リスペクト(事例紹介)コラムです。
年末にネットにJリーグ理事会が紛糾したという報道が流れました。詳しくは余り語られませんでしたが、当ブログではちょっとマークしていました。ちょっとわかりにくい話ですが、よく読めばわかると思います。以下、抜粋して紹介。
【Jリーグ新規参入クラブは専スタ構想が義務化? 紛糾した理事会。タブーなき改革への議論】
パフォーム・グループによる総額約2,100億円にのぼるビッグマネーは「始めの一歩」にすぎない。日本サッカー界の未来をさらに明るいものとするために、村井チェアマンは2017年において、タブーなき改革へ向けた議論を展開していくことを明言。
【理事会を紛糾させたマネージャーからの起案】
11月8日に、Jリーグ理事会から委嘱された事項を協議・決定する月例の実行委員会が紛糾。きっかけはJリーグ経営管理本部・クラブ経営戦略部スタジアム推進グループの佐藤マネージャーによる起案。要約すれば「今後において百年構想クラブ入りを希望およびJFLからJ3入りするクラブは、サッカー専用スタジアムの構想があることを前提」となる起案に対する、実行委員の反応は様々。
積極論者と慎重論者がそれぞれ意見を応酬させるなかで、起案は多数決を取ることなく、11月16日の理事会へ上程されたが、結論は出ず。起案そのものは「サッカー専用スタジアムが既存のものとしてある」ではなく、「建設へ向けた議論が行われている」や「建設計画がある程度行政側と確認できている」といったレベル。
【東日本大震災時の教訓が込められた八戸のスタジアム】
JFL八戸やFC今治のホームスタジアム建設の動きを日本サッカー界にとってポジティブだと受け止めている村井チェアマンは、有識者を交えた検討委員会をJリーグ内に発足させて、議論の場を移すことで合意していると表明。
「10人程度の会議をイメージ。専スタではないスタジアムを使用しているクラブの中で、実際に専用スタジアム建設へ向けて動いているクラブとそうではないクラブの人間に、国内外のスタジアム事情などに明るい有識者もまじえる形で、既存および新規入会のクラブにおけるスタジアム基準の在り方や今後の方向性について、しっかりと議論したい」
【スタジアム問題における司令塔】
検討委員会の設置が報告され、今後は人選を急ぎ、年明けから議論を開始したい方向。佐藤マネージャーの起案について、村井チェアマンは・・・
「彼の理想は、様々な競技ごとの運動設備が全国に広がっていく事。日本のフットボールが中長期的に発展していくことを考えた時に、サッカー界としてもレギュレーションの変更を早目に提言することで、しっかりと議論したいとなった。自分自身、百年後にはJリーグのすべての試合が、専スタで行われている状況にしたい」
スタジアム基準の変更検討はクラブライセンスの中に「施設」に該当。「財務」についても変更の余地について検討委員会を設けて別途議論していくことでも合意。対象は「3期連続の赤字計上でクラブライセンスを剥奪」という基準。未来へ向けて投資していく上でも、財務基盤の強化は必要不可欠。3期連続赤字あるいは債務超過のJクラブには、翌年度のクラブライセンスを発行しない方針を通達。最悪の場合はJ3やJFL、地域リーグへの降格を余儀なくされる。そのために当該クラブは経営再建を急ぎ、2016年度までは3期連続赤字、債務超過のクラブはともに無し。
【クラブライセンス制度が足かせとなっている?】
クラブライセンス制度の存在がJクラブの健全経営に大きく寄与している一方で、導入決定から5年目を迎える2017年を、一部を見直す機会となると視野に。
「クラブライセンス制度があるがために、たとえばリーグとして求めている投資型のクラブ経営者を生み出さないとなっていれば、もう一度しっかりと議論したいと。赤字を出さないクラブが本当にいいクラブなのかと言うと、恒常的に赤字を出し続けるクラブは絶対にダメ。いつかは債務超過になって、個人でいう自己破産の状態に陥ってしまうため。従って、恒常的な赤字のガイドラインを、クラブライセンス策定の段階では3年と設定。あくまで3年という期間に意味があったわけではなく、恒常的な赤字状態を3年と判断。本当にダメなのは債務超過であり、そうならないために3期連続赤字という基準も設けて、ダブルで運用してきた結果として3期連続赤字もなくなり、債務超過もなくなったわけ」
もっとも、ここにきて「構造的な地殻変動」と言わしめる状況が発生。自己資本あるいは内部留保を大きく積み立て、3期連続赤字を計上しても債務超過には陥らないクラブが出てきた点。2年続けて赤字になり、3年目は必ずに黒字を計上しているが、それで本当に投資ができるのかと疑問。今後は自己資本が大きなクラブは条件つきで3期連続が5期連続にという意見が出て来る可能性あり。
年明け発足予定の検討委員会には、Jクラブの実行委員や財務関係の担当者に、会計士をはじめとする財務のプロフェッショナルら外部の有識者も参加。来年いっぱいをかけて、Jリーグがあるべき姿をしっかりと、オープンに議論していく予定。
【費消型ではなく投資型の経営者を増やすために】
クラブライセンス制度は、AFCがACLの参加資格として導入を通達した制度で、日本協会がJリーグに委託されたものなので、Jリーグ単体では変更できないが、費消型ではなく投資型の経営者を数多く輩出して、Jリーグ全体が発展していくためにも、まずはリーグ内の意見を集約させる意向。
ある程度の自己資本を蓄えて、勝負に出られるようになったクラブにとって、クラブライセンス制度はどうなのかということを、複眼的に見ていく必要があるという事で、12月の理事会で、プロ野球DeNA池田前球団社長の特任理事招聘を決めたのも、Jクラブの経営者の投資マインドを向上させる指南役とするため。
今回発表された2016シーズンを総括する『J.LEAGUE PUB REPORT 2016 WINTER』でも謳われている2つの理想、「Jリーグですばらしいサッカーがプレー」と「Jリーグのすばらしさが多くの人に伝わっている」を実現させるために、2ステージ制を2年で1ステージ制へ差し戻したように、忌憚なき議論とタブーなき改革をJリーグはこれからも積極的に推進。
フットボールチャンネル該当記事:https://www.footballchannel.jp/2016/12/27/post191860/
という感じでしたが、とてもわかりにくいコラムです。ようはそろばんばかり弾かずに、投資すべきもの(特に専スタ等の社会的インフラ)はケチるなという事でしょうか。当ブログでは、それプラス「ファン・サポーターの心を動かすもの」にもケチらず投資して欲しいという事です。専スタについては、当ブログの「Jクラブの付加価値」でも一番上に書かれている項目であり、サッカー界にとって非常に重要な公共財です。それは長年日立台を観てきた者としては実感できるものです。専スタを作る市民運動が起こるのか、起こらないのかという点において、どこまでそのJクラブがホームタウンで地域に根付いているかが問われると思います。よくあるパターンが、「署名はいくらでもやる。タダだから。でも募金はやらない。メリットが無いから」と言われる事。
よく、署名運動でこれだけ集めたという話を聞いた事がありますが、じゃあ募金でいくら集められるのかと問いたいですね。大分さんは確かに昨季まではJ3に甘んじていましたが、J1に上がるときに億単位の個人募金が集まったと聞いています。大分さんはいろいろありましたが、地域の公共財だからこそ、そこまで心を動かされた県民が動いてくれたと思っています。あくまで仮の話ですが、地域に根付けないところは、数は集められても地域の浄財は集められるでしょうか。カープのような「真の樽募金」ができるのか疑問です。 今日は何か変な方向で締まっちゃいましたね。専スタに、クラブライセンスという縛りを設けようという話ですが、歴史から観ても余りいい事にはならないかもしれませんね。ちょっと2ステージ制臭するし。