京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

見えるわ~!

2009年04月17日 | 日々の暮らしの中で
めがねが……。

縫い針の穴に糸を通しにくい。糸通し器という便利なものもあるにはあるが、そもそもその先端が針穴に通らないのだから用をなさない。そこで大きく重い拡大鏡を持ち出すことになる。針を持つ手にさらにそれをセットし、糸を持った右手が針穴をねらうという無様な恰好だ。無駄な時間が増え、さすがにこの不愉快な作業の繰り返しに限度を感じるが、これを除けば、夕刻から、特に夜間には、辞書サイズの文字が見にくいという程度で過ごしていける。

「老眼鏡」、このひと癖あるネーミングに「まだまだ」「視力はいいんだから」と遠ざけてきたものの、いよいよそのときはきたらしい。否応なしに年令を意識し始めることになる。
さりげなく取り出してカッコよく身につけましょうなんて、いったい何を繕う必要があろうか年令相応、自意識過剰なだけ。むしろよく頑張ったと言えそうな。だけどだけど……、あ~、これも機能衰退の現象なのかしらん。

見えること見えること。はっきりくっきり。

遠く空を仰ぎ、草や木の緑を見て過ごすのに、この植物園内の公園が少し回り道としても遠くない所にあるのは私にはありがたい。うぐいすが高い木立の中で鳴くその下で、帰宅前の小一時間をベンチに座って本を広げる。眼鏡なしでも充分に活字は追える。

聞いたような声がする。見ると少し前方で大きな荷物を抱えた母子が道路を横断しようとしている。あの二人!甥っ子を連れた友人と一緒に“子供の楽園”に行った帰り道だった。
「何持ってるの?」「公園で遊ぶおもちゃ」だった。
「Jessie、歯ブラシ買うから先に帰ってて―」「は~~い」

コメント (12)
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