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地域に溶け込む川崎フロンターレ66

2016-09-26 00:01:23 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 またまた川崎さんの紹介事例が溜まってきました。そのうち紹介しようとキープするのですが、川崎さんのはあっという間に溜まってしまい、今回もそろそろ出すかなと思いました。川崎さんは本当に欠点は観られません。前節でサポーター関係で何かニュースを耳にしましたが、驚いたくらいです。川崎さんといえばとにかく「イベント力」。普通こういうのは実現しないでしょという内容が多いです。まずは、宇宙ステーションとの生交信です。以下、抜粋して紹介。
   

【フロンターレがNASAと交渉する理由。川崎市と作り上げる本当の地域密着:Number WEB】
 J1川崎が仕掛けるイベントは、どうしてこんなにぶっ飛んでいるのか。8月16日に宇宙飛行士とのリアルタイム交信企画が実現。等々力競技場と国際宇宙ステーションを衛星回線で結び、憲剛選手や川崎市内の小学生が、宇宙飛行士と会話。スタジアムを宇宙空間とつなぐ生交信企画は、日本はおろか世界でも前例がないもの。川崎市の砂田元副市長が今回の企画に関わり、今回の生交信の成功を祈っている市の関係者は市職員すべて。

〔NASAと交渉し、前人未到の「宇宙」イベントを〕
 J1川崎の天野プロモーション部長には、「話題性が高いほど、より多くの人に興味を持ってもらえる」という確信があり、サッカークラブがどうして、という驚きをむしろ逆手に取り、企画が発するインパクトを突き詰めた結果として、前人未踏の「宇宙」に到達。話題性のためなら、天野部長はなりふり構わず突き進み、今回の生交信には、NASAとの交渉が不可欠。NASAはアメリカ航空宇宙局で政府機関。交渉の難易度が極めて高い状況。天野部長の強いこだわりは話題性だけではなく、強く意識しているのは、イベントの地域性と社会性。
「この3つが揃わないと、ただ楽しいだけのイベントで終了。地域に根差した市民クラブとして実施するからには、地域の発展につなげたいし、地域への愛着を育んでもらいたい。だから、フロンターレのイベントや企画に川崎市を巻き込んで、社会性を持たせてきた。市民を豊かに、まちを元気にというベクトルがフロンターレと同じだから」
〔川崎の平均観客動員は、2001年から伸び続けていた〕
 砂田元副市長は「地域への愛着」と「地域の発展」の関係性について、「地域に愛着がなければ、そこを良くしていこうとは思わない。川崎こそ自分のまちだと認識して初めて、ここを良くしたいという気持ちが生まれる」とコメント。
 天野が登場したのは今から約10年前。J1川崎の平均観客動員は'01年の3,784人を底に、'05年は13,658人、'09年は約5倍増の18,847人に上昇。署名運動の結果実施されたメインスタンド改修後の'15年は20,999人。砂田元副市長は、観客大幅増の理由について、「フロンターレならではのイベントや企画の効果はあるでしょう」とコメント。
〔フロンターレへの愛着が川崎市への愛着につながる〕
 地域住民のファン・サポーターを増やし、J1川崎への愛着が市民意識を高め、川崎市の発展につながるという正の連鎖。「川崎都民」と言われるように、川崎市にとって市民意識の向上は永遠の課題。「天野部長がファン・サポーターを増やせば、市の発展につながる」とすれば、川崎市がクラブの成長を後押しするのは、理に適っている。
 Jリーグが掲げてきた地域密着の理念を、はっきりと形にしているのが川崎市とフロンターレの相互補完関係として、「市の職員に、市民をびっくりさせるようなイベントなどの発想は、なかなか求められないため、フロンターレの企画力には驚かされてばかり」と砂田元副市長。
「市がお金と人を出してくれるおかげで、もともと片手間ではないイベントや企画を、より充実したものにできる」と補助金ではなく、企画ごとに徹底的に検討すると天野部長のコメント。
 また、川崎市とクラブの連携は、なれ合いとは程遠く、企画を市に提案する際は、未だに緊張感は大きい。川崎市は、提案されたイベントや企画ごとに「どこまで市が支援するべきか、財政面を含めて、その都度職員が議論をしている」からだとか。議論を尽くしたうえで予算化するか、見送るかを個別に決定しており、フルオープンなお金の出し方は一切していないとか。
「年間いくらと額を決めて、補助金という形で支出するほうが役所は簡単だし、お金をもらう方も楽」だが、あらかじめ補助されるとわかっていたら、天野部長も、企画を捻り出す努力を維持できず、「市の職員たちとのネットワークが作れなくなる」と天野部長。
 クラブと川崎市は、お金だけでつながっている訳ではなく、企画をプレゼンテーション、説得方法、折り合いの付け方等を思案し、心を砕くため、手間暇は余計にかかる。
「提案されたイベント単位で議論を尽くしていくのは、面倒と言えば面倒だが、それが大事。受ける側にとっても、おんぶに抱っこはよくない」と砂田元副市長。
 天野部長が幸運だったのは、川崎市が個別審査に移行していくタイミングで、企画を持ち込みはじめたから。実はいまだに「お金だけ渡して、あとはお任せ」という自治体が少なくない状態。
 砂田元副市長のこの話は、昨今の地域おこしの実態にも通じており、無為無策で補助金依存症に陥っている地域は衰退し、元気な地域は自助努力を怠っていないという話。
 天野部長のもう一つの幸運は、砂田元副市長の存在。砂田氏は、J1川崎の17~18年来のサポーターであり、家族で年間シートを買い続けてきた筋金入り。副市長としての砂田氏は、身贔屓と取られぬよう最大限慎重に、シビアに天野部長からの提案を検討し、「市民の共感がどれだけ得られるか」のハードルをぎりぎりいっぱいまで引き上げてきたはず。
〔スタジアムを、誰もが楽しめる空間に〕
 浮かび上がってくるのは、もう一つの正の連鎖。川崎市への企画提案は毎回が真剣勝負。必死になってアイデアを捻り出すから、驚きや意外性が生まれ、イベントの内容充実がスタジアムを試合観戦のためだけではない、誰もが楽しめる空間に近づける。より多くの市民の生活が豊かになるのだから、川崎市はお金と人で支援。今回の宇宙生交信イベントは、川崎市とクラブの共催であり、地域密着の一つの理想モデルなので、全国の自治体やJクラブの関係者にこそ来場して欲しいと締めくくっています。
〔等々力「宇宙強大2DAYS」 ~目玉企画: 川崎から宇宙へ!「ISS〜等々力競技場 大西卓哉宇宙飛行士と生交信」 〕
・日 時:   8月16日(火)、他に6日 (土)
・会 場:   等々力陸上競技場
・協 力:   JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)/NASA
・交信時間: 20:00〜22:00のうち約20分間
・内 容:   ISS(国際宇宙ステーション)の大西卓哉宇宙飛行士との生交信 
・募 集:   直接質問。参加資格は小学生3名
J1川崎公式HP該当ページ:http://www.frontale.co.jp/info/2016/0627_9.html

 すごいですね。Jリーグの試合会場で、宇宙ステーションと生交信って、やはり川崎さんは異次元の存在です。上のコラムを読んで一つリスペクトできました。今までの川崎さんの付加価値の高い事業は、行政の補助金事業になっているケースがある事。なるほどと思いました。補助金か・・・思いもよらなかったです。果たしてJ1、J2クラブで地元行政の補助金を活用できているところがいくつあるのか。ひょっとしたら川崎さんだけかもしれないなと。
 補助金はただ「頂戴」と手を出すだけでもらえるものではありません。事業計画と申請、認証を受けた後は補助金対象事業としての執行、最後は実績報告です。膨大な事務作業があります。日頃忙しい、人が足らないと言っているJクラブがそこまでできるのかと。ただ、これからの伸びしろがあるJ3以下のクラブはまだやれるかもしれませんね。J2以上については、ネットにも一切出てこなかったし無理がありそう。
 そして、ヤフーニュースに、またしても天野部長に関するコラムが出ていました。最近、天野部長の露出度が高いと感じています。以下、抜粋して紹介。
   
【宇宙にゴジラ、レーシングまで。川崎フロンターレに所属する“Jリーグ最強の企画屋”】
 スタジアムで楽しむのは、試合のみならず。J1川崎では地域密着をモットーに、来場者に寄り添ったユーモアたっぷりのオリジナル企画がファンを魅了。一連のユニークな企画を仕掛けているのが天野春果サッカー事業部プロモーション部部長。「Jリーグ最強の企画屋」との呼び声も高い人物。
 Jリーグスタジアム観戦者調査の「地域貢献度」で、'10年から5年連続で1位を獲得。クラブ創立20周年を迎えた今年、平均観客動員数は21,593人(9月18日時点)まで上昇。要因としてはリーグ初優勝を視野に入れる好調なチーム。そしてアットホームなエンターテイメント路線がファンの心をガッチリとつかんできた証だ。
「フロンターレが目指しているのはいかに勝利以外の結果を愛してもらえるか。チームが勝てなくても楽しめた、勝ったらさらに楽しかったっていう空間をつくる事。結果に左右されず、幸せになってもらってまた等々力に行きたいって思ってもらえるようにすることが事業に携わる僕たちの責任と認識」と天野部長のコメント。いつも「幸せのタネ」を探し回っており、携帯電話は防水カバーつきで、風呂に持ち込んでまで企画を練るとか。

 この夏、創立20周年記念イベントのテーマは「宇宙」。8月16日のナイトゲームで、試合が無いにもかかわらず等々力競技場は多くのファン・サポーターが来場。国際宇宙ステーション(ISS)と回線がつながり、大西飛行士の声が届く。大歓声の中で約20分の生交信。「宇宙でオーバーヘッドキックはできますか?」などの子供たちの素朴な質問に、スタジアムは笑いと笑顔に包まれた。スタジアムと宇宙の生交信という試みは世界初だとか。'12年に南極と生交信を実現し、サポーターから「もう宇宙しか残ってない」と言われて、やれそうにないものをやってみようと実行。
 簡単に物事が進まず、準備期間は4年。最初に企画をJAXA(宇宙航空研究開発機構)に持ち込んだ際には悪い反応。作業の合間を縫って交信してもらうには、それなりの大義名分が必要。川崎市と一緒になって熱意を伝えれば、きっと実現できると、天野部長は川崎市に全面協力を仰ぎ、市を動かすことでJAXAも次第に前向き。市の教育事業と連動した「JAXAフロンターレ算数ドリル」が市内の小学校に配布されるなど、宇宙との接点が次第に接近。

 J1川崎と川崎市は良好な関係を構築。市が資本参加し、ファンクラブも市の外郭団体がフロンターレ後援会として運営。クラブは新人選手の商店街挨拶回りや選手による絵本の読み聞かせ会の開催など、市民に溶け込む取り組みを地道に実施。今では市とクラブが市民のためにお互いを活用する関係性に発展。クラブと行政のタッグが、JAXAとNASA(アメリカ航空宇宙局)を動かした。
 J1川崎らしいのは「宇宙との生交信」を目玉としながらも、もう一つの軸として人気漫画「宇宙兄弟」とコラボレーションした点。6日のホーム試合では、宇宙に関する盛りだくさんのイベントを開催。チームも「宇宙兄弟」の作者・小山氏のデザインによる「宇宙服ユニホーム」で試合に出場。
 天野部長の原点は大学時代。ワシントン州立大学スポーツマネジメント学部に入学し、スポーツの魅力に取りつかれてしまう。様々な体験の後に、スポーツ事業に携わる職業を選択。
 彼がこだわり続けたのは手づくりで企画を提供する温もり。ファン、サポーター、行政、関係者の声を大切にし、月に一度、サポーターの代表者たちと“定例会議”を行なってきたのもそのため。
「つくり手と、受け取り手が分かれちゃうとつまらなくなるんです。厨房に入ってもらって、一緒に料理をつくってもらう感覚。一緒にみんなで汗をかくから共有できる」と天野部長のコメント。
 天野部長は今年限りで一度J1川崎を離れ、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に出向する予定。スタッフの一人として大会成功に力を尽くし、4年後にまた復帰する予定。

 そうですか、天野さん来年からオリンピックに行っちゃうんですね。残念ですが、逆にどんなサプライズがあるのか、東京五輪が楽しみになりました。まあ、残ったフロント社員で変わらないイベント力を発揮してくださるだろうし、離れたところからクラブと情報交換はするでしょうし。それでもちょっと残念です。川崎市はクラブに資本参加し、後援会もされている。そりゃ補助金事業も協力して実施できるし、こういうものすごいイベントも実現できる訳ですね。
 上のコラムで、「全国の自治体やJクラブの関係者にこそ来場して欲しい」という話が出ていますが、Jクラブは川崎さんこそ視察に行くべきです。これから伸びしろがあるJ3以下のクラブもぜひ、補助金事業活用も含めて、川崎さんに学ぶべきです。
ヤフーニュース該当コラム:http://news.yahoo.co.jp/feature/370
J1川崎関連:6463626160595857565554535251504948474645444342414039383736353433323130292827262524232221 

 話は変わり今日、ファジのホーム長崎戦に行ってきました。その模様は明日。

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