森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

思い立ったらお出掛け【箱根・彫刻の森美術館その3】

2012-02-11 01:15:57 | お出掛け日記

 「思い立ったらお出掛け【箱根・彫刻の森美術館その2】」の続きです。

今回、一番印象的で気に入ったのは上の画像の「ミス・ブラック・パワー」です。
パッと見た感じ、彼女は二人分という印象があります。大地にしっかりと足を下ろし逞しさを感じます。説明を読むと、妊娠した友人がどんどん逞しくなっていったことにヒントを得たと書いてありました。「二人分」と感じた印象は、まさにそのままだったのですね。そして彼女はお洒落です。しかもバッグも持っています。さりげなくたっているだけのこの作品に、何かエールを送られているような気持ちになってしまいました。

 

それから、今では「彫刻の森美術館」と言ったら「ピカソ館」のことを省いてはいけないと思います。ピカソは抽象画ではない絵は綺麗な絵なんですよね。昔見たときにそう思いました。それと彼はかなりハンサムな人だったとも思ったんじゃなかったかな。彼の作品でも好きなものがありますが、抽象画はやはり絵画鑑賞のハードルをあげる部分もあるかと思います。

よく言われるのは、「幼稚園児のような絵」。
それを言う人は、ほとんどが絵画鑑賞放棄で絵を見ること自体に自らハードルを設けている人だと思います。
その言葉を言ってしまった事で、既に自分が恥を書いていることにすら気がついていないのです。

ピカソの作品は青の時代と言われている中に、好きなものが多いように思います。

「ピカソ館」ではそう言う作品の展示ではなく、陶器なども多数展示されています。牧神の顔がテーマだったと思いますが、そこで思わず思ってしまった事は、「ピカソだからって、なんでもハハァってひれ伏すと思っちゃいけないよね。誰でも彼の名前でありがたがるなんて思って欲しくないな。」と言う傲慢な感想。←既に恥をかいている人。

しかし、普通のおじさんが自分が楽しんで作ってるようにしか感じないその陶器の連作は、記憶の回路に居座って後からジワジワ来る作品であったことを、その日の夜辺りから思い知らされました。

彼の作品を理解するのは難しい。でもやっぱりピカソはピカソなんだと思いました。

 

だけど、このピカソ館、別の作品でも見ごたえがありました。

一緒に行った人が「怖い!」と言った作品。
「フランコの夢と嘘」

この作品から「ゲルニカ」に繋がっていくのですよね。

コレだけでも見ることが出来て、得した気分です。だけど魅入ったかと言うと、感情移入度が高いので、なんとなくチラ見だったような気がしました。だって夢に出てきてしまいそうです。

コレの絵葉書が欲しかったのですが、ありませんでした。なので夢に出てきそうなその絵が、どんな絵か知りたい方は「フランコの夢と嘘」で検索してみてください。どんな絵か知ることは出来ますよ。

この版画を見たときに、私は不思議な既視感を感じたのです。

「あれっ、コレって・・・・」

手元にあるわけではないので確認も出来ませんが、この絵をかつて手塚漫画で見たような気がするのです。

例えば「三つ目がとおる」の中で、遠い昔に三つ目族が滅んだ様子を描いた時にとか。

 

三つ目がとおる(1) (手塚治虫文庫全集 BT 35)
手塚 治虫
講談社

蛇足ですが、この「三つ目がとおる」と言う作品は、凄く面白くて、又いろいろなことで影響を受けた漫画でした。学生時代に奈良を訪れた時には、ほとんどこの世界観にたって飛鳥の遺跡郡を歩いたのでした。

漫画家が、この場合は漫画の世界の神様の手塚氏ですが、彼が膨大な本や資料を読んで消化し、作品の中に生み出したものに私たちは出会うわけですが、その元になっているものに再会した時、無上の喜びみたいなものを感じるのは、たぶん私だけではないと思うのです。

知らない作品だったのに、既に知っていたと言う、その「フランコの夢と嘘」は非常に印象的でした。

他には「猫のいる生物」などが、猫好きゆえに気になったところです。その作品は美術館のHPに載っています。→ココです。

 

この「彫刻の森美術館」は見所がたくさんありました。

だけど、本当に二月の雪が残っている時に行くのは、余程の物好きだと思います。
「馬鹿」と書きそうになりましたが、他にも人はそこそこ訪れていたので、他の人を巻き込んではいけませんね。という訳で、物好きな人と言うわけですが、本当に寒かったです。外での展示は、かなり見逃していたと思います。

それでもヘンリー・ムーアの作品とか室内でもマンズールームとかは押さえたと思います。

 ヘンリー・ムーアで気に入ったもの。

 

 マンズールーム前。なんだかこの少女は美しかったです。

 

他には、今は3月11日まで山本基展というのをやっていまして、7tの塩を使っての三箇所の作品は見応えがあり素晴らしかったです。

 

最後に、やはり人は煌くものが好きなんだと思います。「幸せをよぶシンフォニー彫刻」。その筒状の建物の写真は撮るのを忘れてしまいましたが、・・・いえ、
あまり面白くなかったのでわざと撮らなかったような気もしますが、中はこんな感じでした。

 

中央には、螺旋階段があって上れば展望台になっているのです。

だけど高所恐怖症&螺旋階段アウトな私はパスです。

前に来たときに、足が攣ったのです。怖さのあまり・・・情けない。

 

物好きにも二月に出かけ、寒さのあまり見逃したものも多くても、雪の中の彫刻を見るなどと言うのは稀なる経験だったと思います。楽しかったです。

という訳で、次は宿泊地の「湯河原の夜と朝」。


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