床嶋佳子さんは、なんていうかさりげない演技が上手なのね。
感情移入度が今回高く、最後には、私、ほろりと泣けました。
結婚が人生の墓場になってしまう人って確かにいると思うのだけれど、この女性の結婚はまさにそれ。
365日無休のガソリンスタンドで働かされて、子供が出来ないと暴言を吐かれ、姑に尽くしても感謝すらされず、夫は女にだらしがない。
普通のサスペンスだったら、これで殺人事件も起きてしまうと思うのだけれど、事件など起きないのがフツー。そのフツーが描かれていて良かったと思いました。
彼女の自由への脱出は、夫が死んだその日だったわけで、その後押しをしたのは半年前に「人生最良の日なんかなかった」と言いながら死んでしまった友人の死があったわけ。確かに死んでしまった夫を放置して逃げたと言う行動は褒められたものではありませんが、そうせずにはいられなかった彼女の気持ちは分かるような気がしてしまうのです。
あくまでもおばちゃん。お金をチラシに包んでエコバッグに入れて逃げ出します。
なんかそんな事が悲しい・・・・・。
だけれどおばちゃんの強さもバリバリ出てましたよね。
右京たちが警察だと分かっているのに、ナンパですかと聞いてかわしてみたり、挙句の果てに巻いてしまったり、たいしたものではありませんか。
崖ではありませんが、あのような所で全部告白すると言うのは、なんか「相棒」っぽくないような気がしました。あの女性はまた警察で同じような事を言わあなくてはいけないのだろうかと、これまた細かい所が気になってしまったのでした。
だけれど、彼女が最後に言った
「ずっと憧れていた人と一緒にドキドキする時間が持てた。」
ずっと好きだった人とお芝居したり戦ったり、共通の時間を共有したのですよね。考えられないような大冒険ですよね。
「今日が私の人生最良の日でした。」と言うセリフにはジーンと感動しました。
二つの事件が交差して一気に片付いて、その時見上げた空には花火が大輪の花を咲かせていたのでした。
見上げる人々。
みんなそれぞれの想いを抱えて。
なかなか良いシーンだったと思います。
新しい一歩が雅子と言う女性もそうですが四橋と言う男にとってもです、
今回の見どころは角田課長の大立ち回りでしょうか♪
私的ちょっと残念は、「花の里」が偶然にも彼女の思い出の場所と同じ名前で、無理やり感が高かったことです。
そして、かなり共鳴したことは、「ああいうコーヒーショップは注文が面倒だ。」!
でも今回面白かったなと思ったらライターさんは山本むつみさん。この方は「ゲゲゲの女房」とか「八重の桜」で知られていますよね。ものすごい量の資料を読んでシナリオを書かれる方で、大好きなライターさんの一人です。
近頃の「相棒」、いろいろな人が書かれるんですね・・・・・。