京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「そうそう、こんな感じで」

2024年01月07日 | 日々の暮らしの中で
1月7日は、ある地区のご門徒が寄り合う場に住職が招かれ、七草粥のお膳がふるまわれる。
毎年の恒例行事で、コロナ禍においては中止されたが、絶えることなく続いている。
留守中の朝、無病息災を願い、私は一人静かにいただく。


「せりなずな ごぎょうはこべらほとけのざ すずなすずしろ」
これぞ七草。小学校4年生だっただろうか。暗唱していた孫娘を覚えている。
食べずに帰ってしまった。
なんや寒さが増した気がする。その存在は心身まで温めてくれるものだったのだ。

外は風が吹いているようだ。

    宵過ぎや柱みりみり寒が入る     一茶
 「うす壁にづんづと寒が入」る冬の住居の実感。

    煙草盆足でたづねる夜寒かな
    たてのもの横にもせぬ冬ごもり

一茶58歳、3人目の子が生まれ、中気がおき、どんどん無精癖がつき…。

    合点してゐても寒いぞ貧しいぞ
    手拭いのねじったままの氷かな

おいおい、一茶さ~ん。
「炬燵弁慶で、老いだの、おとろえだのの句ばかり、口をついて出る」一茶は、62歳。
田辺聖子さんの『ひねくれ一茶』を思いだして開いてみた。

いけない。引きずられてはいけない。
今日から地元紙では漫画家・いがらしみきお氏(68歳)の「おいじまん」の連載がはじまった。

飼い猫が突然足をくじいたのか足を引きずって歩いていた。「いたい」とも「治してくれ」とも言わずに普通の顔をして、足元を盛大に足を引きずって横切っていく。それを見て、
「私は、そうそう、こんな感じで自慢したいものだなと思った」
と結ばれるのを読んで、ふふふ。

ユーモラスな老い自慢なら期待したくなる。
コメント (4)
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