京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

母を敬い、父を敬い

2018年08月11日 | 日々の暮らしの中で

母親の誕生日プレゼントを買いたいから付き合ってほしい、と孫娘からのメールを受け取った。「お願い!」と強力な一言が添えられている。

「つきあって」というのもクセモノで、場合によっては彼女自身のオネダリが加わるかもしれない。彼女の財布のひもはカタイ。となると「付き合う」には、スポンサーとして一部負担金がありそうだ。求められても求められなくても…。

母親からはプレゼントのリクエスト品を聞いてきていた。一方で、父親にはまだ何も用意していないと言う。
「ダディは絶対こういう本、好きや。けど、トランプ大統領がいい、いい言うてるなあ」と書店で。「珈琲好きやから、これはどう」と洒落た角度で持ち手の付いたマグカップを手に取ってもみている。
目的の品とは別に、普段の母親を思い遣りながら、「ルーチイ(Lukas)を抱っこしてたからいい服が着られなかったけど、もう着られるやろ」とワンピースの品定め。「マミちゃんはいつも肩凝ってるねん」。書店に立ち寄れば「マミちゃん、いつも運が悪いから」と笑って、開運のエッセイ本などをめくっている。幼いころからこうした面には長けていた気がする。いつの間にか、よく見聞きしていたものだった。やっぱり家族だな、根っこのところでよくつながっている。

「この世で母を敬うことは楽しく、父を敬うこともまた楽しい」(法句経)。
何気ない贈り物に込められた思いを、二人は優しい心で受け止めてくれることだろう。

財布も軽くなったが気も軽く、じゃあまたね、と別れた。阪急京都線と阪急宝塚線とが十三の駅まで並行するように走る個所がある。そしてそれぞれの方向に…。たくさんの紙袋を提げて帰って行った。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする