リスペクト(事例紹介)コラムです。
今度はバレーです。明日は歴史的なBリーグ開幕戦という日に忙しい事です。一昨日、Vリーグでプロ化構想が発表されました。頑張って欲しいですね。期待を込めて、単独タイトルにさせていただきました。Bリーグの時も、最初は地味なタイトルでしたが、40回目で無事プロリーグ開幕を迎えました。Vリーグはこれからどれくらい時期が経過するのだろうか。今朝の山陽新聞朝刊にも「スーパーリーグ創設へ」というタイトルの記事が出ていました。まずは最初に報道が流れたサンスポの記事です。
【バレーボールにプロリーグ構想 '18年秋の開幕目指す:サンスポ】
日本バレーボールリーグ機構が新たなリーグを創設してプロ化を目指す構想があることが19日に判明。'18年秋開幕を目指し、参加のためには今年の11月末までの意思表明が必要で、男女とも6チーム以上あった場合に発足。関係者によると名称は「スーパーリーグ」を予定。現行のプレミアリーグは大部分が企業による実業団チームで構成。一部の選手はプロだが、大半が社員。スーパーリーグ参加のためにはチームの運営母体がバレーボール事業のために独立した法人となることが条件。
試合はホームアンドアウェー方式で開催され、チーム名にホームタウンの名称を入れることが必須で、企業名を入れるのも可能。下部組織保有も義務付けられ、プレミアリーグやチャレンジリーグ(2部)は存続するが、入れ替え戦は当面実施せず。関係者は「改革しないとサッカーやバスケットボールに追い付けないという危機感があるが、企業チームはプロ化しないところもあるだろう」とコメント。
サンスポ該当記事:http://www.sanspo.com/sports/news/20160920/vol16092002000001-n1.html
そして昨日、日本バレーボールリーグ機構から新リーグ構想についてマスコミ発表がありました。以下、抜粋して紹介。野球、サッカー、バスケに続く4番目のプロリーグに早くなりたい。4年後に向けた強化もしたいという強い思いが感じられました。
【Vリーグ、2018/19シーズンに向けた「スーパーリーグ構想」を発表】
国際競技力の低下や競技人口のの減少、ホームゲーム開催数の少なさに起因する自治体(ホームタウン)との一体感不足などを指摘。こうした現状を打破するために「Vリーグ再生宣言」を打ち出し、その中核を担う「スーパーリーグ構想」を始動。
〔構想の概要〕
・参入条件:
運営母体は原則として独立した法人。企業チームがスーパーリーグに参入するためには、独立した法人の設立が必要。チーム名にはホームタウンの地域名を入れる事が義務であり、親企業の名前を入れる事も可。若年層チームや常設スクールの保有も義務。
・参入手続き:
11月中に「参入意向表明書」を提出。その後、'17年4月28日(金)までに「事業計画書」等の必要資料・書類を提出。
・参入チーム数:
最大で12チーム、最少で6チーム程度を想定。チーム数によっては東西(カンファレンス)を検討。参入チーム数によっては男女いずれかのリーグを見送る可能性あり。
・試合開催形式:
完全なホーム&アウェー方式とし、地方開催数の増加を想定。ホームタウンとの連携強化やファンやサポーターとの交流の場としての活用が狙い。
日本バレーボール機構公式HP該当記事:https://www.jva.or.jp/index.php/topics/20160920-3
Vリーグ公式HPには更に突っ込んだ内容の構想が出ていました。これを読むと、Vリーグは本気で、企業スポーツから完全に脱皮した地域密着型のプロリーグを運営していく方針である事がよくわかりました。以下、抜粋して紹介。
【Vリーグを世界のトップリーグへ 「スーパーリーグ構想」(主なもの)】
〔スーパーリーグの“Strategy”〕
①クローズドシステムからオープンシステムへ
②骨太のチーム経営
③Qualityの追及
④大会運営の合理化
⑤ニューマーケットへの展開
〔経営的独立〕
・監査の受忍義務: Vリーグ機構による財務監査を受けること
・財務体質: 健全な財務体質と運営ができる人事・組織の確立
・収支構造: 運営費の10%以上をホームゲームの開催での利益により賄うこと
〔地域密着とファン拡大〕
・地域のバックアップ: 地元行政がチームの取り組みを支援する姿勢を文書で具体的に提示
〔バックアップ体制〕
・国体への参加: リーグ参加チームは国体へは参加せず、リーグ戦への参加を優先
・練習アリーナ: 自前のアリーナを有していることが原則。過渡期的措置として、優先使用が最低条件
〔リーグ編成(案)〕
・チーム数: 東西カンファレンス各6チームによる最大12チーム
・試合数: 総試合数:178試合。1チームあたりの試合数:32~40試合
・開催地: レギュラーラウンドは全てホームゲーム(1日1試合)で実施。(完全ホーム&アウェー方式)
・ホームゲーム: ホーム16試合のうち、14試合は1stか2ndで開催。残り2試合は第3地域でのホームゲームも可
・ホームアリーナ: 全てのホームゲームのうち、80%以上は収容客数3,500人以上のアリーナで開催
Vリーグ硬式HP「スーパーリーグ構想」ページ:http://www.vleague.or.jp/files/user/%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E6%A7%8B%E6%83%B3%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
じっくり読みました。途中あっと驚くような内容が含まれていました。岡山シーガルズは基本的にこの構想の参入条件を軽くクリアできていると思います。でも、国体には参加できなくなるようです。もう、本当にアマチュアではないという事ですね。練習アリーナも自前で用意するとありますが、地方クラブにはちと厳しい条件ですね。ジップアリーナはあくまで優先使用でしょうから。試合は完全にホーム&アウェー方式です。という事は例年6試合程度だったのが、一気に岡山県内で16試合と増える事になりますね。収容客数が3,500人以上ですが、ではジップアリーナはどうなのと思って調べてみると、「収容人数が約11,000人。客席数:5,084人(スタンド2F:2,528人、アリーナ:2,556人)」でしたが、OKなのかな。
そして、ここまでは良かったのですが、今日の報道では早くも反対勢力が登場したようです。まるで、昨日のJリーグ理事会(あくまで想像ですが)のようですね。以下、抜粋して紹介。
【バレー新リーグ構想に“抵抗勢力”…会見を阻止する動きも:サンスポ】
新リーグはすでに抵抗勢力がいることが判明。過去にプロ化を模索するたび頓挫してきた歴史があるだけに、機構側は一歩一歩、慎重に計画を推進。 Vリーグ機構嶋岡会長は「我々はプロ宣言をしているわけではない」とコメント。チームを持つ企業の上層部に構想を打診した際には「かなりの部分で同意を得た」とか。ところが、今月17日の運営委員会で各チーム代表者に説明したところ、「いくつかのチームが猛反発。今日の会見を阻止しようと画策したところもある」とリーグ関係者のコメント。
今回の構想では、選手のプロ契約や名称からの企業名排除が義務ではない変革でも、抵抗勢力は大企業の福利厚生の一環というぬるま湯から離れたくない様子。「この構想は数段階の第一段」と、佐藤副会長は、本格的なプロ化という将来像を示唆する一方で、強い危機感も存在。
ちなみに過去のプロ化構想では、'94年に日本協会で日本リーグのプロ化を目指してVリーグに改編。この年の12月の発足に際して、プロ契約選手、プロチーム、外国人選手の参加を承認。女子日本代表の主力選手プロ契約を要求したが、開幕直前に解雇。正社員の選手が多い男子はプロ契約希望者がおらず、プロ化計画は頓挫。
サンスポ該当記事:http://www.sanspo.com/sports/news/20160921/vol16092105020002-n1.html
抵抗勢力か、「茹でガエル」勢力を思い起こしました。しかし、サンスポさんははっきりと「抵抗勢力」と言い切っていますね。まあ、2つにリーグが分裂し、FIBAから国際試合を禁止されたバスケは、サッカー界の川淵さんが救ってくれました。バスケ界から引っ張られたと聞いています。何でしたら、今度はバレー界も川淵さんに来てもらったらいかがでしょうか。たぶん上手くいくでしょう。
難しいようだったら、年内にJリーグが立ち上げる「スポーツクラブ経営者育成の一般社団法人」に登場願ったらいかがでしょうか。川淵さんの代わりに、初代理事長さんに専属で力を発揮していただくとか。ぜひ、そうしていただきたいです! JリーグとBリーグとVリーグが連携を強めると、日本のプロスポーツ界はとんでもない事に激変するような気がします。まさに、Jリーグ百年構想の実現に一歩近づくのでは。
夢が広がりますね。東京五輪まであと4年。本当にバレーのプロ化のチャンスだし、絶妙のタイミングだと思います。バレー機構の皆さん、抵抗勢力に負けずに頑張ってください。