CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

2020-04-06 21:35:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話  
作:ローレンス・レビー

小説というジャンルだと思うんだが、
自伝的なドキュメンタリというべき作品でありました
ノンフィクションというジャンルでもあるんだろうかね
ともかく、ジョブズが四苦八苦していたピクサーの経営について、
その補佐として重要な役目を担った本人による、
その時のお話でありました
知らない世界の話だったけど、凄い面白かった

この本で書かれるまで、なんかわからんが、
ジョブズが、アニメーションでも成功したという
断片的な話しか知らなかったわけだけども、
実際は、ジョブズがというわけではなかったようで、
でも、やっぱりジョブズのおかげも間違いないというのが
本当といったらいいか、このあたりは
ジョブズという偶像も含めて、扱いが難しいジャンルなんだなと
そういう印象を覚える内容でありました

アニメーションスタジオとして、赤貧というか
酷い有様だったピクサー、なんとかしようと金を出したジョブズが
困り果てていたという状態、そんなところだから、
ピクサーの社員たちと、凄いぎくしゃくしているし、
なかなか殺伐とした職場だったのではないかという序盤から、
起死回生となる、トイストーリーの成功、
そこからのディズニーとの交渉闘争、様々な難題が次々出てきて
それでも、なんとかしてきたという自伝なので
読んでいるだけで、わくわくというか、凄く楽しいのであります
他人の成功体験を読むと、追体験して
自分もえらくなった気分になってしまうから危ないなぁ

ピクサーという会社が、そもそもなんなのか、
CGを使った新しいアニメーション会社というイメージで、
そこをうまくやったのがジョブズかと思っていたけど、
ジョブズのアイデアがどうしたということはほとんどなく、
ピクサーの社員たちが、その技術でなんとかしてきた
そういうお話だったようで、目からウロコでありました
また、そもそもはCGアニメーションのなんらかのシステムというか
ソフトウエアを自前で持っているというのが強い
そういう会社だったようであります

その強みが、さほどの市場ではない部分だということで
ばっさりやって、危険極まりない、アニメーションで勝つというもくろみに張って
見事逆転というか、その勝利を手にしたというお話だったわけで
凄いなぁと、ほとほと感心したわけでありますけども
この作者の人の苦労が、凄く偲ばれて
なんというか、当たり前だけど、順風満帆ではなかったんだな
凄い大きな仕事だなと感動したのでありました

今更ながら、ストックオプションの意味もわかったりして
作者が経済屋のきらいもあるところを含めて
非常に面白い読み物でありました