京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

大津から、始まった

2024年01月17日 | 展覧会
琵琶湖西岸の山手にある大津市歴史博物館。その正面から琵琶湖を眺めれば、
左方に比叡山があり、その右手に続く比良山系の山並みには白く輝く冠雪が見られた。

そこからさらに右へ、東岸にあたる正面の山のその向こうに、やはり冠雪した伊吹山の台形の頂が望めた。


近江の人と、「源氏物語と大津」と題した特集展に足を運んだ。
まだこの先1年(~2025.2.2)もあるが、展示内容が変わる。この一期には、光源氏と葵上の出会いを描いた土佐光吉の源氏物語図色紙「若紫」(石山寺蔵)が展示されると報道されていたので、これが目的だった。


永徳の妻の兄、土佐派の後継者だった土佐光元は、「絵を描くより合戦に駆け回る方が得意で、千石の禄をもって秀吉の陣に迎えられ、戦に斃れた。」
それから10年。土佐派の後継には光茂の高弟だった光吉しかいない、といった箇所に一度登場したのが「光吉」だった(『花鳥の夢』)。
永徳は、「土佐派の絵は、いたって凡庸である。寺社の縁起や上人の物語を画巻に仕立てるのは得意でも、画面の中に躍動感や力強さなどはまるでない」と評していた。

この光吉の色紙に、力強さは不要だろうが、展示室がなあんか暗くって、あらゆる展示物の説明書きが読みづらく、見えない(ので読み取れない)というものもある始末。文字が小さい。眼鏡を取り出して見たが、小さい。こんなことは初めてだと思う。

「大津」に関わる常設展示と場所が一緒? 意図して構成されているのか? ごちゃごちゃと、余分なものまで見る羽目になったのか。
うーん、わかりにくい展示構成だった気がする。極めて不満足…。

外に出て、目の前に広がる琵琶湖の広がりにモヤモヤとくすぶった思いを吐き出した。

コメント (6)
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