CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】クローズド・ノート

2016-01-03 21:11:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
クローズド・ノート  作:雫井脩介

思いがけずハートフルな恋愛小説?でありました
顔に似合わず、こういうの好きなんです
なんて言いたくなるような、ほんわかしたストーリーで
終始にやにやしつつ、ちょっと読んで、
だいたいオチは見えてたわけだけども、
それを上回って素晴らしいラストを迎えるわけで、
ああ、いいお話を読んだなと
ほんわか終えたのでありました

今回の読書で確信したというわけではないけども、
ああ、こういうのに弱いな
なんて思わされたのが、男性作家の書くこういう女性像でありました
こんなの居ないと、必死に否定するほどではないけども、
またあざといとはさほどに思わないわけだけども、
こういう、愛らしさというのが、
ひとつ、いいなぁなんて、思わされてしまうのでありました

物語というほどのこともなく、
全体的にキャラクタを楽しむような小説でありまして、
個性豊かというほどでもないけど、
あれこれ、なんとなし風景とともに思い起こせるような
人たちとの何かれが楽しく、こんな学生時代は
さっぱり送った思い出はないけども
いいお話だなと、にやにやしながら読んだのであります

当然のようにというか、メインといっていいのでしょう、
恋愛模様については、まぁ、この
どたばた加減がにやにや楽しい、
ちょっともやもやする三角関係をもとに展開しつつ
まぁ、これはそうだよなという感じと、
露骨な敵役がまた絶妙というか、
ああ、こういうのがまた、居たような気がせんでもないなと
わかりやすいキャラクタに、なんとなし、
はらはらというでもないけど、
独特ともいえぬ角度からの描写とともに
楽しめたのでありました

まぁ、このあたりからしても、
男性作家だからというべきなのか、
わたしの勝手な思い込みだとはわかりつつも、
この描写が、ああ、ヒロインの良さといっていいか、
こういう考え方好きだなぁと
すっかりやられていたわけでありました

こういう、ちょっとすっとこどっこいな感じが、
それでもなお、あれこれ一生懸命で
なんというか、いいなぁと思わされて、
序盤から予感させられていた不安を覆い尽くすように
このギャップがうまいなぁと
感心、そして、ラストに感動をという具合で
泣くような小説は嫌いな性質でありますけども、
これはいいなぁと、しっかり読み終えたのでありましたとさ

教育についても考えさせられるし、
あんなに日記に詳細なことを書くもんだろうかと
いち、日記書きとしては疑問をさしこみつつも
他人の日記なんざ、見たことねぇしなと
納得し、満足したとメモっておくのであります