森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

AND ゾウサン

2017-03-09 19:02:28 | インド旅行記

 アグラ城に滞在していた時から、ちょっとだけ現地ガイドさんが時々険しい顔をしていました。たぶん、アグラ城の後のスケジュールの事を考えていたのかも知れません。ホテルに戻ってみんなに夕食を食べさせた後、夜の「タージマハル」に連れて行かなければならないし、それだって結構テキパキしなくてはならないのに、彼にはもう一つ「大理石のお店」にみんなを連れて行くと言う(そして小銭を稼ぐ)ミッションがあったのでした。

 

タージ・マハルは大理石で出来た素晴らしい霊廟です。この地で大理石の工芸品とその技術が栄えるのは当然だと言えるでしょう。

大理石加工の詳しい説明なども受けましたが・・・・・・・

なーんか忘れてしまいました。とにかく大変で、高い技術力と時間がかかる事は分かりました。

と言うわけで、お値段はすこぶるお高いのです。でも美しいですよね。惚れ惚れとしました。

それでしみじみと見ていると、店員さんがしつこく付きまとうと言う流れになっているのです。

だけど、「私はpoor Woman だ。」と言うと、それからは相手にもされず・・・・ まあ、はっきり言ってそれはその方がありがたかったのです。

 

 

ところでこのお店では、愛子さんが親戚の方の新築祝いかそれとも日頃お世話になっているかのお礼とかでかで、素敵な花瓶を買い求めました。

インドではちゃんとしたお店でも定価で買う事はありません。

値切り交渉がものを言うのです。上の花瓶は買い求めたモノと同じと言うわけではありませんが、似た雰囲気のもので、8万以上はしたと思います。画像だと結構な大きさのようにも見えますが、高さは13センチくらい。小ぶりの花瓶でそのお値段です。

もう少し小さめの花瓶でしたが、値段交渉。(私以外の人が。)

私はあまり値段交渉って得意ではないのです。やる気が起きればやるんだけれど、ちっともそのやる気が起きなくて・…まあ自分のではなかったからかもしれませんが、その値段交渉を傍観していました。

 

店員の人は、なんというかなかなかのイケメン。

値段はあまり下げないんだけれど、象の置物をおまけに付けると言うのです。

電卓を持って、このお値段と見せてから、必ず言うのです。しかも真顔で。

「and、ゾウサン !」と。

 

このお店を出るまでに何回聞いたことか。

「and、ゾウサン。」

「andぞうさん。」「あんどぞーさん。」

 

日にちが経ってくると、早くも記憶があいまいになってきたこともありますが、不思議な事にこのイケメン店員の顔は、この「and、ぞうさん」の言葉と共になぜか忘れられないのです。

 

今でも街を歩いていて、まったく関係のない象の置物などがあると、ただそれだけで私は二人の友達と顔を見合わせ共に笑ってしまいます。この「and、ゾウサン」が耳に残ってしまったのは私だけではなかったのでした。

 

インドのイケメーン!

元気でいるかや ?

 

 

 

コメント (2)
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「恋妻家宮本」を観てきました。

2017-03-09 02:25:40 | 映画

3月7日、友人に誘われて見てきました。

「女王の教室」や「家政婦のミタ」の脚本を書いた遊川和彦氏の脚本&初監督作品です。

原作は重松清氏の「ファミレス」。

原作があっても一癖も二癖もある作品なのかと思ったら、意外と普通で笑いあり涙ありと楽しいひと時を持つ事が出来ました。

 

それにこの映画、拓郎好きには反則技が使われています。

特にEDでは、思わず立ち上がって映画のスクリーンに手を振りたい衝動に駆られました。でもまさかやりませんよ。そんな事をしたら、自分の培ってきた今までの私のアイデンティティーのようなものが崩れ去るようなものじゃないですか。

そう。分別のあるワタクシは秒よりも早い時間でそう判断して、本当はやりたい事を我慢したのです。

 

だけどその選択はあっていたのかー。

考えてみれば、もう一日一回しか上映されていないと言うのに観客は私たちだけだったのですから。

友達がこの映画が見たいと言ったから、私ともう一人の友人とで見に来たわけで、私たち3人がいなかったらこのお部屋は誰もいない・・・・・。

 

あっ、ちょっと思い出しちゃったから横道にそれちゃうけれど、上映時間に観客が0だった場合、映画ってフィルムを回すのかしら?

誰もいないのに映画だけ流されるのかしら・・・・?

それって凄く怖いし悲しいけれど、途中で入って来る人も居るかも知れないから、回してるんじゃないかと私は思ったのだけれど、実際のところどうなんだろう・・・・?

 

で、話しを元に戻しますね。

右も左も友人なのだから、

「私、変かも知れないけれど、やりたいことやっちゃうからね。」って言えば、友人たちは面白いことするなと思って笑っても、それで終わりだったような気がするのです。

 

生きて行く毎日は、そんな風にささやかな詰まらない選択も含めて、それを強いられる道を歩く事で成り立っているんですよね。

今来たこの道は、後戻りのできない道。選択しながら前へと進まざるを得ない。あの選択はあっていたのか、また別の道があったのではないかと思い悩んでも意味のない事・・・・・・・・なんだけれどこの主人公の男はかなりぐずぐずと…だからだからこそ滑稽で面白いんですよね。

 

エピソードの言葉も素敵です。でも、遊川さんは初監督なんですよね。面白かったけれど、実は思う事もあったんです。それはほんのちょっとだけネタバレしているので、次の画像の下から。

 

正しい事より優しい事に拘ろう。まさに・・・・。

 

そして私は今これを書きながら、悟りました。この映画、本当に笑えるし、心が暖かくなるような良い映画なんですよ。

でも見た後にいろいろと考えてはダメなんじゃないかと思うんです。見ていた2時間の中で楽しんで感じれば良いのではないかと思いました。

 

なんとなくこの作品からはボタンの掛け間違えのような、そんな感じがしてしまったのです。

それは反則技として持ってきた吉田拓郎の歌を選んだ事に説得力を持たせようとしての、セリフにあったかもしれません。

私、朝から電卓を持って計算してしまいました。いったいこの二人が学生時代に行った野外コンサートってどこの?

この夫婦は50歳。

「コミケに行ったハシリだよね。」の方が本当はぴったりくる年代なんですよね。

子供が独立して夫婦二人になった時二人は…というテーマなんだけれど、もちろんターゲットは中年なんだと思うのですが、監督は更なる裏ターゲットがいて、それは1955年生まれの彼と同じ世代の人たちなんじゃないかなと思ってしまったのです。その方がぴったりと来るのですよね、このお話。

 

それから私、細かい事が気になるのが悪い癖…って右京さんじゃないけれどね。

なんで中年を描く時って、絵づらが古臭くなるのでしょう。

玉暖簾って言うのかしら、あれ。

ずっと昔に、ずっと昔って小学生の頃、うちにもあったし、結婚した頃は姑の家にもあって、それを捨てる時に

「今どき、こんなのを掛けているうちはないわ。恥ずかしいわ。」と言っていたのが、彼らの家にはあったような気がします。

まあ、そんな事はどうでも良い事ですね ^^

 

でも次の事は私的には、あまりどうでも良くないです。

子供が独立し、夫も料理などを習い充実した日々を送っているように見えて、自分だけが取り残されたような気がしてしまっている妻。必要とされてなくて捨てられるかもしれない、そうなった時の気持ちの保険として離婚届を書くと言うのもあまり理解できない事なのですが、自分を取り戻す手段として、必要とされる自分を感じると言うエピソードに(まとめ方が雑でスミマセン)福島のボランティアのことは、使わないで欲しかったです。そう言うシーンも何もないわけですし、もっと地域に根を張るようなエピソードを見せて、空の巣症候群に陥っている女性たちにエールを送ってくれたら、更に良かったのにと感じました。

 

あっ、そうそう。

この原作のタイトルの「ファミレス」って、ファミリーレスって言う意味も持っているらしいですね。

 

ファミレス (上) (角川文庫)
重松 清
KADOKAWA/角川書店

・・・・

ファミレス (下) (角川文庫)
重松 清
KADOKAWA/角川書店

 

 

コメント (6)
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