おととい、たまたま『土曜スタジオ』を見た後、テレビをつけっぱなしにしていましたら、このヒロシマ8.6ドラマ「二人のキャンバス」と言うドラマが始まりました。
『被爆体験を想像すらできなかった少女と、自分の体験を伝えることの難しさを感じていた老人。
「原爆の絵」を通じて、変わっていく姿を瑞々しく描き出す物語です。』とHPにありました。
小芝風花さん、近藤正臣さん、中村ゆりかさんなどの出演ドラマでした。
短いドラマながら丁寧に作られていて、長い間その体験を語ってくることの出来なかった被爆者の方の気持ち、また広島に生きていても、ちゃんと知る機会がなかったがゆえに知りえなかった少女が真実と向き合う気持ちなどが伝わってきました。
世代を超えた触れ合いと理解と言う話のみではなく、少女の友人との関わりを絡ませたことで、よく言えば短い物語に奥深さが出たと思いますが、反面分かりづらいものが生まれてしまったようにも感じました。友人の複雑な気持ちなど簡単には理解できるものではありません。
それでも少女は受け止めて、最後にゆがんだ瓶の中に緑のオブジェを作って、縁した被爆者の老人と友人に贈るところが良かったと思いました。
伝える事の難しさ、受け止める事の覚悟。
そこにはそんな意味もあったのでしょうか。
ドラマとしての感想は、そのようなものですが、私が一番思ったことは、日本人だけが伝えていく事が出来るこの体験を風化させていってはいけないと言う事と、次の世代にちゃんと伝えていかなくてはならないと言う事だと思ったのでした。
私はある時まで、あまりにも人類史レベルで起きた衝撃的な出来事は、日本人の遺伝子レベルで組み込まれたのだと信じていました。
だから戦争を知らない私たちでさえ、日本人であると言うだけで、
「核はダメだ、ダメだ。ダメに決まりだ。」と言えるのだと思っていたのです。
ところがそうではないみたいです。
かつて日本は戦争に負けた敗戦国だった。だけど日本人はそんな敗戦国のみじめさを抱え込まず誇り高く生きてきた民族だったと思います。それを誰が今頃になって、ほとんどが先の戦争の体験のない者の時代になって敗戦国としてある国の属国に日本人を成り下がらせてしまったのかと、私は思います。
ダメなものはダメなんだ。
『核兵器禁止条約』の日本の対応にはがっかりどころじゃない、怒りのようなものを感じています。
それからまた、次の世代にはちゃんと伝えよう、丁寧に伝えようと思わなければならない事はたくさんあると思います。
この体験したことを若い世代に絵にかいてもらうと言う取り組みは、本当に行われているそうですね。
最後に流れた絵は恐ろしいものがたくさんありました。
だけど最後に選ばれて映し出された絵は「再会」と言うものっで、再び家族か知り合いかは分かりませんが、抱き合っている姿に感動しました。
丁寧に伝えると言う趣旨で、昨日は下の記事をリンクしようとしていたのです。
「「ある惑星の悲劇」☆私の漫画史」
ひとつ前にその記事の縁と言う事で「ささやかな不思議」と言う記事を書きました。
2015年8月6日は、「「父と暮せば」」と言う映画の感想を書きました。
また2014年に訪れた「広島原爆ドームと平和記念公園」の記事もよろしかったら、ぜひ読んでくださいね。