おととい、柏の葉のTサイトに行ったら、「リバース」の本が山積みされていました。表紙が上のやつです。思わず買うでしょう。
この表紙では期間限定ですものね。
家に帰ってからちゃんと手に取ってみたら、二重カバーになっていました。
ちょっと得した気分です♪
リバース (講談社文庫) | |
湊 かなえ | |
講談社 |
湊かなえ原作の「告白」があまりにも衝撃的だったので、あの時映画の後から原作を読みました。かなり心理的な部分で補完が出来たような気がしていた私は、今回もドラマを見終わってから原作を読もうと決めていたのでした。
ドラマが始まる前に、原作+一回分だと聞いていました。
何をまるまる一回やるんだろうと、思っていました。そう言う時の一回分とは、だいたい蛇足に終わることも多いからどうなるんだとか不安にも思いました。
だけど最終回のひとつ前つまり先週、広沢が蕎麦アレルギーだったことが分かり、さらにあの高原はちみつが蕎麦の花から取ったものだと分かったところで終わった時に、
「あああああ、床がキンキンに冷えて・・・」
いや、そうじゃなくて、(^_^;)
「ああ、そうだったのか!!」と、かなりの衝撃を受けました。
原作はここで終わりって事ですよね。
さすがに湊かなえです。
後味の悪さで言ったら天下一品ですよね。
そして私は思ったのです。
このドラマには、後一回あって、本当に良かった~ってね。
この最終回の物語が原作に書かれていたものだったら、この作品の完成度が80%くらい削がれてしまったと思います。衝撃的な最後で終わっても、「そうだったのか!」と思わず立ち上がり、本をパンと閉じて落とした珈琲の最後の一敵を味わうが如く、その苦みを余韻としていつまでも心の中で味わえば良いのだと思います。
だけどドラマには本当に必要な一回分でした。
なぜなら深瀬は本当に良いやつだったんです。
ちょっと傲慢に見えたり自分勝手に見えたりしていた学生時代の仲間たちも、皆それぞれの人生を背負いながら一生懸命に生きる良いやつだったんです。
スペシャルな二時間ドラマか何かでやったとしたら、原作通りの方が良かったのかもしれません。でも連続ドラマで毎週深瀬たちを見守って来たせいで感情移入度も高くなってしまいました。
真実を知りたいと言う要求よりも、彼らの再生と成長の物語を見届けたい要求の方が、最後は勝っていたのです。
だけど最終回一歩前の回で真実が分かった時に、これはもしかしたら推理ドラマの好きな方々には、結構分かっていたのかなと思いました。
ちょっとここで我が家の会話リバース。
実は毎回言っていました。
「最後は深瀬が犯人だったと言う結論に落ちて行くんじゃないかな。」と私が言うと、
夫は
「どうしてこの流れでそうなるんだ。」と反論。無理もありません。
それは藤原竜也が深瀬だから・・・^^;
なんじゃ、それはと言う根拠。
もう一つ。
みんなが語りたがらない、つまり隠したかった何かを抱えていたのに、深瀬だけがそれがなかったのです。物語的にはそれはあまりにも不自然で、大どんでん返しを作者が目論んでいたら(もちろん目論んでいるのは明白)、そこにしかないからです。
だけど本当は、深瀬が美穂子に広沢の事故の事を語った時に、すべてを私たちに見せていたのでしたね。
深瀬が珈琲を入れて広沢に渡すシーンで、我が家では
「このシーンには他に意味があるのだと思う。」とまでは出ていたのです。でも深瀬の優しさにばかり目が行って、どんな意味があるのか分からなかったのです。
だけど昼食の時の広沢の単独行動を考えてみたら、気が付いていたかもしれません。でもその時も広沢は自分を持っている人ゆえの行動に見えてしまったんですね。
ー 私としたことが。
って、別に私は杉下右京ではないので、本音を言うと、まったく分からなくて最後までドキドキできて幸せでした。
いろいろな場面や出来事で上手く攪乱してくれたので、毎回「どうなってるんだ。」と次回を楽しみにすることが出来ました。
まあ、美穂ちゃんがわざと近づいて来た人で、広沢の彼女だったのではないかぐらいは分かっていましたが^^
オリジナルストーリーになった最終回の評価は人によっては分かれるところかもしれませんが、私はホッとしましたし良かったナと感じました。
みんなで真実を広沢の両親に告げに行くシーンは、深瀬と同じように、何が正解かは分からない事だと思いました。
正直すぎる彼らのあの言い方では、寄ってたかって息子を殺されたような気にもなると言うものです。
「あんたらはのうのうと生きて。」と広沢の母が言い捨てた気持が分かります。
― 代わりにあんたらが死ねばよかったのに。
母も同じく、心の中に押し込んでいた言葉を言ったのかもしれません。
辛いシーンではありました。
でもそれをフォローしたのは、お父さんであり小笠原と言う大人たちでした。
いつもながらセリフは不正確ですが
「許さなくていいんです。罪と向き合う者たちには罰が必要なんです。」と言うような言葉が胸に響きました。
「みかんを送り続けたのは、お礼と言う意味じゃなかった。忘れて欲しくなかったからだ。」と母は言いました。
みんなはその痛みをずっと忘れないと思います。広沢との良い想い出も含めてずっと。
そして小笠原と言う人が(彼にとってもですが)、深瀬にとって大事な人になっていったのも良かったと思いました。そして少年時代から影の薄かった深瀬青年に仲間が出来たと感じさせた、あのメールのシーンは凄く良かったですね。
もちろん最後の深瀬と美穂子の
「一緒に珈琲を飲みませんか。」のシーンもね。
最後に蛇足的な事を二つだけ言わせてください。(足なので一つではなく二つ・^^)
深瀬の服が、いつも可愛かったですね。
ちょっと冴えない感じの人と言う設定なのでしょうか。だからカッコいい服ではダメなんですよね。たぶんちょっと冴えないボーダー柄なのかも知れません。でもいつも可愛いなと思って見ていました。しかも何枚持っているのかなと思うぐらい、毎回違うような気がしました。お洒落だなあ、深瀬って見ていましたよ。スタイリストさん、頑張りましたよね。
もう一つは、・・・・
申し訳ないかも。ドラマに関係がなかったです。
私も以前から珈琲にはちみつ入れて飲んでいます。
だけど一番はちみつに合う珈琲ってインスタントコーヒーのような気がするんですよねって言う話を深瀬にしたいなって・・・・
きっと彼は「えっ !」って言った後で「・・・・・」沈黙しちゃうかもって・・・・・もうどうでも良い話になって来たんで終わりです。
だけど来週はないのですよ・・・・!
寂しい限りですね。