CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】トットひとり

2015-07-23 21:45:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
トットひとり  著:黒柳徹子

有名なのに、ずっと読んだことなかったな
そういう感じで手に取りました
というか、黒柳徹子さんという人が
もうひとつちゃんと理解できていない
変なおばちゃんという印象を子供のときから
書き換えることなく持ち続けていて、
なんというか、苦手な部類の平和主義者と
そんな偏見すら持っていたのですけども

いつだったか、NHKのテレビ俳優の養成出身で
第一号だったという話を聞いて驚き
というか、この人女優さんだったのかと慄き、
さらに、なんといったらいいかな、
ちょっと小ばかにしている風であった
私の浅はかな、思うところの平和理論とは
まったく違う、実地と実践を経てなおのことという
物凄く立派な人だというのに
ようやっと気づいたあたりから、
凄い人なのではないかと、その人となりを知りたいと
うってつけの本だったわけであります

ただ、今回のこれはそれまでのとずいぶんと
おもむきが違うというか、
まさか、こんなもの悲しいといったらいいか
大きな喪失を味わう本だとは
思いもしなかったのでありました

かつて、黒柳さんが同期であり、同志であった
多くの俳優さんたちと過ごした日々、
それを振り返るのが、それらの人を失ったから
そういう引き金で語られるエピソードばかりで
なんといったらいいのだろうか、
寂しいというそれとも、なんか違う、
本人の思いではなく、こちらから見てなんと寂しいんだろうと
想像させられるような、
とても繊細な内容であったように思うのでありました

相当に感動したといってしまってよいのですけども、
なんだろうか、はらはら涙を誘われるのではなくて、
面白く、楽しく、ステキだと思える内容なのに
どうにも、それを語る黒柳さんはどうなのだろうかと
なんか切ないと思えるそれだったのでありました

強く生きた人たちを描いていて、
そして、黒柳さん自体はおそらく、
昔から一本の芯ともいえるそれをずっと変えることなく
そのひとたちと生きてきたんだなと
やはり、感動したというのが
感想として一番しっくりくるとのでした