CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】われ敗れたり

2015-07-14 20:16:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
われ敗れたり  著:米長 邦雄

将棋の本であります
最近、突然将棋にはまりだしまして、
やれ棒銀だ、それ鬼殺しだと
そんなことをつらつらかじっているわけですが、
ここでやっぱり、最近の読書クセから本も読んでおこうと
面白いと評判の米長永世棋聖の本を手に取ったのでありました
非常に面白かった、そして、
将棋ってこうやって考えていくものなんだと
なんとなし、教えてもらったようでもありました

内容は、電王戦のはしりとなった対局について、
そこでの敗戦を感想戦のように見せた、
非常に面白いものでありました
この頃、固唾を呑んで、リアルタイムで興味を持ってたら
もっと面白く読めたんだろうなと
後手から放った二手目の衝撃を味わってみたかった
そう思わされたのでありました

当時の様相がどうであったか、
また、今このようになっているとあまり理解が届かない
閉鎖していた将棋会の姿も見えたようで
たまらなく面白い一冊だなと
感心しきりで、その対局、その背景が楽しく読めたのですが
失うものの大きさや、様々な葛藤というか勉強が
とてつもなく大切でステキすぎると
思い知らされたのでありました

残念ながら、実際の内容というか
いわゆる感想戦部分については、私の理解の程度を
はるかに超えているため、分岐点の手を説明されても
まったく理解できなかったのでありますが、
それほど悔やんで、そして、何日もその盤面が浮かぶという姿が
本当に力を尽くしたからこそ味わう
地獄なんだろうなと、まさに将棋のそれを
そこに見たように思えて、震えたのでありました
凄い世界だよな、つくづく思うのだ

そして、コンピュータとの戦い方というのに
あれこれと思いをいたるようになったり、
人間相手のそれとはどうにも、準備するものが違ってくると
そのあたりもなんというか興味深いところで
もっと、そんな感想から、将棋AIではなくて
AIと人間の違いみたいなのが
見えてくるんじゃねぇかなと、素人ながらに思うような
不思議なそれを感じ取ったのでありました
理屈も立ってないと個人的には思うんだけども、
結局将棋というゲームだから、
人間だろうとそうでなかろうと一緒というのは
やはり、何か違うんじゃないかなと
思いたくなってしまうのである
情緒的であるかもしれない

さておいて、人間を前にして指したかったというところで
その棋士が互いに盤をはさんでの迫力だとか
そんなのは味わってみないと
きっとわかることのないそれが、
うすらぼんやりと本で触れることができたようで
なんというか、将棋対戦記録を将棋ではなく
人間目線で見たら、もっともっと面白そうだと
なんか、わくわくさせられた
そういう一冊でありました
ともかく、とても楽しく面白い一冊でありました