京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 合歓の花

2015年07月06日 | 日々の暮らしの中で

ここのところの雨で水流も増えた賀茂川上流域のそこかしこに、刷毛で刷いたような淡紅の花が上を向いて開いていた。
しばらく訪れない間に、合歓の花は花盛り。顔を近づけるとほのかに香りがする。上品な美しさが好ましい。

ねむの花で思い出すのは石垣りんさんの随筆。苗木を鉢植えにしてアパートで育てていたそうだが、「喬木を3階の窓先で育ててどうするんですか」と知人から言われたという話がある。見事な大木に枝葉を広げるのをみると、確かに無理といつも思い出される。けれど試してもみたい、真似しいの私…。早寝早起き、この規則正しい植物の時間を見てみたい気になってくる。

まだ明るいうちに、向き合った細かな葉をよせ合い、やがてぴったり重ねると、その葉先を垂れて眠るのだとか。
何の夢を見ているのだろうか。

 「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓(ねぶ)の花…」と万葉集にあるが…。
コメント (6)
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