リスペクト(事例紹介)コラムです。
今日現在で年間順位(この面倒臭いものも今年限りですね)で16位と、降格圏で苦しんでいる名古屋さんですが、先日おおっと思わせるニュースを知りました。名古屋さんといえば典型的な企業クラブで、地域密着という面では物足りない状態なんだろうと思いがちですが、そうではありません。当ブログでも名古屋さんの事例をいくつか紹介していますが、商店街とかそういうキーワードがやたら出てきます。
奉還町商店街でタペストリー事業をやっている「おかやま百年構想」の長君もかつて視察に行っているくらいに、名古屋さんと地元商店街とのつながりは強いです。「名古屋グランパスJ2降格危機で地元必死 残留へ…市民『全力後押し』」というタイトルのTHE PAGEの記事です。以下、抜粋して紹介。
年間成績が16位と、初めてJ2降格の危機に直面しているJ1名古屋。J1残留に向けて負けられない戦いが続く中、地元愛知県では、チームを応援しようと市民らが立ち上がり、様々な活動を展開。降格危機を伝えるポスター掲示や、街頭での応援呼びかけ活動を通じて、選手らにエール。応援の裏には、チームや選手らに対する感謝や存在の再認識など、さまざまな思い。
〔豊田市発案でチラシ配布 「ホームゲームで声援を」太田市長も応援呼びかけ〕
名鉄豊田市駅で13日、ホーム戦の来場を呼びかけるチラシ2,500枚の配布活動を実施。発案は豊田市で、ボスコ・ジュロヴスキー新監督や川又選手ら4選手、太田市長が参加。
「勝てない日が続くにつれて、ホームタウンとして何かしないといけないという思いが募り、J1チームが地元にある、というありがたみを改めて感じられた。できることは、ホームゲームで声援を届ける事」と、市全体で応援していくことを約束するコメント。
〔「いつも協力してくれるチームだから…」 商店街は号外ポスター〕
県内商店街でも、チームを応援する機運の高まり。約150の商店街が加盟する県商店街振興組合の中で、J1名古屋と共に地域の活性化を目的として、16商店街が活動する組織・名古屋グランパスサポートタウンは、「J2降格危機」を見出しにした号外新聞のポスターやチラシ計15,000枚を制作し、各所で掲示と配布。ポスターでは、チーム史上最大の危機にある現状や、選手やチーム関係者らが地域貢献活動に協力している様子を伝え、「チームを助けるためにスタジアムへ応援に行こう」と呼びかけ。
夏期はそれぞれの商店街でイベントが盛んに開催され、そのイベントを盛り上げるゲストとして、選手が参加するのが恒例。「今年は勝てていなかったので、選手をイベントに呼びづらい雰囲気だった」とか。商店街の中でもチームの低迷による不穏な空気があったため、同組織は「いつも協力してくれるチームだから、困っているなら助けよう」と、地域全体で応援する機運を高める目的で、例年行う事業を急遽取りやめ、その予算をポスター制作に充填。
組織関係者は「おらがまちのサッカーチームであり、グランパスの存在は地域にとって大きい。みんなで選手を後押ししたい」と意気込む。
〔サポーターの声で選手ら奮起 4カ月ぶり勝利で残留へ望み〕
チーム側も地元やファン・サポーターの期待に応える活動を実施。サポーターの声をまとめた動画を制作し、選手に見せるという取り組みをホーム新潟戦の直前に、初めて実施。サポーターの思いに答えるかのように、その試合で4カ月ぶりの勝利をつかみ、J1残留を期待できる結果。
この日会場に詰めかけたサポーターの数は、通常の敵地戦の倍以上となる1,200人と異例。決勝点のゴールを決めた川又選手は感謝と全力の後押しをツイッター等で呼びかけ。
THE PAGE該当ページ:https://thepage.jp/aichi/detail/20160915-00000005-wordleaf
地元岡山も今はJ1昇格に向けて昇り調子ですが、先行きは誰にもわかりません。仮に来季J1に昇格できても、連敗新記録を作って、ズタぼろになってJ2に戻ってきて、大分さんのように1年でJ3まで行ってしまう可能性も無いとは言えません。読者のリクエスト(比較してくれと)もあり、今回は仮のシュミレーション的に岡山と比べながらどうなのか書いてみたいと思います。
まずは地元駅での監督や複数の選手によるチラシ配布活動。すごいですね、企業クラブなのに、市民クラブのような活動。行政が作ったチラシを監督と選手が配る。いい光景です。では、街頭活動として岡山はというと、東日本大震災の時は募金活動を実施(この時は全クラブでやっていましたが)。監督のこういう姿はそれ以外では観た事ないですねぇ。選手が街頭に立ったのは、あとは熊本の時(これも全クラブで実施)。去年は県警の告知活動で街中を歩きましたが、今年はそういうニュースは聞かないですねぇ。まあ、名古屋さんの場合は緊急事態という事もあります。岡山ではフロントとボランティアが駅等でチラシ配布をいつもやっていますが、たまには選手も駆けつけるのもいいかもしれません。
あと、J1名古屋のホームタウンは「名古屋市、豊田市、みよし市を中心とする愛知県全県」となっており、ホームタウンの1つの豊田市長が「ホームタウンとして何かしないと」とコメントされました。岡山は「岡山市、倉敷市、津山市を中心とする岡山県全県」です。もし、そういう緊急事態の時に、倉敷や津山の行政も市民もそこまでやってくれるんでしょうか。いや、やってくれると信じています。なので、倉敷や津山(来年からネクスト無いし)でも更に地域貢献して欲しいと個人的(倉敷市民としても)に思います。
次に地元商店街との関係。名古屋さんは「サポートタウン」制度を設けています。制度内容は以下のとおり。
「愛知県商店街振興組合連合会とタッグを組む、地域・商店街を元気にするサポートタウン事業の取り組み。現在、15団体がサポートタウンに加盟。グランパス・イベントの開催やスタジアム観戦ツアーの企画・開催など、クラブとサポートタウンが協力して地域の活性化に尽力」
サポートタウンは以下のとおり。
今池商店街連合会、東新商店街振興組合、藤が丘中央商店街振興組合、柳原通商店街振興組合、八事商店街振興組合、平針駅前商店街振興組合、瑞穂通商店街振興組合、仲田本通商店街振興組合、大須商店街振興組合、日比野商店街振興組合、柴田商店街振興組合、名古屋駅西銀座通商店街振興組合、あらたまグランパスタウン、愛商連豊田支部、一宮市本町商店街、安城市商店街連盟、半田市商店街振興組合
これを見ると、名古屋市や豊田市以外の市の商店街が含まれている事がわかりますね。比べて岡山の公式HP「ホームタウン」ページ('13年で止まっていますが・・・)を観てみると、商店街では奉還町しか名前が出てきません。Cスタの地元商店街という貴重な存在ではありますが、岡山市内にも表町や西大寺町など、東口にもたくさん頑張っている商店街があります。将来的には、岡山市商店会連合会などを通じて、名古屋さんのような活動を始めてもいいのではないでしょうか。名古屋さんでは「イベントを盛り上げるゲストとして、選手が参加するのが恒例」とありますねぇ。
次は「勝ち店」制度。これはいわゆる「サポショ」(サポートショップ・協賛店)制度です。すごいです。駅ごとにあり、名古屋市以外にも豊田市と安城市、知多半田市のお店も登録されています。比べて岡山は、まだサポショ制度は無いようです。上の商店街との連携と同じように導入されたらいいのにと思います。サポショは、単にクラブの名前で商売するという単純な存在ではなく、三位一体の支援者(行政、企業、市民)に続く第4の支援者が商店・商店街だと当ブログでは大昔から言い続けています。各地の情報発信基地にもなれる存在です。この記事を見ると、もう導入していないのはJ1・J2通して岡山くらいしかありません。外部委託でもいいから早く導入されてはいかがでしょうか。
J1名古屋公式HP「サポートタウン」ページ:http://nagoya-grampus.jp/club/hometown/support-town.html
こんなところでいかがでしょうか。地元・岡山はJ1にふさわしいクラブを目指しているようですが、成績や観客動員数など、外の部分だけでなく、上の事例にあるように中身の部分もJ1レベルを目指してはいかがでしょうか。名古屋さん、前節で久しぶりに勝ちましたが、今日のガンバ戦で負け、降格危機に陥っています。こればかりは勝負の世界なので何とも言えませんが、頑張って欲しいです。
J1名古屋公式HP「ホームタウン」ページ:http://nagoya-grampus.jp/club/hometown/
J1名古屋関連②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140727
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130213
商店街関連:32 / 31 / 30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 / 20 / 19 / 18 / 17 / 16 / 15 / 14 / 13 / 12 / 11 / 10 / 9 / 8 / 7 / 6 / 5 / 4 / 3 / 2 / 1