京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

「12か月の未来図」

2019年05月23日 | 映画・観劇

「12か月の未来図」

エリート校の高校教師フーコーが1年間という期限付きでフランス郊外の教育レベルが低く、生徒には問題行動が多い中学校に赴任した。
学ぶ意欲を持たない、持てない子供たちに、教師は一人一人にビクトル・ユーゴの『レ・ミゼラブル』を渡し、読書を通して国語の学習を工夫する。おそらくまともに本など読んだことはない子がほとんどだろう。移民や貧困問題が子供たちの背景にはある。個々の発表を通し、更にさまざまな想像、見方を引き出し、課題への取り組みを認めていく。

何かと手を焼かされる生徒の一人・セドゥ。彼はベルサイユ宮殿に遠足に行った日の行動で退学処分を受けてしまう。救いたい教師は、法律の条文を読みこんで、「取り消し」を手にする。
教師によって小さな承認が重ねられ、子供たちにも小さな変化を感じ取れるようになる。

人間は先を見据えて生きていかなければならない。だから辛い。子供たちの将来を案じるフーコー。子供たちの心に未来を描く光が差し込んだら…。逆境から何かを学び取る。1年という期限付きの教師との別れに、セドゥは言った。「僕でも(先生が戻るエリート校に)入れるかな」「寂しくなる」 
彼が近未来、これから1年先の未来図を描き、困難な環境を突破する可能性だってゼロではないはず、…と思い巡らせ、心温まるよいラストだった。


多くの問題を抱え込んでいるパリ郊外の学校。これはフランス社会の現実問題だろう。学ぶことの楽しさをもっと子供たちに…。
久しぶりの友人とは、この先の人生をどう生きたいか話題になった。やっぱり先を見据えて生きなければならない。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ふと思う | トップ | 青い空に朗々とした声が… »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
友人との時間、ryoさん (kei)
2019-05-26 20:47:01
少しでも息抜きになり、またの楽しみができたらと思ってしまいます。
親しくしていたのですが、ご無沙汰が続き気がかりでした。
二人暮らしで、週2日のフリータイムは家事をこなすのに追われ、もう老々介護に近いです。それでもこうして時どきは旧交を温めながら、と思っています。

お姉さんの存在が張りになるのですね。

返信する
映画 (ryo)
2019-05-26 14:51:44
映画鑑賞ですね。
いろいろとありながらも
こうしてご友人との時間を持たれる
ことは、これも大切な時間ですね。

最近、つくづくと思います。
友人の有り難みです。
支えられてると思いますね〜
返信する
少し先、もう少し先を~、蜩の森さん (kei)
2019-05-24 10:24:35
辛いこと、思い通りにいかないことのほうが多い人生ですが、
小さくても希望を灯せることで力にもなり、深く生きられそうです。
教育は与えることではなく引き出すことであると思い出しました。
どの子も素晴らしい力を持っているのですね。
孫の好奇心のツボをつついてやる楽しみもまた捨てがたいです。
どんな花が咲くか、タネにも人にも楽しみです。

木陰の気持ち良い賀茂川べりです。左上の道路を葵祭の行列がいきます。
返信する
少し先、もっと先を (蜩の森)
2019-05-24 06:56:00
アサガオさんもタネを蒔くことで新たな芽を出しましたね。
「お花がさくんよ」幼子に小さな夢をさずけられました。
静かでさわやかな緑の散歩道で、お弁当開いてゆっくり流れる時間を楽しむ、そんなことをふと思ってみる。
映画鑑賞を終えて、この先の人生を考えてみる。
少し先を、もっと先を、遠い先のことを思い描きながら生きる。人生楽しからずや・・・。
なんてちょっと大袈裟かもしれませんね。でもそれって、なんかしら愉快な生き方のようにおもえます。
短い間ですが、本当にいい季節を迎えていますね。
返信する

コメントを投稿

映画・観劇」カテゴリの最新記事