「コールドケース・相棒版」。
AND ホラー。
お話の流れは面白かったです。
淀みなく物語は進み、いつものメンバーの軽妙な会話も楽しかったです。
だけどこのような時効の事件を、もしかしたら犯人に渡航歴があるかもしれないからって、そこまでは捜査しませんよね、たぶん。特命係ありきの事件だったと思います。
だけど芹沢曰く、「これぞまさにメジャーリーガーに相応しい事件」である、大手物流会社社長の新たな殺人事件が起きてしまいます。
なんて言うか、しみじみもした部分がなかったわけではありませんが、かなりモヤッとしました。
コールドケースみたいなお話も、ホラーも好きですから。
ただ最後に亘が言うじゃないですか。
「なんだかこの事件、岡田の亡霊が引き起こしたように感じません?
自分の息子を人形のように操って復讐劇を遂げたように。」
「藤島は人形を操り、岡田は人間を操る。」と右京は前に仲間だった男が言っていた言葉を繰り返すのでした。
だったらだったら、それは悪霊だと思いません ?
しかも自分の息子に一片の愛情を抱いていない、死んでもなおろくでなしだったの証。
あの人生をやり直そうとしていた美鈴の息子は気の毒ですよね。
前科もあるし、誰がいきなり社長が襲ってきて首を締めようとしたから、夢中になって殺してしまったって、それ法廷で通用するのかしら。
復讐を果たすって、自業自得じゃないですか。もちろん殺されても仕方がないとは言いません。でも自分が殺されたことの無念を晴らすって、おこがましいような気がしてしまいます。
この寂しい二人の老人を見なさいよ。
あなたのせいじゃないのかって、最後に出てきた幽霊に説教をしたい気持ちになりました。
更に言うと、二人の男、つまり藤島と梶原はケンタの父親代わりと決めて生んだわけだけれど、なんか中途半端じゃなかったのかと思ってしまったのでした。頼み込まなくては自分の会社に入社させない、亡霊に見えるからと言って何の知恵もなくクビを言い渡す・・・・・
だけど梶原を弁護するわけでもないですが、これが普通の人の感覚なんじゃないかなと思います。自分が殺してしまった男の子供を、何で産むんだくらい思ったんじゃないかな。(言えないだけで。)
時効が来ても、「フゥ、ヤッター。」などと思えず、骨が出て来て精神的に錯乱するほど怯えていたー。
これが人間って言うものだなって、私は思いました。
だけどこの今回の「操り人形」を見て、一番モヤッとしたのは、出てくるシニアたちが皆寂しそうだったからです。
確かに、生活保護を受けていた元活動家は元気でした。だけどどうして生活保護 ?
あの写真が趣味だった喫茶店のマスターも、なぜそんな古い写真にしがみついているの ?
なんで美鈴は、父のない子供を産んだからって、一生独身なの ?
そして70も半分行こうとしているのに、なんで今も二つも仕事を掛け持ちで働きづくめなの。
藤島は劇団を畳んだら「俺もビル掃除の仕事をするかな。」って、何でそんな人生設計なの ?
なんか老いること自体が、メッチャ惨めで悲しいと言う絵面が、マジで悲しかったです。
下條アトムさんと白川和子さんが、寂しいご老人が似合い過ぎていました←褒めています。
嘆きの人形も良くて、ジンワリとしました。
次週もまたなんかホラーっぽい。
な訳ないかw
と言うわけで楽しみです。