flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

中村家住宅

2021-06-17 00:00:00 | 木のたてもの

(沖縄県中頭郡北中城村大城 国指定重要文化財 2008年4月3日)
 中村家は、中城城主護佐丸盛春が座間味城よりこの地に移った際に、同行した賀氏がその後の護佐丸自害後もこの地に残り、間切(まぎり:村)の庄屋となって続いた家である琉球王国時代には茅葺であったという屋根は、明治時代以降、台風にも耐える漆喰で固められた瓦に変わり、古き良き「沖縄の屋根」を印象付けている。内部は本土の農家とさほど変わらないが、家の役割からか、やや格の高い調度である。また、入口は直接内部が見えないよう顔隠しの塀(ヒンプン)が設けられ、中国文化の名残がみられる。そして、台所(とぅんぐわ)には火の神(ひぬかん)を祀っているが、神社神道の火防の神「秋葉大権現」や、仏教の火盗消除、伽藍守護を担う「韋駄天」(いだてん)と形は違うものの同様の役目を持っているようである。
 

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