森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

花燃ゆ29回「女たちの園」

2015-07-20 14:47:55 | ドラマ (大河)

たまには「花燃ゆ」の感想を書きます。

 

世間での評判が少々悪くても、かなり応援してきたこのドラマだったのですが、ここに来て私もちょっとだけ不満に思った事がありました。

何がって言うと「大奥編」が始まった時に、番宣で敢えて「新」と言う文字を入れた事です。

だってこのドラマ、もともと文さんが主役って分かってることなのに、彼女が長州藩の奥に勤める事になったら、「新」がついちゃったって変じゃないですか。

 

貫き通すことは大事な事だと思うのに、なんかこの辺で心機一転巻き返しと言う感がしなくもありません。

ちょっと前だけれど、井上真央さんが朝のトーク番組に出演した時に、北大路欣也さんのメッセージが完全なる座長である彼女への労り&応援だったのです。こう書くとなんだか普通ですが、つまり「今が悪くても頑張るんだよ」的な内容で、なんとなく視聴率の悪い事を言っているんだなと感じました。

いつもは、「視聴率=上質なドラマ」ではないと言っている私ですが、やはり大河で一桁と言うのは少しまずいような気もするのです。なぜならNHKはみんなの視聴料で成り立っているので、一ドラマに投入する金額が大きいのですね。それ故に他のチャンネルのドラマでは出来ない一年がかりのドラマを作る事も可能なわけですが、一桁だとかけたお金には見合わないと言うジレンマが生じるのです。

でもそれは座長女優のせいではないのはずです。それでもかなり気の重い事だとは思います。

 

いろいろ思うことはあります。

夫殿が言った、
「松陰亡き後、このドラマに本当の苦境が訪れる。」の言葉通りになってしまいました。

私はそれを東出久坂と高良高杉が引っ張るのかと期待していましたが、ここに無理があったんじゃないかと思っています。

 

もともと久坂と言う人物は感情移入がしづらい人で、今までの時代劇では、「ちょっと過激な維新の人」的な脇を固めるポジションの人だったと思うんですね。それをど真ん中に持ってきても、もっと彼にエピソードを作ってあげないとと思っていたまま終わってしまいました。

みんなが「久坂さん、凄い」「久坂さん、命」と言われても、なかなか催眠術にかかる事が出来ませんでした。そう言うエピソードがないんだもん。

ここがダメなんで、その妻の文さんにこれまた感情移入できないんです。

そして今回も文…じゃなくて美和さんでしたね。

その美和さんは、これまた変な分かりづらい事を言うのですよ。

奥を止めるわけにはいかない理由として、

「いつか殿様の前に言って、聞いてみたいのです。」

いや、そうじゃないでしょう。

きれいごとを言わないで、ちゃんと言いましょうよ。夫の名誉回復、久坂家の再興の為に私はここにいると。

 

椋梨に
「己の無力を知れ。」と足蹴にされたんで、ここにいると言ってやりましょうよ。

 

「おのれ~、椋梨。今は蟻のように無力でも、今に見ていろ~。私は決して負けないわ。」とこぶしを天に突き上げさせましょうよ。

そのぐらい分かりやすい演出にしてくださると、良いと思いますよ、私。

夫には夫の戦い、妻には妻の戦いがあった。

そう言う物語なんだなと思うのですが、

すぐ綺麗ごとを言っちゃうからさ、分かり辛くなっちゃうんだよね。

と、思っています。

井上さんはど根性ガエル…じゃなかったど根性物語がすこぶる似合う人なんだから、この奥の物語はけっこう見せ場になっていくと思っています〈演出にもよるけれど〉

 

今回の奥のリストラ話で、夫殿がこんなのは下っ端の美和がやることじゃなくて、総取締が
「あんたとあんたとあんたね。」って言えば簡単な事じゃんと言いました。

「いやいや、だから、こんなことが本当にあったと言うかは分からない事で、ここの部分はお話を面白くしようとしている創作部分だと思うよ。」と私。

「そうなのか。そんなことないだろう。移動に伴ってこんなことがあったと文献か何かに残されているんじゃないのか。」と夫。

 

そこ、難しい所です。

このシナリオだったらそれは無いとは良い難い。

前にたった一行の文献で、相当膨らんだシナリオが書かれていたのは、このドラマだったか以前の大河だったか記憶はないのですが、そう言うこともあるんですよね。

検索しても分からなかったので、知っている方がいられたら教えて頂きたいところですが、やっぱり創作じゃないかと思ったのは、

そのリストラの本当の意味が最後に分かった時。

 

お世継ぎ製造機って言ったら気持ち悪さが増してしまうんだけれど、まさにそんな感じで、彼女たちは同じような化粧をして同じ顔に作ってありました。こういう細かい演出は凄いと思います。

女には女たちの戦い―。

ああ、空しい。

この先の未来を知っている者には〈視聴者〉、この奥方様の努力も、調子こいてる椋梨の行動もみんな空しい。

時代を読み間違えてはいるのです。

 

そして悲しい。

ずっと松下村塾の塾生たちに理解のあった周布様も切腹してしまいました。

 

それでも今回ちょっと得した気分になったのは、白石加代子さんの国島のシーン。

「これらのお道具は・・・」

なんか舞台にいる白石さんみたい♡

思わず「ムサシ」を思い出してしまいました。

 

そして場面が変わって

「私、この子の為なら何でもする。」と鈴木杏ちゃんが。

ああ、ここにも「ムサシ」メンバーが♡

 

あと、最近ちょっとだけ不満に思った事…。不満で終わる感想もどうかと思うのですが・・・・。

前回、高杉に

「秘策があるのじゃ。」って言わせて、その秘策シーンがなかったじゃない。

外国の文献に、その時の高杉はまるで魔王のようにと書いてあるのに、全くそんなシーンでもなかったし・・・・。

この高杉の交渉エピソードはかなり有名で、そこを切っちゃいけないと思います。数秒で良いのよね、数秒。

入れて欲しかったわ。

 

思うんだけれど!!!

この作り手さんたちは歴史好きってわけじゃないのかも。

でも大河の視聴者って歴史好きさんが多いのよ~。

そりゃ、危機も招くわ~。


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