CLASS3103 三十三組

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【読書】三国志名臣列伝魏篇

2022-09-26 20:55:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
三国志名臣列伝魏篇  作:宮城谷昌光

久しぶりの宮城谷先生の中国史短編集を読みました
楚漢名臣列伝も読んだけど、三国志の魏にクローズアップとは、
なかなか渋いと楽しみに読んだのであります
扱われていたのは、程昱、張遼、鍾繇、賈逵、曹真、蔣済、鄧艾なんだが、
最近のIMEは、三国志の登場人物を普通に変換できるんだなと
これを書きながら、そっちの方が衝撃的でありますところ
鄧艾とか、こんな単語よく登録したな

一口に魏といっても、曹操、曹丕、曹叡のどこの時点かというのもありつつ、
そのあたりを幅広く支えた渋いラインナップといったところ
程昱、張遼はメジャー線といってもいいけど、
曹真あたり、案外知らなくて渋いなと思った次第
書かれっぷりが、いかにも宮城谷先生が好きそうな感じで、
将というか、人物というものは、徳があってこそという根幹があって、
ここにあげられた全員が、そういう人物として描かれているのが興味深かった
正直、賈逵なんてほとんど知らなかったんだが、こういう渋い文官がいっぱいいたのが
魏のすごいところだなと、改めて思い知ったのであります
このタイプは、満寵とかが近いと思ってたんだが、あれはあれで将軍の資質が強すぎて、
いかにも文官というか、太守という仕事をまっとうする人物というのが
政治家として、自治体の主として、むしろ近しい尊敬できる人とでもいうような
いい感じの描かれたたで、大変よかったと思うのである
小学校で、各地のえらい人として習うそれみたいな、マイナーメジャーな感じがとてもよかった

とはいえ、さすが三国時代の男たちということで、
その列伝の内容、ここぞというところでの気合というか、腹の座った対応やら
己の正義を貫くところと、悲劇めいた内容なんていうのが、
共通して、いい感じで訪れるというか、
実際本当にこんな感じだったんだろうかと、わからんけども、
そうであってほしいという武将像みたいなのが読めて
大変満足だったのでした

曹真のところで出てきた、曹洪が金持ちなのに吝嗇という話が
妙に納得というか、こういう曹洪像というのが、なんか新鮮でよかった
また、この親戚のおじさんという感じで話をするという関係性もよくて、
もう大きな王朝、なんだったら、王族といっても過言でない曹家の会話なのに
世間話っぽいようにも思えるところがすごくいいなと
しみじみ読んだのである
魏伝も面白かったけど、曹一族あれこれ集めてもらったら、さらに楽しいんじゃないかと
思ったりしたのである
三国志のキャラ立ちを読むだけで楽しいという、マニア向けの楽しみ方もできてよかった
マニアというほどでもないんだが