リスペクト(事例紹介)コラムです。
広島カープがセリーグ優勝しました。25年ぶりだそうです。カープに関わる方々、ファンの皆様おめでとうございます。今年は歴代大統領で初めてオバマ大統領が広島を訪問したりと、広島の年でした。またJ1広島の結果が残ってはいますが。
今日まで連日ニュース番組などで優勝前のチームの姿が紹介されていました。他のチームと比べて、市民との密着度が全然違う気がしました。広島市民がうらやましいと何度も思いました。J1広島の優勝の時も覚えていますが、やはりカープに比べては見劣りがしていましたね。それくらいカープさんは特別なチームでした。9月8日の山陽新聞朝刊に「ほとばしるカープ愛 広島の小中学校 授業でも応援」というタイトルで、カープの授業の話題が出ていました。以下、抜粋して紹介。
被爆地の球団として'50年にセリーグに参入し、復興の象徴として市民とともに歩んできた。広島市内の小中学校は授業でカープを取り上げ、子ども達は悲願の達成を心待ちにしている。
市は多くの情報を基に考え、表現する力を育もうと、小学5年から中学3年を対象に「言語・数理運用科」を'10年度に導入。中学1年が使う教材では「カープと市民の物語」と題して6ページにわたり、広島の復興と球団誕生について記載。球団が経営危機に陥り、市民が日本酒の樽の中に集めた「樽募金」のエピソード等を紹介。
カープが地元で愛されている理由を考え、広島県を訪れた観光客など多くの人に伝えるのが目標で授業は年4時限。小学6年の教材でも昨年度からセリーグで最も優勝から遠ざかっている事や、'13年にリーグ3位でCSに初進出した際の新聞記事を紹介。「3位なのにどうして広島市民はこんなに喜んだのか」と考えさせる。
授業中に、録画した試合を観戦し、生徒と教師が一緒になってメガホンを手に盛り上がる事も。「子ども達はカープが広島に根差した歴史を持っている事を知り、より強く優勝を祈願」」と原爆ドームに近い小学校の教諭のコメント。
広島県原爆被害者団体協議会理事長は、「広島は原爆の被害を受けたが、市民が何とかしなきゃという思いが、弱小でも頑張るカープの姿と重複」とコメント。
広島カープが優勝した場合の経済効果は県内で331億円と、関西大名誉教授が試算。内容としては、観客数が例年より56万人増加し、331億円の内訳は、増収効果を50億円と推計。優勝セールでの消費増が120億円、もみじ銀行「V預金」こ効果が76億円、選手のTV出演やサイン会が15億円、優勝パレードが2億円、周辺への波及効果が66億円と試算。ちなみに楽天がパリーグ初制覇した際の、宮城県内での経済効果は230億円(推計)より多額。
やはり「社会貢献性」でしょうか。それに加えて、カープさんはかつての被爆地という特徴があります。どこにでもあるものでなく、広島だけのものです。被災というテーマでは、Jリーグでも仙台さん、熊本さんがそれに該当しますね。ただ、被災したというだけでなく、そこからの復興のシンボルというマンパワーがそれに加わり、強力な力に変わっています。見ているだけで、「思い」が伝わり、心で動かされます。人はカネやモノではなく、心で動くもの。よく紹介番組で樽募金が映っていましたが、フロントスタッフでなく、市民が声掛けをするから価値があると思います。
そして、被災地ではないのに、心を動かされるクラブがあります。それは「支援はブームじゃない」と、我が事のように継続事業として、復興支援事業を行うJクラブです。川崎さんしかり、湘南さんしかり、他にもいくつもあります。J2では愛媛さんも最近よく見かけますね。いくら数字が良くても、お客さんが入ってもそれは文化ではなく、単なるブーム。カネやモノだけでは100年続きません。心で動かさないと。
あと、以前のドキュメンタリー番組にも出ていましたが、後援会組織の存在。後援会を作りたがらない、作れていないクラブは申し訳ないですが、100年続かないでしょう。なぜか、地域に張るべき「根」だからです。作りたがらない理由は「モノ」を言われたくないからだと思いますが、それこそ「自分達ファースト」の真骨頂。そういうところは大体情報開示もできていないパターンです。
カープさんを調べてみると、日本全国に応援組織がありました。全国統括組織もありました。この辺りは、私設応援団との線引きがよくわからないところもありますが、名称が違うだけで外部支援組織という事では役割は一緒でしょう。岡山にも「広島東洋カープ岡山県中央後援会」がありました。
とにかく優勝おめでとうございます。優勝というのはいいものですね。当ブログでも全く縁が無い訳でもなく、2011年12月に某黄色いチームのリーグ優勝を目の前で観て体験しております。今夜はおおいに美酒に酔ってください。
広島カープ関連⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160831
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150406
〃 ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150212
〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140816
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140723
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131014
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20091002