3月20日に原作漫画のファンでもあるルート君と一緒に観てきました。
「まただ。またあの現象が・・」と言うリバイバル現象。
本音を言うと、もっとその現象を、中心のオハナシに絡まないで見せてもらいたかったです。
言うなれば藤沼悟のささやかな活躍をもっと見たかったと言う事なのですが、時間が決まっている映画ではそれは叶わない事なんですね。
この「時間が決まっている映画」という点で、もう一か所、たぶんそこは厳しい人たちには突っ込まれるなと言う部分があり、それについては私も後で書こうと思いますが、全体的には丁寧に作られていてミステリー部分も見応えがありました。何よりも物語の内容に胸を打つものがあり、今年最初の映画館鑑賞がこれで良かったなと思えるものでした。
映像で見せるミステリーは、犯人さんはすぐに分かることになっているのですが(フェイクないし)、これは分かっても別に遜色がないですよ。それはキャストに魅力があるからなんですね。
キャストの魅力と言ったら、とっても大事な過去の世界の子役たち、本当に素晴らしかったです。
このコンビ、「わたしを離さないで」の子役の鈴木梨央ちゃんと中川翼君。
この二人が並んでいるだけで、私、条件反射でウルウルしてしまいます。いやいや、条件反射でと言うのはまったく失礼な話で、本当に演技で泣かされました。
上手で素晴らしい演技をする子役さんは、今たくさんいるんだけれど、この役って今は梨央ちゃんしか出来ないような気がしてしまいました。ちょっと「白夜行」の時代の福田麻由子さんを思い出してしまいました。
正義の味方の藤原竜也さん、かっこ良かったです。
皆さんも劇場で観てね。
と言うわけで、以下はネタバレ感想です。
「映画だから、想像力で補う~パワー~発動!!」と言うポイントが、一か所だけ、この映画にはありますよね。
それは子供の悟が橋から落とされてしまう所。
確かに犯人さんは言いました。
「僕はこの街を去るよ。君はこの街を救ったんだ。」とね。
だから過去での経験と想いが生きて、彼の漫画には命が吹き込まれ漫画家としても成功している現在に戻って来たのかも。
でもあの後少年の悟はどうしたのか。死んでしまうような橋の高さだと思うし、もしも助かったならば犯人の事を言わなかったのか。もう一個「もしも」だけど、死ぬ前に違う時代に戻って来てしまって助かるとしたら、もう一回公園の所に戻れよって思ったりもして。
思わず想像力よりも原作を読んでいるルート君に、解説を求めちゃいましたよ。
どうも彼はこの後も大変な人生を歩むらしいですね。だから原作漫画をゆっくり読む予定です。
はっ !!!
今気が付きました。
これはそう言う作戦なんですよ、きっと。
思わず原作も読もうってなる作戦。
だから前半が、あんなに丁寧に作られているのに、いきなり雑な雰囲気になっちゃったのは・・・・
罠に嵌ったな、私。
ところで犯人さん・・・・ネタバレ感想って言ってるんだから、言ったって良いか。
及川さんの雰囲気、凄く良かったです。
まだ見ていないのですが、何で「火曜サプライズ」の同じ回にゲストで出たのか分かりました。
分かる人にしか分からない事で申し訳ないのですが、なんか彼は「ジョジョの奇妙な冒険」の吉良の雰囲気があるなと思いました。前に「ジョジョ」の実写なんて噂があったけれど、もしもそんな笑っちゃうような企画が通ったら(あっ、ごめんなさい。何気に暴言)、吉良は及川さんが良いんじゃないかとちょっと思ってしまいました。
私はこの物語は、ハッピーエンドになってもらいたかったと言うのが本音です。でもタイトルが「僕だけがいない」なんですよね。
だからなんかもう、最初からそこは見えていたと言うか・・・・そこは悲しいですよね。
でも状況が変わってしまった現在で、悟と会ったことの無い人になっている愛梨が、最後に彼の漫画を読んで勇気づけられている姿に、ホッとし救われるような気がしました。
少女時代の加代の作文で
「私は遠い世界に居て、私だけがいない街の事を思うとホッとするのです。」みたいなのがあったでしょ。
いつもながらまったく正確じゃない言葉なのですが、この「自分だけがいない世界」を思うことってないですか。
自分だけがいない世界で、自分の愛する人たちや知らない人たちが笑いながら普通の生活をしているー。
そんな時、あなたは何を思ったりするのでしょうか。
私はなぜだかやっぱりホッとするのです。