リスペクトコラムです。
アジアカップで史上最低タイのベスト8で終了した森安ジャパンですが、あの試合からメディアではずっといろいろな代表論や監督論が論じられています。一通り読んでいますが、そろそろこの辺で一度取り纏めたいと思います。だいぶ要約しましたが、更に読みたい読者の方は元記事をお読みください。
【板倉滉は森保采配の犠牲者 イラン戦必然の敗北にその指導スタイルを今後も無条件で支持するのか】
〔懸念されていた根本的な問題点があぶり出された〕
「この試合の勝敗を分けた最大のキーポイントは、イランのアミール・ガレノイー監督の采配による守備方法の変化にあった。」
「布陣は、従来どおりの4-2-3-1を採用した。そのなかで、前半と1点ビハインドを背負った後半では、微妙に守備方法を変化させ、結果的に日本はそれに対応できないまま、試合終了間際に逆転を許すこととなった。」
〔リズムを徐々に失っていった前半〕
「イランにとっては日本にボールを握られるのは想定の範囲内。イラクやバーレーンのように、躊躇なく前線にロングボールを供給することで日本が得意なプレスを回避すると、中央エリアのスペースにボールが入ったところで回収を試みて、カウンターに転じやすい戦況に持ち込もうとした。この試合におけるイランのロングパスは、314本中65本で全体の20.7%を占めた。」
「イランはロストしてもカウンターを受けるリスクの少ないウイングや、DFラインの背後へボールを供給。日本のDFラインを下げさせることが、主な目的だったのだろう。」
〔後半、ビルアップからの前進ルートを完全に失う〕
「試合の流れが大きく変わったのは、ハーフタイム後だ。両チームとも選手交代なしで迎えた後半に入ると、1点のビハインドを背負ったイランは守備方法を変え、とりわけ日本のビルドアップ時は日本のCBコンビに圧力をかけるように変化させた。」
「前半7本(枠内1本)だったシュートも後半は10本(枠内3本)に増え、最終的にイランのシュート数は計17本を記録。一方の日本は、前半4本(枠内1本)、後半4本(枠内1本)の計8本に終わっている。自陣深いエリアでのパス交換が増えたため、最終的なボール支配率は58.1%と、前半に比べて0.7%しか低下しなかったが、ボール支配率で上回る試合では苦戦するという森保ジャパンの傾向に変化はなかった。」
〔板倉滉はこの試合の犠牲者〕
「日本にとって最大の敗因は、イランの守備変更によって戦況が大きく相手に傾き、戦術が機能不全に陥っているにもかかわらず、何の修正も加えられなかった森保一監督のベンチワークだった。」
「森保監督は、ハーフタイムを除き、基本的に試合途中の戦術変更はしない。試合中に起きた不測の事態に対しては、選手の工夫や頑張りを信じて見守り続ける。」
「コンディション的な問題もあっただろうが、この試合の戦犯扱いを受けた板倉は犠牲者とも言える。前半と後半で戦況が大きく変わるなか、戦術的劣勢のしわ寄せはCB板倉に及んでしまった。個人の力だけでは、どうしようもない部分があった。
結局、森保監督の指導スタイルを無条件で支持するJFA(日本サッカー協会)が変わらなければ、日本代表も変わらない。しかしながら、4年前のアジアカップ決勝と同じ轍を踏んだにもかかわらず、今回の敗退劇を受けても何かが変わる気配はまったくない。」
このアジアカップのイメージは個人的には、先のカタールW杯の裏返しに思えます。つまり、前に出てくる強い相手には堅守からの素早いカウンター攻撃という「弱者の戦術」。負けた強者はW杯はドイツやスペインであり、アジア杯では日本だったと。
このコラムでは、イラン戦敗退はこれまでの森保監督のやり方を見れば、言わば必然の結果だったと言え、今後も同じことが起こり得ると覚悟するしかないだろうと書かれていますね。W杯アジア最終予選でサウジに負けた時は「暑さ」もあったと思いますが。今回は不測の要因はなく、単に弱かったからかなと。これだけの選手層を誇りながら惨敗というのは、もうアジアでは森保監督は通用しないという事ではないでしょうか。
【アジア杯で見えた新時代の予兆 意欲急騰のアジア…日本がW杯出場逸も JFAは厳しく検証を】
〔W杯出場枠拡大が導いた総体的な普及促進と新興国の躍進〕
「参加24か国中で、2年前のワールドカップ(W杯)に出場した日本、イラン、オーストラリアを除く実に21か国が外国人監督を招聘。内訳は欧州から14人、アルゼンチン、韓国、アフリカからそれぞれ2人ずつ。タイが国内リーグで圧倒的な実績を残した石井正忠に命運を託したのは周知のとおりだ。」
〔世界一と大陸予選やGL敗退が意外なほど紙一重…それがサッカーの特性〕
「今回のアジアカップで日本が35年ぶりにGLで黒星を記録し、準々決勝で敗退したのは、W杯の出場枠が広く開放された新時代の予兆とも言える。まだ日本が大陸内で最も豊富な戦力を擁しているのは間違いない。ただしその優れた戦力の特徴を引き出し切れず、むしろ対戦相手に消されて苦しみ最終的には敗れてしまったのが今大会だった。」
「現世界王者のアルゼンチンも、2年前のカタール大会では初戦でサウジアラビアに敗れた。あるいは1986年メキシコ大会で2度目の優勝を果たした同国も、南米予選最終戦での土壇場の同点弾で辛うじて本大会への切符を手にした。要するに世界一と、大陸予選やGLの敗退が意外なほど紙一重なのが、サッカーの特性でもある。JFA(日本サッカー協会)はそれを十分に踏まえたうえで、アジアカップを厳しく検証したほうがいい。」
このコラムでは先のW杯では24ケ国中21ケ国が外国人監督とあります。日本協会はW杯での優勝は自国監督がベストという論調になっていますが、相反する事になってしまう。「世界一と、大陸予選やGLの敗退が意外なほど紙一重なのが、サッカーの特性」とありますが、どういう結果になるのか予測不能という特徴があるので、自国監督で優勝を目指すという途方もない大風呂敷はナンセンスかもしれません。アジアで8強にしか入れなかった国が世界の頂を取れる訳がないと。
【「ポスト森保」に浮上する3人の名前…アジア杯8強止まりで評価急落、自ら辞任の可能性も】
「森保監督は「(高まる解任論は)真摯に受け止めたい。私自身できる限りのことはやっているつもり。(今後も)チームのため、選手のため、日本のためにやっていきたい」とコメント。イラン戦を現地で観戦した日本サッカー協会(JFA)の田嶋会長も、イラン戦直後に『それ(解任)については考えていない』と話し、森保ジャパン路線の継続を明言した。
そもそも森保日本代表監督兼東京五輪代表監督の生みの親である田嶋会長が、率先して森保監督の首を切ることはあり得ない。しかし、代表周辺では、3月21日と26日に開催予定の2026年W杯2次予選・北朝鮮との2連戦で1敗でもしたら生真面目な森保監督が『アジア杯で不甲斐ない戦いをした上に……責任を取って辞任する』と言い出しかねない、とみる向きもある。」
〔JFA内には苦し紛れのウルトラCか?〕
「カタールでも後任候補についてアレコレ話題にのぼりましたが、3人に絞られました」とサッカー関係者がこう続ける。
「G大阪の監督時代に日本人初となる国内3冠を達成した長谷川健太・現名古屋監督(58)、Jリーグ優勝歴代最多の4回に加えて天皇杯、ルヴァン杯も制した鬼木達・現川崎監督(49)の2人が実績、経験値ともに日本人指導者の中では際立っており、ポスト森保の有力候補と言っていい。」
「ウルトラCというか、暫定政権として現JFAナショナルチーム・ダイレクターの山本昌邦さん(65)の名前が挙がっている。96年アトランタ五輪の23歳以下代表のコーチ、02年日韓W杯の日本代表のコーチを務め、トルシエ監督からジーコ監督体制に代わった02年11月のアルゼンチン戦では、監督代行として実際に采配を振っている。正式な監督が決まるまでのつなぎとしては適任という声が、JFA内にはあるようです」
このコラムでは早くも、ポスト森保について語られています。まぁ東スポさんや日刊ゲンダイさんは、メジャー新聞社の報道と比べて、懐疑的な受け止め方をされる読者の方もおられるかもしれませんが、当ブログでは一貫して一つの情報網として尊重しています。
ポスト森保も、カタールW杯アジア予選での敗戦など、以前から囁かれてきた名前がまた出ていますね。あとは反町委員長か。山本さんは初めて見かける名前ですね。当ブログとしては、どの方も似たり寄ったりで、就任されても同じような成績しか残せないと予想します。もっと根本的な人選が必要。言葉が100%通じなくても、欧州組が強く尊敬の念を抱ける人材。世界を知る監督。日本人監督ではそもそも無理。森保さんと同じ事の繰り返しでしょう。そして、今日技術委員会が開催されたようですね。
【アジア杯惨敗の森保監督の責任に反町委員長が言及「厳しい声も聞こえてきた」】
「8日に技術委員会が開催され、アジアカップでの戦いぶりも議題に上がった。会議後に取材に応じた反町委員長は、森保監督の評価について『委員からは非常に肯定的な部分と、厳しい声なんかも聞こえてきた』として上で『基本的には我々は今まで以上にしっかりとサポートをしてW杯に向けて、準備していくという形でコンセンサスは得ている』とすでに日本サッカー協会の田嶋幸三会長が表明している続投方針に変わりがないことを強調した。
技術委員から上がった厳しい意見については『本人が試合の後にコメントしているところは、我々としても感じる部分はあった』と指摘。森保監督はイラン戦後に交代カードの切り方について反省の弁を述べており、その部分も課題と指摘。」
「優勝に遠く及ばず惨敗となった責任問題については『これは技術委員会で判断する形になる。その中には山本(昌邦ナショナルチームダイレクター)さんもいるし、他の委員の方も客観的に見た意見とか、みなさんの意見を話し合った中で、今後のことを考えていく。』」
以外でしたねぇ。もっと続投論が強いのかと思いました。でも、今の状況ではまだ森保さんを更迭できないと思います。W杯予選でどうなるかですか。次に同じような惨敗劇になれば、森保体制は厳しいかもしれませんね。それこそスポンサーの意向も出てくる事でしょう。
何度も言いますが、当ブログは昔から一貫して森保監督反対派です。というよりは日本人監督反対派です。それは全く変わっていません。じゃあ誰ならいいのかと聞かれても、すぐに名前は出ません。昔書いたようにレーヴ監督、ビエルサ監督くらいしか名前が出て来ない。でもそういうVIPな方は極東の国には来たがらない。この辺が日本協会の力の出しどころだとは思いますが、今の田嶋ジャパンではやはり難しいか。次期会長である宮本ツネ市はどうなんだろ。
#がんばろう石川 #がんばろう能登