CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】屈辱の数学史

2022-09-19 21:00:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
屈辱の数学史  著:マット・パーカー

これは邦題がよろしくないと思ってしまった
だいぶ、タイトルから想像する内容と違っていて、
よく見たら、原題が、A comedy of MATHS errorsのようで、
数学の笑い話的な感じで、まさにこの通りといった内容でありました
そういうわけで、興味そそられず読んだら
むしろ自分が好きな感じの本だったと、楽しんだわけである
ただ、そうなると、この邦題で人をつっておいて、実際はこの内容で
数学沼ではないが、何かしらの興味をおこさせようという
計算づくのそれなのか、わからんが、ともかく本の感想を

様々な数学的失敗というか、
人類が軽視しがちな数学的なことというのをいくつか集めて、
結構悲惨というか、危険凄惨なインシデントも含みつつ
割とやりがちな、数字を丸めてしまうとか、単位を間違えてしまうとか、
コンピュータに潜む、あらゆるエラーの数々とか
そういうのを発端にした面白おかしい話なんかを並べていて、
それでいて、数学の何が大切か、どこがどういうものかわかりやすく解説と
素晴らしいことこの上ない本でありました
面白すぎるわ

nullさんという人をDBが扱えないなんてのは、
なるほどなというか、思わずにやっとしてしまう感じだけども、
ごく一般的に使われている著名計算ソフトが、
3分の1という表現実際はできていない話とか
ま、エクセルに関わらず、コンピュータというものがそういう感じにできているというところが
大変面白いと思うところでありました
オーバーフローの話は、どんな話を聞いても面白いなと思うんだが、
ファミコン時代の予期せぬバグとかも、あれ起因らしいなと聞くと
胸躍るというか、楽しい気持ちになってくるのである

あとは、よくある平均値の話で、
これでもかと、平均をとると、そんな人類が存在しないという答えにたどり着くのが
とても楽しくて、ありそうな人というのは、存在しないという
ちょっとした哲学問題みたいになってるのがたまらなく好きだと思った
標準偏差の重要性や、偏りというものの重要さというか、
存在感というのを自然と呼ばれるものに感じるわけである
そういう意味で、真のランダムが難しい話も同様なわけだが、
数学の話といいつつ、大半が、現代コンピュータのそれこれのようでもあって、
あれも数学の集大成みたいなもんなんだなと、改めて理解するのであった
いや、理解ではなく認知というのが正しいようである

そんなわけで、いにしねのインターネッツ時代のよもやま話とかもあったりして、
ネットスケープと内部時計の話とか、懐かしいと感じるものもあり
大変楽しく読み終えたのでありました
あらうゆるものを抽象化して使っているけど、案外、抽象化する必要なく
結構テケトーに動いてんじゃないかとか思ってしまう
これが、数学に与える屈辱というものであり、
その歴史を記しているから、やっぱり、邦題は正しいのか?とか
考えるのであった