朝方は昨夜来の雨が残り、一日空は曇りがちだった。風が冷たく、いっきに寒くなった。
神社の老婦人から分けていただいていた杜鵑草が、ようやくのこと咲きだして嬉しいこと。

いつかの夏の古本まつりで何冊か昭和文学全集(小学館)を手に入れた。うち7巻目には梶井基次郎、中島敦、嘉村磯田、内田百閒、中勘助、広津和郎、滝井孝作、網野菊、丸岡明、森茉莉が収められる。
4人の母をもった菊さんだったが、「母、母、母。母は沢山あるけれど、本当に懐かしめる母は一人もいない」と。
〈「ありのままに写した」「素気ない」「香りのない文章」ながら、読者を惹き込む力は群を抜く〉網野菊の5作品、「母」「金の棺」「業」「さくらの花」「一期一会」を再読した。
面白いとは思えないが、一日がかりで読んだ。本人も言われるようだが、やはり私小説を読むと不思議と感じる満腹感はぬぐえない。
落日が庫裏の西側の部屋深くにまで見事な明るさでさし込んだのには驚き、残照をほんのしばし楽しんでいた。
風あれば揺れる杜鵑草。

神社の老婦人から分けていただいていた杜鵑草が、ようやくのこと咲きだして嬉しいこと。

いつかの夏の古本まつりで何冊か昭和文学全集(小学館)を手に入れた。うち7巻目には梶井基次郎、中島敦、嘉村磯田、内田百閒、中勘助、広津和郎、滝井孝作、網野菊、丸岡明、森茉莉が収められる。
4人の母をもった菊さんだったが、「母、母、母。母は沢山あるけれど、本当に懐かしめる母は一人もいない」と。
〈「ありのままに写した」「素気ない」「香りのない文章」ながら、読者を惹き込む力は群を抜く〉網野菊の5作品、「母」「金の棺」「業」「さくらの花」「一期一会」を再読した。
面白いとは思えないが、一日がかりで読んだ。本人も言われるようだが、やはり私小説を読むと不思議と感じる満腹感はぬぐえない。
落日が庫裏の西側の部屋深くにまで見事な明るさでさし込んだのには驚き、残照をほんのしばし楽しんでいた。
風あれば揺れる杜鵑草。
