リスペクトコラムです。
昨日に引き続き、J2降格するJ1クラブシリーズ、第2夜は仙台さんです。大分さんに続いてまた一つ市民クラブがJ2に落ちて行くのは残念でなりません。これで代表的な市民クラブはJ1からいなくなるのではないでしょうか。ついこの間、仙台さんの市民後援会主催のオンライン講座(後日アップ)に参加し、その時に市民クラブの素晴らしさを実感したばかりでまだ信じられません。仙台さんは地元岡山がJ2参戦1年目でJ2におられ、強いままJ1に駆け上がっていかれたイメージがあるし、2011年の震災年には優勝争い(優勝は柏)を演じて4位でフィニッシュされたのを覚えています。この時に元岡山の赤嶺選手が大活躍でした。その仙台さんが、震災から10年目の節目の年にJ2へ降格ですか。
【「守備重視」反作用招く ベガルタJ2降格(上)】
〔大敗し方針転換〕
「手倉森監督が目指したチーム像とは懸け離れていた。8季ぶりに仙台を率いることになった手倉森監督は、就任記者会見で『守備はゴールを守るのではなく、ボールを奪う』と力説。高い位置でボールを奪い、ショートカウンターから得点を重ねて2位と躍進した、2012年の『積極的守備』を念頭に置いた発言であることは明白だった。
理想はいきなり厳しい現実にぶち当たる。相手の高い決定力もあり、第2節川崎戦、続く鳥栖戦で、ともに5失点と守備が崩壊して大敗。次節も湘南に3失点して屈した。指揮官はまず、素早く帰陣しブロックを形成する守備で、失点を減らす方向へかじを切らざるを得なかった。」
〔8月1得点のみ〕
「5月には518日ぶりのホーム勝利。浮上のきっかけをつかんだように思えた水面下で、守備重視の反作用にむしばまれていった。陣形の重心が下がる。縦への推進力は勢いをそがれ、FW西村らは前線で孤立し、得点の匂いは薄れた。「勝負の月」と位置付けた8月は6試合でわずか1得点と、その傾向が顕著に表れた。
11戦未勝利と低迷する中、指揮官は再度、理想を掲げる。『高い位置でのボール奪還が相手に最も圧力をかけられる。残り11戦は耐えて勝つだけでは駄目だ』。9月のG大阪戦を前に強調した。その後は理想を体現した試合もあった。しかし、残留争いの重要な一戦ほど、以前の慎重さが表出した。」
引用:河北新報公式HP
いい成績を残した名将の第2次政権が上手くいかないケースがいくつも見られますね。柏のネル監督もそうだし、他にもいたと思います。例外は磐田さんの鈴木監督か。手倉森監督も今季の就任時には勇ましかったですが、昨季17位とすでに降格圏だったチームを立て直すのは難しかったようですね。オフェンシブからディフェンシブに戦術を変えざるを得なかったのです。守備重視の反作用が最後まで足を引っ張ったようですね。
【頼みの外国籍選手機能せず ベガルタJ2降格(中)】
〔衝突を繰り返す〕
「MFクエンカとマルティノスが前線で躍動し、課題の得点力不足を解消するという強化部のもくろみは開幕前につまずいた。クエンカは古傷を痛めてキャンプ中に離脱し、戻ってくることはなかった。
開幕後も誤算が続く。DFシマオマテは昨季の大けがで対人の強さと速さを失っていた。守備重視の戦術に切り替えれば、献身性の乏しいマルティノスが悪目立ちした。ともに出場機会を減らし、起用法への不満を漏らし始めた。」
「6月の天皇杯2回戦のJ3岩手戦。手倉森監督は当日に先発メンバーを代え、シマオマテとマルティノスに挽回の機会を与えた。結果はまさかの零封負けで、関係は修復不可能に。2人ともシーズン中にチームを去った。」
〔新卒組は発展途上〕
仙台のトップチーム経費はJ1最低レベル。厳しい懐事情でも、戦い続けてこられたのは『新卒組が育って軸になり、そこに外国籍選手が加わる』(竹村栄哉強化部長)という編成方針が機能していたからだ。
今季の新卒組は発展途上。中心を担う成長を見せた中堅がいない上に、外国籍選手が機能不全に陥っては、J1で満足な戦いはできない。」
引用:河北新報公式HP
外国人選手の当たり外れはわからないから難しいですね。従順なタイプならまだいいですが、今季の仙台さんは外国人選手でも泣かされたようです。Jクラブでは何チームも、今季はコロナ禍の大きな影響を受けました。外国人選手の入国が大幅に遅れてしまったのです。まず入国できない、入国できても隔離期間が長い、解放されてもフィジカルが落ちていて、回復するのに長い日数がかかる。その影響をもろに受けたのが柏でしたね。外国人選手のフィットは重要な問題です。育成も発展途上の様子。これでは強化できる部分が見当たりませんね。
【残留失敗、経営さらに苦しく ベガルタJ2降格(下)】
〔「背水」の予算〕
「今年1月、3億4000万円の損失を見込む2021年度(21年2月~22年1月)予算を発表した運営会社、ベガルタ仙台。記者会見で佐々木知広社長は『トップチームの経費を前年度並みに確保した。J1で戦い続けていくことが重要だと思っている』と説明した。
当初の21年度予算案は選手の人件費に当たるチーム経費を前年度から3億円ほど削減して黒字見込みだった。だが、取締役会で『これではJ1に残れない』という意見が出て方針転換。これまでと同規模の経費を計上し、経営的に背水の陣で残留を目指すことになった。」
〔他クラブの半分〕
「仙台のチーム人件費は12億4600万円。18チーム中15番目の規模だ。最高額は神戸の63億9600万円で、優勝した川崎は30億3600万円。リーグ平均は24億3100万円。仙台は平均に遠く及ばない。
強化部関係者は『他クラブの半分ぐらいの経費で互角に渡り合えるような戦力を整えないといけないのが現状』と苦しい台所事情を打ち明ける。
経営再建は道半ばだ。経費削減やスポンサー収入の上乗せがあり、20年度決算、21年度決算見込みはともに当初からの赤字幅が縮小した。今期末で3億7300万円を見込む債務超過は、スポンサー収入の強化や増資で22年度中に解消する方針を打ち出している。
しかし、これはあくまでJ1にいることが前提の経営計画。J2降格により、来季はJリーグの配分金とスポンサー収入の減少という新たな経営課題が浮上する。」
引用:河北新報公式HP
そして財政面ですか。赤字予算にして背水の陣でシーズンに突入した訳ですね。それでもJ1平均額の半分レベルでは強くなれません。この財政問題は仙台さんでは昔からある課題のようです。来年度中に債務超過が解消できるのは明るいニュースですが、J1残留が前提の話なので、来季は再び財務面でも苦しいかじ取りが予想されます。大分さんにしろ、J2降格チームは経営が苦しいクラブばかりのイメージがあります。
【ベガルタ仙台はなぜ13季ぶり降格となったのか。その敗北は必然だった】
「仙台はつなぐことを目指していたようだが、ボールを受けようと顔を出す選手が少なく、むしろ受けることを怖がっていた。また、後ろからボールを運べるだけの技術判断がある選手が見当たらず、サイドの選手は攻め上がりのタイミングがめちゃくちゃ。選択肢が曖昧で、クロスや前につけるべきプレーの準備できていなかった。何度、無駄にボールを敵陣から下げたことか。」
「(湘南戦で)仙台は必然的に劣勢に立っていたと言える。前線の富樫敬真がポストに入り、どうにか攻撃を引っ張っていたが、他に攻撃の選択肢が乏しく、攻守に効率の悪さが見られた。たとえば攻めに回った時、選手がいっせいに前線に入るが、距離感がバラバラだった。気が逸(はや)るのはわかるが、各自の役割が明確ではなかった。」
「単純な戦力で互角以上の湘南に、ホームで力負けしての降格。それは仙台のシーズンを象徴していた。強烈とは言えない湘南のプレスに狼狽。どのようにボールを運び、点を取るのか。そのデザインが見えなかった。そもそも守りの安定感がないことで、チーム全体が常にグラグラしており、それは惜しい試合でもリードを守りきれない正体だった。」
「(手倉森監督は)「(練習で取り組んできた)つなぎがうまく機能せず、クオリティの問題もあったが、守備意識の高い湘南を崩せなかった」
敗因はこれから語られるだろう。たとえば、ケガ人が多かったことは事実だろう。フィジカル面のトレーニングが旧態依然だと言われるが、最新データにこだわりすぎて悪評を買った指導者もいる。また、それまで価値ある仕事をしていた渡邉晋監督を、2019年をもって切った理由も不明瞭だが、必ずしも続投=残留ではない。手倉森監督の采配を揶揄する声も出るだろうが、戦いに身を投じていた選手が何人いたか。ひとつだけ確かなことは、今シーズンの戦いが残留には値しなかったということだ。」
引用:SPORTIVA
やはり前の選手層が薄いし、戦術的にも後にシフトした陣形なのかな。ポゼッションサッカーのクオリティの問題があるようとありますが、今季を通して、J1への残留に値しない内容だった訳ですね。名将の手倉森監督をしても立て直せなったのは残念ですね。その手倉森監督が降格の責任を取って退任されるそうです。厳しいですね。ただ、今後もクラブの強化・育成面のサポートされるとか。
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