中学生と小学生と異なるが、孫二人は今日からそれぞれに新学期が始まった。
3人目のLukasもまもなく1歳9か月に。歌を歌い、発する片言の数も増えてきた。発音は(むろん音程も)まだ明確ではないが、そうした中で、唯一「タ~イラーッ」と兄の名だけははっきりと呼ぶ。
ただ、その呼び方だが…。「タイラ~! いつまで寝てるの!? 急がないと遅れるよー」と、やきもきしている母親の気分をなぞるかのような口調で1歳児は兄を呼ぶ。呼ばれる本人さんはニヤニヤしている。相手の年齢を忘れたか、遊び相手にしてかまい、喧嘩をし、大事にする兄。父母、姉を差し置いて、まず自分の名が高らかに呼ばれるなど、嬉しいことなのだろう。夏バテもなく、三者三様にひと夏を過ごせたことはありがたいことと振り返っている。
無用の外出を控えた猛暑続きだった。なすすべなし。窓を開けて風の通りを良くしてエアコンの使用を控えてみるが、30度を超えるのは早い。外界は室外機から放散される熱風でますます息苦しさを増す。そんな市中を思うと外出もしたくなくなる。
障子や襖をはずし、変わりに簾を吊るし蔎(よし)戸を立てる。嫁いできた頃、「網戸など暑くてたまらない」と言う義母とひと悶着あったことを思い出した。確かに網戸を開けた方が風は入る。しかし、だ。義母が折れた。夜になって電気をつけると、通りから蔎戸越しに団扇片手の家族の団欒が透けて見えた家もある。
家のしつらえにしても食べ物、着るものにしろ、「涼しそうだ」は「涼しい」ということだと考えるのが京都人の夏涼の法だとか。もっとも、こうした暮らしの知恵も感覚も、信じなければ意味はない。これでもかと迫りくる油照りに余裕はなくなり、「夏は暑がっているのが文化いうもんや」など悠長なことを言ってはおれないひと夏だった。
エアコンの効いた部屋で読書などし、小文の下書きなどに取り組んでみたが、どれも中途半端で放ったまま。
枯れたエノコログサが風に揺れる。夜空の月が煌々と地上を照らしている。
3人目のLukasもまもなく1歳9か月に。歌を歌い、発する片言の数も増えてきた。発音は(むろん音程も)まだ明確ではないが、そうした中で、唯一「タ~イラーッ」と兄の名だけははっきりと呼ぶ。
ただ、その呼び方だが…。「タイラ~! いつまで寝てるの!? 急がないと遅れるよー」と、やきもきしている母親の気分をなぞるかのような口調で1歳児は兄を呼ぶ。呼ばれる本人さんはニヤニヤしている。相手の年齢を忘れたか、遊び相手にしてかまい、喧嘩をし、大事にする兄。父母、姉を差し置いて、まず自分の名が高らかに呼ばれるなど、嬉しいことなのだろう。夏バテもなく、三者三様にひと夏を過ごせたことはありがたいことと振り返っている。
無用の外出を控えた猛暑続きだった。なすすべなし。窓を開けて風の通りを良くしてエアコンの使用を控えてみるが、30度を超えるのは早い。外界は室外機から放散される熱風でますます息苦しさを増す。そんな市中を思うと外出もしたくなくなる。
障子や襖をはずし、変わりに簾を吊るし蔎(よし)戸を立てる。嫁いできた頃、「網戸など暑くてたまらない」と言う義母とひと悶着あったことを思い出した。確かに網戸を開けた方が風は入る。しかし、だ。義母が折れた。夜になって電気をつけると、通りから蔎戸越しに団扇片手の家族の団欒が透けて見えた家もある。
家のしつらえにしても食べ物、着るものにしろ、「涼しそうだ」は「涼しい」ということだと考えるのが京都人の夏涼の法だとか。もっとも、こうした暮らしの知恵も感覚も、信じなければ意味はない。これでもかと迫りくる油照りに余裕はなくなり、「夏は暑がっているのが文化いうもんや」など悠長なことを言ってはおれないひと夏だった。
エアコンの効いた部屋で読書などし、小文の下書きなどに取り組んでみたが、どれも中途半端で放ったまま。
枯れたエノコログサが風に揺れる。夜空の月が煌々と地上を照らしている。
