京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

25円の五重塔

2021年10月25日 | 日々の暮らしの中で
朝から、今もまだ雨は降り続いている。〈雨降れば暮るる速さよ〉を実感。
ツワブキの花もたくさん開いたが、雨の重みで花茎から項垂れてしまって。花の盛りの短いこと。

朝一に、認めおいた手紙をもってポストまで歩いた。今月をもっての身辺整理の一つ。感謝の言葉とともに思いを伝えた。
もうあとはしなくてはならないこともない。雨だし、気持ちものんびりと余裕がある。
そうそう、司馬さんはどう書かれていたんだったか?と思ったことを思い出して、『街道をゆく24 近江散歩、奈良散歩』を開いた。
「五重塔」「阿修羅」の項があり、かつてより一層興味深く読み直した。

【明治政府の廃仏毀釈の標的にされた興福寺は、堂塔伽藍のあらかたが破棄された。五重塔は25円で売りに出された。
日本の歴史上には、信長に対して抵抗した一向一揆やキリシタンの大量殉教の事件もあるが、暴政に対して興福寺の僧侶たちは、なぜ激しく争うこともしないまま消滅したのか。自ら興福寺を捨てたのか。仏法を守るために戦い、仏ともども砕かれて死ぬという道を選んでもいい。争うことはできたはずだ】
と言った視点からの考察が興味深いものだった。

  さかさまに眺める5歳のときの孫娘…。

明日は父の祥月命日につき、お内仏に新しく花を供えた。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする