもクコの解任はない」とコメント。更に、サイクルの終焉が近づいているエルネスト・バルベルデの後任監督の最有力候補としてシガンダ監督の名前が当然のように挙がる。
確かに今シーズンもカンテラーノ(下部組織出身選手)たちがBチームを経てトップチームに定着。中でもイニャキ・ウィリアムス選手はビルバオの新星として今や欧州ビッグクラブが獲得を狙う逸材。そうした引き抜きを想定して契約解除金は5000万ユーロ(約65億円)に設定。
とはいえ、ウィリアムス選手やエメリック・ラポルテ選手といった若手は数年以内にビッグクラブが契約解除金を支払い引き抜くことになるだろう。
バスク出身以外の地域から選手を獲得できないため、主力の引き抜きは痛いが、ビルバオはこうして得た資金のほとんどを育成に投資して次なる若手を育成。すでにトレーニング・センターである“レサマ”の拡張工事のために約26億円を準備。
人口約220万人のバスク州のみで選手を獲得・育成し、バルセロナ、レアル・マドリードと並び2部落ちの経験がなく継続的な強さを誇るアスレティック・ビルバオはやはり日本が常にキャッチアップすべきクラブであり、育成モデルと締めくくっています。
ここで少しアスレチック・ビルバオについて、もう少し紹介してみましょう。
1912年に最後の外国人選手の退団以降、選手はバスク人に限定するというクラブ方針を守っており、契約するプロ選手はバスク州出身者か、フランス領バスク出身者のみ。1929年以来継続してリーガエスパニョーラ1部に在籍し、8回優勝。国王杯では24回優勝。通算順位ではレアル、バルサ、バレンシアに次ぐ4位で、レアル、バルサとともに一度も2部に降格したことがない3クラブのうちの1つ。スペインで株式会社化を行っていない4つのクラブ(その他はレアル、バルセロナ、オサスナ)のうちの1つであり、ソシオによって所有され経営。
という内容でした。これらの情報ではアスレチック・ビルバオの詳細が奥まではわかりませんが、雰囲気はわかったと思います。もっとさらに掘り込んだ情報はまたの機会で取り上げます。思うのは、地元出身のみの選手構成という表向きだけにこだわらず、中身もこだわるべきという事。よく、今は県内出身選手が1人くらいしかいないが、将来的には半分くらいに地元選手を増やしたいというクラブ経営者の声を聞く事がありますが、それも地域に根差し、地域の宝となる公共財であればこそでしょう。
地域に根差してなく、「県外の興業会社が地元のふりをして営業しているみたい」と陰口を叩かれるようでは、実現もほど遠いでしょう。Jクラブにはそういうところは無いと信じていますが、その辺りは読者の皆様の想像にお任せします。当ブログでは、以前に何度かバルサを紹介しています。総合スポーツクラブとしての完成度も高く、好みでしたが今後はアスレチックにも注目してみたいと思います。なぜそういう方針に至ったか宿題ですね。
サッカーキング該当記事:http://www.soccer-king.jp/sk_column/article/398503.html
アスレチック・ビルバオ公式HP:http://www.athletic-club.eus/en/home.html