麻生首相の全国知事会議での発言は、残念な思いを持ちました。
医師に対して、どのような思いを抱かれようと、個人の自由です。
私を含め医師自身、わが身を振り返り、改善をし、
努力に励まねばならぬ部分を多くもっていることも認めます。
ただ、公的な場で、発言されるのは、いかがなものでしょうか?
日本医師会 会長は、抗議の声明を出した模様です。
****朝日新聞(2008年11月19日)引用****
首相「医者は社会的常識欠落した人多い」 会議後に謝罪
麻生首相は19日の全国知事会議で、地方の医師確保策についての見解を問われ、「自分が病院を経営しているから言うわけじゃないけれど、大変ですよ。はっきり言って社会的常識がかなり欠落している人が多い」と語った。
首相はさらに「(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。しかも『医者の数を減らせ減らせ、多すぎる』と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある」と続けた。その上で、医師不足の一因とされる臨床研修制度の見直しなどに取り組む考えを示した。
首相は会議後、記者団に発言の真意を問われ、「まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、申し訳ありません」と謝罪した。首相の地元・福岡県飯塚市には、親族が経営する麻生グループ傘下の飯塚病院がある。
首相の発言に対し、日本医師会の中川俊男常任理事は記者会見で「信じられない。総理がそんなことを言うとは思えない」と語った。日本医師会の政治団体「日本医師連盟」は自民党の支持団体。ただでさえ、診療報酬などをめぐり両者の距離が広がっていると指摘されるだけに、党内には総選挙への影響を危惧(きぐ)する声も出ている。
*****引用終わり******
*****医師会の抗議文*****
内閣総理大臣
麻生 太郎 殿
麻生総理の発言に対する抗議
社団法人 日本医師会
会長 唐澤 人
昨日開催された全国都道府県知事会議において、麻生総理は医師について「社
会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言された。この発言は、特定の
職業を名指しして、根拠なしに差別するものであり、激しい憤りを禁じえない。
全国の医師会員を代表して、また国民の一人として断じてこれを認めることは
できない。総理には、発言を撤回し、誠意をもって謝罪をしていただきたい。
いま、医療現場は、常識では考えられないほどの過酷な労働環境にある。国民
は、医療を受けられなくなるとの不安に怯え、救急、産科、小児科を中心に医
療崩壊が現実化していることは、総理も認識されているはずである。
日本の医療は、医療現場の献身的な努力と、厳しい現状の中でも国民が医師を
はじめとした医療関係者を信頼してくれることにより、ぎりぎりのところで持
ちこたえられているのである。こういう中にあって、総理の発言は、日本の医
療を根底から否定するものであり、国民を失望させた。
先般の二階経済産業大臣の発言に続き、国政を代表する立場にある総理のあま
りにも認識を欠いた軽率な発言は、耐え難い環境で医療現場を懸命に守る医師
の真摯な努力を踏みにじるものであり、奈落の底に突き落とされた思いである。
このままでは、日本の医療の再生はますます困難になる。総理自身が熟考され
た上で、あやまちを認め、認識をあらためられることを強く求める。
(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20081120.pdf)
****抗議文引用終わり****
医師に対して、どのような思いを抱かれようと、個人の自由です。
私を含め医師自身、わが身を振り返り、改善をし、
努力に励まねばならぬ部分を多くもっていることも認めます。
ただ、公的な場で、発言されるのは、いかがなものでしょうか?
日本医師会 会長は、抗議の声明を出した模様です。
****朝日新聞(2008年11月19日)引用****
首相「医者は社会的常識欠落した人多い」 会議後に謝罪
麻生首相は19日の全国知事会議で、地方の医師確保策についての見解を問われ、「自分が病院を経営しているから言うわけじゃないけれど、大変ですよ。はっきり言って社会的常識がかなり欠落している人が多い」と語った。
首相はさらに「(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。しかも『医者の数を減らせ減らせ、多すぎる』と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある」と続けた。その上で、医師不足の一因とされる臨床研修制度の見直しなどに取り組む考えを示した。
首相は会議後、記者団に発言の真意を問われ、「まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、申し訳ありません」と謝罪した。首相の地元・福岡県飯塚市には、親族が経営する麻生グループ傘下の飯塚病院がある。
首相の発言に対し、日本医師会の中川俊男常任理事は記者会見で「信じられない。総理がそんなことを言うとは思えない」と語った。日本医師会の政治団体「日本医師連盟」は自民党の支持団体。ただでさえ、診療報酬などをめぐり両者の距離が広がっていると指摘されるだけに、党内には総選挙への影響を危惧(きぐ)する声も出ている。
*****引用終わり******
*****医師会の抗議文*****
内閣総理大臣
麻生 太郎 殿
麻生総理の発言に対する抗議
社団法人 日本医師会
会長 唐澤 人
昨日開催された全国都道府県知事会議において、麻生総理は医師について「社
会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言された。この発言は、特定の
職業を名指しして、根拠なしに差別するものであり、激しい憤りを禁じえない。
全国の医師会員を代表して、また国民の一人として断じてこれを認めることは
できない。総理には、発言を撤回し、誠意をもって謝罪をしていただきたい。
いま、医療現場は、常識では考えられないほどの過酷な労働環境にある。国民
は、医療を受けられなくなるとの不安に怯え、救急、産科、小児科を中心に医
療崩壊が現実化していることは、総理も認識されているはずである。
日本の医療は、医療現場の献身的な努力と、厳しい現状の中でも国民が医師を
はじめとした医療関係者を信頼してくれることにより、ぎりぎりのところで持
ちこたえられているのである。こういう中にあって、総理の発言は、日本の医
療を根底から否定するものであり、国民を失望させた。
先般の二階経済産業大臣の発言に続き、国政を代表する立場にある総理のあま
りにも認識を欠いた軽率な発言は、耐え難い環境で医療現場を懸命に守る医師
の真摯な努力を踏みにじるものであり、奈落の底に突き落とされた思いである。
このままでは、日本の医療の再生はますます困難になる。総理自身が熟考され
た上で、あやまちを認め、認識をあらためられることを強く求める。
(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20081120.pdf)
****抗議文引用終わり****