京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 冬ごもり

2013年01月22日 | 日々の暮らしの中で

冬の最後の節気となる「大寒」に入って、節分までは厳しい寒さが続くとされる冬のはて。幸いなことに、この地では寒さが幾分和らいだ日々が続いています。

雪降れば冬ごもりせる草も木も春に知られぬ花そ咲きける
冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあらむ 

古今和歌集に収められた貫之と清原深養父の歌です。雪を花に見立てたり、時の流れをとらえる敏感さは、「美学」の域に入っていくようです。
凍てたような固い土を割って芽を出す見事な活力に、感動しながらも引き気味なのは小休止時だと知らせるサインなのでした。絵本点訳の活動日だった昨日、何やら疲れを感じておさぼりでした。しかも、夕刻からは雨が降り出すという予報でしたし、夜は寒いし…、と理由を付け足して。

        
実家が愛媛にあるという知人から手作りだという切干大根をいただきました。「たこ足」と言うのだそうです。細く、細かく切った袋入りを買うことしかなくて、初めてみる「たこ足」の切干大根。大きなものは、端から1.5-2cmほど残してその先が確かに8つに切り分けられています。水で戻して油揚げとにんじんを入れて炊きました。うどんほどはある太さで、なかなか食べ応えのあるおいしさです。

ブレークしているのか追いかけられているのかわかりませんが、切干大根を炊きながら古今集を開いたり鉛筆を持ったりと、このちぐはぐさが小さな喜びとなれば、それも生活の彩りです。今日は一日冬ごもりでした。「冬ごもり」は万葉集では「春にかかる」枕詞です。

コメント (6)
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