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行き詰まった頭を少し解放させたくて、年末以来初めての遠出、これでも遠出で、車を走らせた。
喉の調子もよくなってきたし、外の空気も吸いたいところだった。付近には大型のショッピングセンターもある。あそこに車を止めれば、など考えるだけで、ショッピングには何ら目的もないまま琵琶湖畔まで出た。
うっすらわずかに雪を頂いた比叡山が比良山系と連なり、眼前の開けた琵琶湖の展望は気持ちを和ませてくれる。におの浜からみる冬景色、張りつめた寒気が頬を刺す。頭の中まで風が通り抜けたか、倦怠感も去り気分もすっきり。
すでに話の中心も決まっている、結びのひとことの置きかたも浮かぶ、どんな始め方にしようか…、ひとひねりのエピソードで長さを調節しよう。あれこれ組み立ての段取りを追い直し、書けそうな気がしてきた。テーマは「えんぴつ」。書いては消し書いては消しして原稿用紙に向かうことになる。
書き直したくないものはある。鉛筆書きで記した「今年の目標」。消し去ることは簡単だが、書き直すことがないように念願成就といきたいものだ…。