森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

恐怖を増幅させるもの

2017-06-14 00:26:53 | オカルト倶楽部

 11日の夜遅くに家の近くで事故があったと言う事を、日付が変わって12日の深夜にブログに書いたのですが、その日のの夜、仕事帰りに寂しい夜道を歩いていたら、唐突にその時聴いた音が脳内で蘇りました。

音が家の中に飛び込んでくると言った表現が相応しい、そんな大きな音だったのです。

— キィー !!! ドーン!!!

と言ったような音。

 

怖いなあ・・・・、その音。

と、私は思いました。

記憶の中に刻まれるような音だったのです。

 

誰ともすれ違わないかのような暗い道が、私の想像力をかきたてます。

毎日毎日、同じ時間に事故の音が聞こえてくる家に住む・・・・・・ギャー怖いなあ。ホラーだなあ。

 

恐怖を増幅させるものは、その人の持つ「想像力」だと私は思っています。

当たり前のように何も考えずに開けるドア。でもその向こうに白い服の髪の長い人が立っていたらと想像すると、普段通りには開けられず、そっと恐る恐る開けるか、またはバーンと勢いを付けて開けてみたくもなると言うものです。

 

だけどその時、私は思ったのでした。

それだけじゃないなあって。

「経験」と言うのも、まさにそれの一因かもしれないと。

経験が乏しければ、また想像力にも限界があると言うものもあるのですよね。

 

「毎日毎日、同じ時間に事故の音が聞こえてくる家」

あれ、この話、どっかで聞いたことなかったっけ。

 

そうだった。

子供の時、私の大好きなおじさん、彼は母の弟なのですが、その彼は良く「学校の怪談」の話をしてくれたのです。

学校の階段の踊り場には鏡がかかっているでしょう。今はどうかは分からない事ですが、昔の木造の学校にはよくある事だったのです。

その鏡のお話「映らずの鏡」とか、貞子のお話並にノイローゼになりそうになった「学校のトイレ」の話など。でもこんな風にタイトルと恐怖ポイントは覚えていても、詳しいお話は流石に覚えていないみたいです。

でもそれで良いです。だって覚えていたら本当に怖いんです。それらのお話。

だけどそれらの話の中で、私的にはそんなに怖くなかったのは「よいとまけの校庭」のお話でした。

 

 

「よいとまけ」って美輪明宏さんが紅白で歌ったので、どんなものかはご存知の方も多いと思います。私自信は映画やドラマの中でしか、それは見た事がありません。みんなで綱を引っ張って、大きな木を使って地ならしみたいなことをするんですよね。で、その時の掛け声が

「とーちゃんの為ならえーんやこら、かあちゃんの為ならえーんやこら」って言うのですよね。

ある時、そのよいとまけの工事に親思いの子供が病気の母の代わりに参加していたのです。ところが綱が切れてしまってはずみで転がって大きな丸太の下に入ってしまった所に、ドーンと木が落ちて来てしまったのです。

母の後悔と嘆きは収まらず、その母も後を追うようにその校庭にやって来て自ら命を断ってしまったのでした。

(あまり詳しく覚えてないので作っちゃってるかも・・・^^; )

だけどその校庭からは、真夜中のある時間になると

「とーちゃんの為なら・・・・」と聞こえ出し、そして悲鳴とその後のドーンと言う音が聞こえるようになったと言うものでした。(このシーンは人に話す時には、演出と演技力の見せ所と言うシーンなのですが、書いている時間帯が悪いので、怖いのであっさりと書きました。)

 

あの話・・・けっこう怖かったんだな。

今頃それが分かったりしたのです。何十年経っている事やら。

先日の事故の音の経験が、私にその恐怖を増幅させたと言っても良いでしょう。

 

そしてその話は、聞いた人の中で誰が一番怖く感じたかと言えば当直の先生たちだったのでしょうね。

 

昔は学校には常駐の用務員のおじさんと当直で泊りになる先生がいたのです。

ちょっとそれで思い出したのですが、小学校の5年か6年の頃、担任の先生が当直明けの日に私に言ったんです。

「花子さんちの赤ちゃんは昨夜激しく泣いていたんですか。」

驚いて、私は

「いいえ、まったく。」と答え不思議そうな顔をすると、

「昨晩は、どこかの赤ちゃんが一晩中激しく泣いていて、まったく眠ることが出来なかったんです。それで花子さんの家の赤ちゃんが泣いていたのかと思ったんです。」と、先生は言いました。

と言うのも、私の家は学校のすぐ裏手にあり、もしも妹がカンの強い子でギャーギャーと夜泣きををする子だったら、確かに学校には聞こえたと思います。

あっ、そうそう。

私と一番下の妹は10歳離れていて、私が11歳なら妹は1歳の赤ん坊と言う事になるのです。ただその赤ん坊は、大家族が幸いしていたのか、いつも人の息遣いの中で安心して眠っていたので、真夜中に泣くような赤ちゃんではなかったのでした。

更に先生は私に聞きました。

「この近くに他にも赤ちゃんは居るんですか。」

「私は知りません。」と答えましたが、なんだか嫌な気持ちになりました。だってこの先生は絶対に我が家の事を疑っていたんですよね。

 

家に帰って、母に夜泣きの事や近所の赤ちゃんの事などを聞きました。

やはり私が言ったとおりに、妹はまったく泣いていなかったのです。更に学校の周りにある家で、赤ちゃんがいるのは我が家だけだったんです。

 

怖いなあって、やっぱりその時に思いました。だから何十年経ってもその話を覚えているのです。

一体先生は何処の赤ちゃんの泣き声を一晩中聞いていたのでしょうね。

 

※         ※         ※

 

誰ともすれ違うような事もない暗い道。

とぼとぼと帰るその道すがら、何気ない日常に潜んでいた恐怖の想い出・・・・。

そんな事だけは夜道でなんか考えちゃいけないですよね。

バスばっかりが私を追い越して行ったりすれ違ったりします。

その灯は、また一種独特で、

誰も乗っていないバスは黄金色の灯を放つ、不思議な箱に見えたりもします。

 

そんな箱とすれ違うように、その時、一人の真っ白なシャツを着た若者が前からやって来たのです。彼は携帯電話で歩きながら通話中。

なんだか狐のような顔をしているー。

すれ違う時、思わず私は思ってしまったのです。

「お前、人間じゃないな。」ってー。

 

 

 

 


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