CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】小説のタクティクス

2015-07-29 20:20:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
小説のタクティクス  著:佐藤亜紀

久しぶりに佐藤亜紀さんの本を読みたいと
手にとってしまった
小説じゃなかった、題名からそこは判断しろよと
われながら、反省しきりでありますが
これはこれで、きわめて高尚というか
次元が高いと、自分の理解を超えたところにある
何かすごいものを見たような気分になって
楽しかったのであります

小説とは何か、という問いといったらいいのか、
もっと深く、表現というジャンルなのか、それに肉薄しようと
映像や美術が訴えてきたもの、そしてその手法を読み解きつつ
本当に伝えたいもの、表現とはなんなのかと
その真理に近づいて、そこに小説は到達できるのか
そんな具合の考察でありました

実際は小説がそこに肉薄するという話ではなく、
小説が描いているものと、そこで表現される内容というのは
はたして、どういう働きがあって、
どんな作用を世界にもよおしているだろうかと
それを連ねていたのでありました
もう、このあたりからして、意味不明というか
難しすぎて頭がおかしくなる

表現が真実から目を背けるための何かに堕してきたといったらいいか、
そむけるための何か、嘘を描くことで、そちらに人は引き寄せられると
そんな絵空事を束ねるだけの小説では、もうなんというか
表現としては死んだと、そんな論調でありました
小説という表現方法が、その力が衰退し古典といったらいいか
伝統芸能めいたそれに落ちてしまったと
がっかりの気持ちを表明していたわけであります

新しいものは、感動というか、
今までなかった価値観のようなものを提示できる
そんなパワーをもっていてこそだと、
過去の美術、芸術、音楽においてのパイオニアを並べて
その感動というのをどうにか
小説で表現できないものだろうかと
SFを引き合いにだしつつ、難しいと
詰めていたのでありました

非常に面白い、といいたいところでありますが、
難しすぎてわからないという方が、
残念ながら私には正しい感想となっておりまして
なんというかな、もうちょっとちゃんと
あれこれ考えてものも読まないとなぁと
反省させられたのであります